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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

ASCAL木造の導入から現在のASTIM

銘建工業株式会社

木造一貫構造計算プログラム「ASTIM」(旧「ASCAL木造」)

銘建工業株式会社

木質構造事業部 設計部長
鳥羽 展彰 氏

 

所在地:岡山県真庭市(本社)
設立:1966年
資本金:3,780万円
従業員:306名(2019年4月時点)
業務内容:構造用集成材、CLTの構造設計・製造・加工・施工
https://www.meikenkogyo.com/
 
 
 

岡山県真庭市に本社を置く銘建工業株式会社は、構造用集成材や全国トップクラスの生産能力を有するCLTなどを取り扱う一方、公共施設や商業施設、企業などの木造建築物なども手掛けている。木構造の構造計算の煩雑さに苦労していた時期に導入した一貫構造計算ソフトで見出した多くの改善点や、「ASCAL木造」から「ASTIM」への移行により実感した機能の改善について木質構造事業部設計部長の鳥羽氏に話を伺った。
 
 

構造計算ソフトの選定

2007年当時、構造解析には汎用の2次元、3次元応力解析ソフトを用いて応力を求め断面算定を行っていた。木造は部材数が多く、当然ながらそれぞれに接合部がある。それを目視で拾い出し断面算定をし、接合部設計を行って、さらに偏心率等は別途計算する必要があった。このため、Excelを駆使し、作業効率、時間短縮の方法を模索しながら業務を進めるのが常であった。
 
建築の設計ではよくあることだが、意匠計画は大小含めて簡単に変更が行われるため、梁1本、柱1本の移動や変更で応力解析はやり直しとなる。解析モデルの修正は大した手間ではないことが多いが、応力の拾い出しと再算定にかかる労力は計り知れないことがある。このような業務の改善のため、一貫構造計算ソフトの導入を検討することになった。
 
当時、木造の一貫解析ソフトは木造住宅が基本で、入力のしやすさ、ビジュアル表現の機能、壁量計算、断面算定等の機能は良いものであったが、軸組工法の範疇を超えるものではなかった。グレー本準拠のものも出始めていたが、適用範囲が500㎡以下であるものがほとんどだった中、構造形状にほぼ制限のない(入力に工夫が必要な場合もあるが)唯一のソフトが「ASCAL木造(現ASTIM)」であった(逆に一般的な軸組工法には不向きなところもあった)。
 
 

ASCAL木造の購入と使用

2008年にASCAL木造の購入を決め、使用を開始した。層と通りの入力で部材を配置していく方法については、座標節点から部材を配置していく方法と異なり少し戸惑うことはあった。空間に面を構成し部材を配置していく手法は、入力しやすいかどうかは意見の分かれるところであるが、面材との組み合わせに関してはなじみやすいと感じる。
 
初期の頃の一番の困難は、プログラムの不安定さであった。極端な場合、通りの追加、部材の変更などワンクリックでフリーズしてしまうことがしばしばあった。いろいろな機能を詰め込み過ぎたせいなのか、作業時はこまめに保存を繰り返しびくびくしながら入力作業を繰り返していた記憶がある。現在でもPCとの相性等完全ではないが、以前と比べるとかなり安心して作業できる環境となったと感じる。
 
 

ASCAL木造からASTIMの活用

共同開発を経て、10年以上使用する中でいろいろな活用方法を用いている。まず、計画の初期段階で概算設計をする場合、それほど時間をかけずにざっくとモデル化し解析をすれば、部材断面、必要な耐震壁、筋違量等の把握ができるし、計画に対する問題点等も具体的に判断できる。また入力内容の濃さ次第で、ASTIM積算(ASQUAN)の明細から概算数量、概算見積の資料とできる(最終的には、実施設計の見積作成に有効に活用している)。作図機能(ASDRA)を使い概算構造図の作成も短時間できるほか、3Dグラフィックによる立体図面のイメージ図も有効である。
 
ASTIMを使う一番のメリットは、変更に対する作業量が劇的に減ることである。以前の都度応力を拾い直し検定を行っていた時とは負担が全く違う。修正し検定結果を確認しつつ、最後に計算書としてアウトプットすればよいので、ある程度時間が読めることが大きい。根本的な計画変更はどうしようもないが、壁を移動したり、無くしたり、積載物等が変更になり荷重が増えたり等の対応は容易にできるし、その都度安全が確認できるのも大きなメリットである。
 
主にASTIMを使って構造計算を行うのは、部材数の多い複雑な構造の物件である。手計算程度では細部の応力の流れが確認しづらい架構、例えば平面的に角度のついた計画や、屋根が一体ではなくゾーンで高さや形態が異なる計画、平面的に極端に整形ではない計画等に用いる場合が多い。
 
ただし、このような一貫構造計算ソフトは、応力計算の結果が分かりやすく検定の合否もはっきりするので便利である反面、応力の計算過程が把握しづらいことも多く、結果を鵜呑みにせざるを得ないことがある。そのため、まず手計算で構造計画を行い、空間架構は2次元で解析しある程度全体の安全を確認した上でASTIMに入力するようにしている(それなりの架構のものは直接入力から始めることもあるが)。手計算にしても計算ソフトにしても、それだけに信頼を置きすぎることは危険である。
 

3Dグラフィック

 

3Dグラフィック

 
 

 
木材断面リスト(CSVファイル)        接合金物リスト(CSVファイル)


 

ASTIMの便利な機能

その他の便利な機能は、接合部のデータを細かく入力できることと、よく使う部材、接合部のデータを保存しておくものである。都度入力しないでもダイアログを開いて選択することが可能である。また、木造軸組工法では必須の壁量計算も(許容応力度計算では必要か疑問はあるが)一応計算してくれ、同時に許容応力度計算の耐力壁と壁量計算の耐力壁をそれぞれ計算してくれる(他の木造一貫構造計算ソフトでも同じだと思うが)。
 
オプションではあるが木造基礎も用意されているので、基礎の計算も一貫でできる。ASTIM /壁フレーム(CLT等の壁構造に利用できないかと思ったが使い切れていない)や、当社では導入していないがASTIM /壁量など、木構造に幅広く対応しているのは利用者の幅が広がると思う。しばらく利用していないと新しい機能が追加されていたりするので、探っていくと新たに便利な機能に出会えるかもしれない。時間があれば探っていきたいと思う。
 


 
 


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