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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

社内資格制度でボリューム算出ノウハウ を充実

株式会社トーシンパートナーズ

建築企画BIM「TP-PLANNER」

株式会社トーシンパートナーズ

     
プランニングチーム担当の皆さんと半田氏

 
 
所在地:東京都武蔵野市(本社)
    大阪府大阪市(大阪支店)
設立:1982年2月
資本金:10億円
従業員数:298名(グループ全体)
 
 
 

「フェニックス」シリーズに始まった賃貸マンション供給は、250棟に至る。長年培った緻密なマンション経営ノウハウは、「ZOOM」ブランドに継承され入居率99.5%(2018年平均)が実証する。事業用地有効活用にも独特のノウハウで対処する。用地取得時のTP-PLANNERの活用法をプランニングチーム半田一幸氏にインタビューした。
 
 

ZOOMとは

いつの時代にも
必要とされる3つの価値を、
研ぎすますこと。



 

GOOD DESIGN AWARD

ZOOMコンセプトによるマンションは、2014年にGOODDESIGN賞を初受賞。2019年は、2棟を受賞した。6年連続で合計9棟を受賞している。
 


ZOOM北新宿

ZOOM東陽町

 

TP-PLANNER 利用の経緯

TP-PLANNERは、2003年の天空率施行がきっかけで導入した。
 
導入以前、用地情報のボリューム算出は、外部設計事務所に委託していた。
 
だが、必ずしも満足のいく内容になってないことが多かった。なにより外部ゆえに意思疎通が図りにくいこともあり、ベストのプランニングの見極めも困難であることが多かった。
 
 

社内資格制度

TP-PLANNER導入から1年ほど経過し、操作を習熟するにつれ用地情報の初期段階からプランまでの工程を完全に社内で行うよう社内システムそのものを改革した。
 
用地情報が入手されたら社内では、仕入れチームが簡易ボリュームで用地選定を行う。このことから仕入れチームにもプランニングチーム同等のスキルが要求される。スキルアップのため、研修制度を徹底しているのも当社の特徴だ。 仕入れチーム配属後、半年は、徹底した簡易ボリューム算出のための基礎知識をTP-PLANNERの操作とともに学習する。その研修を通過したスタッフには、「簡易ボリューム算出資格認定証」が授与される。
 
 

簡易ボリュームで用地取得の可否を判断する

簡易ボリュームとは、用地情報を入力後プラン入れを行わずに、TPPLANNERの逆斜線(主に高度斜線)と逆日影計算で形態制限から算出されるボリュームの容積率で用地検討の可否を判断する手法だ。
 
逆日影と逆斜線を複合したブロック図よる容積率に、社内データベースから算出された特有の掛け率を乗じた容積率で、社内基準の検討に値する用地か否かを判断する。
 
この部分を担当するのが仕入れチーム。日々入ってくる用地情報を仕入れチーム内で検討可否を判断する。
 
その判断を通過した事案だけがプランニングチームに上がってくる機構を確立した。
 
もちろん、難解な用地条件の時は、プランニングチームを交えて検討することもあるが、ほとんどの検討を仕入れチームで行う。
 
簡易ボリュームにより算出された容積率が高度斜線起因の場合では、上乗せは、ほぼ期待できない。
 
一方、日影規制起因に関しては、20%ほどは上昇すると考えプランニングチームに期待される。また、道路あるいは、隣地斜線に関しては、天空率でクリアすることを前提にふるいにかける。
 
プランニングチームも仕入れチームの数値以上の容積率を反映すべく対応することが多くなり、お互いのスキルアップにもつながり相乗効果が生まれている。
 
それぞれのセクションで用地に対して可能空間の確保にシビアになり、ビジネスチャンスを逸することも減少していった。
 
なにより仕入れ担当者とプランニング担当者がお互いに同一の用地に対して情報を共有することが意義深い。過剰な期待をすることもないがプランニング担当者としては、やはり仕入れ担当者の簡易ボリューム以上の数値を算出したいという思いも生じる。それを実現することでお互いの関係もより良好になり、用地の有効活用が円滑に進行する。
 
 

プラニングの仕上げ仕様

基本的に、TP-PLANNERで自動作成される図面以上の仕上げにはしない。
 
なぜなら、TP-PLANNERで作成された企画BIMデータは、法的考慮された面積算出、壁厚仕上げを考慮した日影、高度斜線、天空率の全てが連動し維持されているからだ。
 
他の2次元CAD等で余計な加筆することなく、TP-PLANNERの生データそのものでスパン変更、形状変更を行いすべての整合性を維持することにしている。従来2次元CADで計画していた時代は、設計変更があると全てのフェーズをそれぞれやり直さなければいけなかったがTP-PLANNERの場合、全てが連動するために、オールインワンで管理が可能で駐車場の1/5緩和など法規を考慮した面積、天空率もワンクリックでその可否が確認できる。 まさにストレスフリーで利用が可能だ。
 
ボリュームプラン作成が終了すると、平面図、概要書に自動作成される面積表と当社オリジナルのボリュームプランチェックシートを作成し、他のメンバーによるWチェックを経て万全を期し、仕入れ担当者に引き継ぐ。この時点でハイレベルなプラン案が適法に処理されているため、手戻りする事は基本的に無い。
 



 

コスト算出

ボリュームプラン作成と同時にプランニング担当者は、建築ソフト(株)社製見積りソフト「コストナビプロ」に連動しコストの算出まで行っている。その際もWチェック方式で、他のメンバーがチェックすることで算出ミスを抑制している。
(以上半田氏談)
 
 



 
 

最終更新日:2021-04-15




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