建設ITガイド

トップ >> 成功事例集 >> Archicadを無理なく使いこなす地方ゼネコンの新時代に向けた挑戦
成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

Archicadを無理なく使いこなす地方ゼネコンの新時代に向けた挑戦

SAWAMURA(株式会社澤村)

Archicad

德永 康治 氏 澤村 幸一郎 氏 木曽 篤 氏 村中 裕生 氏

SAWAMURA(株式会社澤村)
所在地:滋賀県高島市
創業:1950年12月
資本金:5,000万円(グループ全体)
従業員:約120名
主な事業内容:建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事ほか
https://www.sawamura-shiga.co.jp


左から                       
德永 康治 氏 澤村 幸一郎 氏 木曽 篤 氏 村中 裕生 氏
  

注文住宅からオフィスや倉庫の設計、施工までをトータルに提案する「SAWAMURA」。
2016年に施工を担当した滋賀県のランドマーク「びわ湖テラス」が代表作の一つだ。
3代目・澤村幸一郎代表取締役の就任後は、“きっかけを創造する”というミッションを掲げ、会社のリブランディングにも力を入れている。
そんな「SAWAMURA」がArchicadの導入を始めたのは2019年9月。
地方ゼネコンの規模でBIMを本格的に取り上げるのは、まだあまりない頃の挑戦だった。

 
 

「建設業界の未来を見た」
そう語るのは、「SAWAMURA」に入社して5年目を迎える、設計課の德永康治さんだ。
 
德永さんが感銘を受けたのは、鹿島建設がプレゼンテーションした「オービック御堂筋ビル」の新築工事。
建物の企画・設計から施工、竣工後の維持管理・運営までの全てのフェーズにおいてBIMを活用し、仮想空間上で完成の姿をリアルタイムに再現(デジタルツイン化)した。
日本初の取り組みだった。
 
「『オービック御堂筋ビル』のようにBIMを活用すれば、実施設計が終わった段階で、全ての環境が“見える化”し、材料も正確に決まる。衝撃的でした」
 
「世の中のニーズに応えていけば、いずれ建築業界でArchicadを使うことは必須条件になる」そう考えた德永さんは、早速、澤村社長に提案。
2019年9月、「SAWAMURA」はArchicadの導入を決めた。

 
 

BIMを等身大で使うための試み 個人レベルから組織レベルへの活用へとシフト

 
最初の1年は課題が山積みだったという。
 
「BIMはできることが無限大にあります。学ぶことが多く、オンライン勉強会には片っ端から参加しました。でも、いくら個人レベルで習得できても、組織として活用するにはどうしたらいいのだろうかと」
 
德永さんは、設計課の先輩である主任の木曽篤さんとともに、BIMの社内活用に向けて、年次ごとに具体的なプランを立てることにした。
 
「例えば、リアルさが求められるパースは、突き詰めるとキリがないんです。そこで、一つのモデルを基にLODを作成し、各フェーズに合った入力密度の基準となるものを設定しました」
 
モデルは、社員にとって身近な事務所にした。
マニュアルには、使い方のルールだけではなく、知ると便利な操作や表現方法なども盛り込んだ。
今も、德永さんたちが日々使っていく中で気付いた細かい内容は、半年から1年に一度、更新を行っている(図-1)。

図-1 Archicadデータに社内LODを表現
図-1 Archicadデータに社内LODを表現


Archicad活用事例その①初めての現場活用~未開拓だった土木との連携~

 
德永さんたちが次に着目したのは、土量算定だった。
「SAWAMURA」の案件は倉庫が多い。
空間だけの倉庫にArchicadをどう活用していこうかと考えたときに、未開拓だった土の分野に目を向けた。
土木との連携だ。
 
「倉庫を建てるために地盤を掘り起こした残土処分やならすために必要な土がどれくらいあるのか、2D CADだと手計算で算出するので大変でした。大規模な敷地であればあるほど、差額も大きくなってしまいます。BIMを使うと、最適な地盤面の高さを計算すれば、処分する土量を事前に算出し、それを造成土に活用したりできるので、ロスがなくなります。土で浮いたお金を使って看板を作ったりすれば、ブランディングにお金を回すこともできる。単純に費用を下げるのではなく、付加価値を高める工夫を加えることができるようになるんです」
 
ちなみに、これまで行った3物件では、実数値の誤差がほとんどなかったという。

 
 

Archicad活用事例その②現場との情報共有~Excelとの親和性に注目~

 
Archicadを使ってみて分かったことの一つに、Excelとの親和性の高さがあった。
ExcelはITが苦手な年配の人でも使えるソフトなので、うまく連動すれば現場との情報共有がスムーズになる。
例えば、別途工事や施主の支給品が多い工場などの案件は、設備条件が複雑で2DCADで整合性をとっていくのは途方もない作業だ。
そこにArchicadを活用してみることにした。
 
図-2は、施主からExcelで届いた一覧。
ここには、工場に設置する600個以上の機器や架台について、各設備の施主担当者や購入品・既存品の種別、大きさ、種類、機器を使用する際の必要電気量やガスの種類が事細かに記載されている。
このデータをArchicadと連動すると、図-3のように、一目でどこに何が必要か“見える化”することができた。
 
「現場監督だけが把握し指示していたようなことが、Archicadを使うと設計図に全て集約されます。さらにこのデータに、ゾーンごとに仕上げのグレードを設定すれば、予算や空間に合わせて素材のグレードを設定し、必要な数量を自動算出することができます。図面を描く、面積を計算する、必要な資材を決めて計算する、と順にやっていた工程が、図面を描くだけで一気にできるので、これまで見積りだけで2カ月から半年かかっていたような作業を大幅に短縮できるようになりました」

図-2 施主から届いたExcelによる工場設備一覧
図-2
施主から届いたExcelによる工場設備一覧
図-3 エア配管が必要な設備をハイライト
図-3
エア配管が必要な設備をハイライト



 

BIMが広まると未来が広がる 効率性で生まれた可能性を付加価値に変えて

 
「先日のプレゼンテーションでは、大手ゼネコンとの競合で次世代型の倉庫案件を提案し、勝ち取りました。ArchicadデータをTwinmotionと連動して、初期提案から動画による完成イメージを表現することができたんです」
 
こちらのプレゼンテーションには、今春入社した村中裕生さんが活躍した。グラフィソフトが提供する無償のArchicad教育版を使って、学生時代から学んできた技術が光ったという。
 
「先日、社内の施工担当者から、やったことがない空調設備を取り入れてみたいと提案がありました。BIMで“見える化”することで、やってみたいこと・やれることが増えたよい事例です。また、私たちのような地方の会社だと、移動に多くの時間を割くため、遠隔でアクセスできるようになるととても便利。審査機関で図面修正を言われたときなども、持ち帰らずにその場で修正対応ができますから。BIMで生まれた作業時間は、本来設計士が時間をかけるべきアイデアを練る時間に充てていきたいですね」
(図-4)

図-4 ArchicadとTwinmotionを使ったパース提案
図-4
ArchicadとTwinmotionを使ったパース提案
図-4 ArchicadとTwinmotionを使ったパース提案



 
 


新製品ニュース

メタバース用3D建築データ出力機能を開発メタバース用3D建築データ出力機能を開発


建設ITガイド 電子書籍 2022版
建設ITガイド2022のご購入はこちら

サイト内検索

掲載メーカー様ログインページ


おすすめ新着記事

 



  掲載をご希望の方へ


  土木・建築資材・工法カタログ請求サイト

  けんせつPlaza

  積算資料ポケット版WEB

  BookけんせつPlaza

  建設マネジメント技術

  一般財団法人 経済調査会