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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

盛岡発!地元建設コンサルタントのDXへの挑戦!自治体業務にもCIMで対応

株式会社吉田測量設計

土木系3DCAD「V-nasClair」/「Kit」シリーズ/「for V-nasClair」シリーズ


株式会社吉田測量設計
所在地:岩手県盛岡市(本社)
設立:1971年(昭和46年)11月
資本金:1,500万円
従業員数:100名
https://www.ysdag.co.jp

 

設計部     常務執行役員   設計部     
小原 理仁 氏   菅原 和秋 氏   熊谷 さやか 氏 

 
盛岡市内に本社を構える株式会社吉田測量設計は、地元有数の総合建設コンサルタント。外国人技術者の育成・女性の管理職登用などの人財活用とともに、建設DX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れ、働き方改革にも注力。“汗を出し、知恵を出し”を合い言葉に培われた、柔軟な思考力と確かな技術力で、地域のリーディングカンパニーとしての責を担う。
 
 

新時代を見据えた資財投入

株式会社吉田測量設計は、2021年11月に創立50周年を迎える岩手県屈指の地元総合建設コンサルタント。岩手県測量設計業協会ではi-Construction部会設立の呼びかけや、若手社員や外国人技術者の育成など、社内外のBIM/CIM推進にも積極的な取り組みを実施している。同社の常務の立場でありながら現在も自らBIM/CIM案件の設計業務を担う同社 常務執行役員 菅原氏に話を伺う。
 
「国発注のBIM/CIM案件は何度か経験があります。県はこれから、というところですが、今年度になってBIM/CIM案件の公告が出始めました。当社が受注できるかどうかは別としても、いよいよ本格的にBIM/CIM対応が求められる時代が来た、と感じています」
 
同社は、i-Constructionが提言された2015年当初より、国の動向を踏まえ、UAV測量などのICT施工への対応や、3DCAD技術者の育成に注力してきたという。
 
 

3D CAD導入当初は…

2011年、同社は土木系3D汎用CAD「V-nasClai(rヴィーナスクレア)」(開発元:川田テクノシステム株式会社、以下KTS)の導入を決めた。もともと、メインCADとして利用していた2D汎用CAD「V-nas(ヴィーナス)」の機能を踏襲した2次元・3次元対応の汎用CADと聞き、「まずはお試し」での導入だった。
 
菅原氏は、「『V-nas 』からアップグレードしたものの、正直、あの頃は自分も含めて誰も『V-nasClair』の3次元コマンドを使っている人はいませんでしたね」と当時を振り返った。
 
 

住民の声があと押し

2016年(平成28年)、台風10号豪雨災害に被災した岩手県岩泉町の道路復旧業務に従事した時のこと。
住民説明会にて地域住民から「今は3次元だよね」という声が上がったという。
これまで漠然と感じていた3D対応へのニーズの高まりに実感が伴った瞬間だった。
この出来事を機に、本格的に3D CADの活用を検討していくことになる。
 
 

3D CADの再検討

2016年以降、ICT施工の本格対応を始めるに当たり、3D CADの再検討を始めた同社。手始めに、当時 業界標準製品として認知されていた他社製品への乗り換えを検討した。しかし、設計工種別に異なるシステムを利用する必要があり、操作方法も統一されていないなどの壁に突き当たったことから、導入後も期待した以上の成果を得られることがなかった。
 
 

3D CADの本格導入

「ICT施工に対応するため、初めは手探り状態でさまざまなソフトウエアを試し、四苦八苦しながら各製品の良いところどりで3Dモデルを作成していました。『V-nasClair』 は、手慣れた『V-nas』と同じ画面構成で、使いやすさには分(ぶ)がありましたが、『V-nasClair』単体だけでは、手間がかかり過ぎて一から3 次元設計をするのは現実的ではないと思っていました」そのような中、同社は川田テクノシステムの「Kitシリーズ」を導入した。「『Kitシリーズ』を使えば、『V-nasClair』上で、誰でも簡単に3Dモデルの自動作成ができるんです。『Kitシリーズ』を使いこなしていけば、単なるモデリングだけではなく3次元設計に対応できる、と確信しました」
 
まさしくCAD上で3次元設計が実現できる、川田テクノシステムの製品が同社のICT施工への活路を見いだした。
 



 

率先した3Dモデリング

同社は、経験値と技術力の底上げと、説明会での分かりやすさを目的に、BIM/CIM業務でなくても積極的に3Dモデルを作成した。
 
太陽光パネルの造成地モデルを作った際は、一つ目のモデルを作ってしまえば複写で造成地の概略設計と数量算出までが「V-nasClair」上で簡単にできたのだという。
 
「最近では手弁当で簡単にできるものであれば3Dモデルを作っています。3Dモデルにしておけば維持管理の段階でも役に立つと思うので。『ROAD_Ki(tロードキット)』で3D道路設計の提案資料を作成したこともあります。干渉や法勾配も3Dモデルであればすぐに確認できますし、3Dモデルを作っておけば丁張りをかけなくて済むことなどのメリットも多いので、今ではBIM/CIM案件でなくても、発注側から3次元データを求められることも多くなりました」
 
2016年当初は1〜2件程度だったICT施工への対応は、2020年現在、年間30件程度にのぼるそうである。
 
 

功を奏する、ソフトウエアの連携プレー

さまざまな業種をこなす中でも特に測量が強みの同社。場面によってソフトウエアも使いこなす中で、3D点群処理システムの「TREND-POINT(トレンドポイント)」(開発元:福井コンピュータ株式会社)と「V-nasClair」がダイレクトに連携するのが役立っているという。
 
「UAVで3次元測量してきたデータを点群処理し、3D CAD へ取り込むまでは一続きの操作なので、『TRENDPOINT 』との連携はかなり便利です。土木系ソフトウエア間の連携ってありそうでなかったので、かゆいところに手が届くような感覚です」
 



 

さらなる活用へ

2020年、「V-nasClair」とのコラボレーション製品が続々リリースされた。その中の一つに「交差点設計 forV-nasClair」(開発元:株式会社エムティシー、以下MTC)がある。
 
「この辺りの地域では、道路設計の業務を請け負った場合、区間内に交差点があれば交差点設計業務もセットなのが基本なんです。もともとMTCさんの交差点設計システムは使っているので、これまではそちらで3D交差点モデルを作ってフィードバックしていましたが、そのままCADで活用できないことがネックになっていました。『交差点設計for V-nasClair』は、データをそのままCAD化してくれて、配置検討ができる。これだ、と思いました」
 
同社のように建設コンサルタント業界では、ソフトウエアベンダーの得意分野を見極め、適材適所で最適なソフトウエアを使い分けている場合が多く、ベンダーの垣根を越えた連携に期待が高まっているようだ。
 



 

今後への期待

これまでの率先した取り組みがアドバンテージとなり、ソフトウエア連携を生かしたノウハウも蓄積してきた同社。
 
「地元岩手では、いよいよ本格的にBIM/CIM対応が始まります。施工区間700 〜 800mほどの発注の場合、点群データがかなり大容量となるため、システムのさらなる高速処理化と大容量対応を期待します」
 
地元の総合建設コンサルタントとして、高次利用の可能な3次元データ作成のため、ソフトウエアベンダーへさらなる期待を込めた。
 
 



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