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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

ARCHICADによるBIM活用で倍々ゲームの急成長を実現!初の海外大型プロジェクトへ挑戦中

株式会社 横松建築設計事務所

ARCHICAD

株式会社 横松建築設計事務所

専務取締役
横松 邦明氏

 
所在地:栃木県宇都宮市(本社)
設立:1981年
資本金:2,210万円
従業員:14名
事業内容:建物の設計・監理、リフォーム・リノベーション、
公共事業、建物の耐震診断 ほか
 
 
 
 
 
 
東京都足立区の横松建築設計事務所は、建築家 横松宏明氏が主宰する一級建築士事務所である。10年前までは宇都宮市の所員数4名ほどの小規模事務所だったが、いまや所員数は14名に増え、年30件以上の案件を動かすアグレッシヴな設計事務所へ急成長を遂げた。その原動力が、専務取締役を務める横松邦明氏と同氏が駆使するARCHICADによるBIM設計である。同社の躍進ぶりを象徴する初の海外プロジェクトにおけるBIM活用の実際について、横松邦明氏に伺った。
 
 

Web経由で海外から初オファー

 
「声をかけられた時は本当に驚きましたね」と、横松氏は笑顔で語り始めた。
 
「出先から戻ると、スタッフが『幼稚園のプロジェクトで問い合わせがありました』と言うのです。そして『中国から』と続けたので思わず『えーっ?! 』って(笑)」
 
当時の横松氏に中国へのつてなどなく、海外からのオファー自体初めてだった。なぜウチに?と半信半疑になったのも当然かもしれない。
 
「後で聞くと、当社のWEBサイトを見て声をかけてくれたようです。あそこではARCHICADによる3DやBIMの作品を紹介しており、それが気に入られたのでしょう」
 
顧客は日本に滞在中だったため、すぐに打合せに向った横松氏は、再び大いに驚かされた。示されたプロジェクトが、規模内容ともに予想を大きく超えていたのである。
 
「中国西部の青海省西寧市という所で収容数500名規模の幼稚園を建てたい、というのです。幼稚園は私もたくさん作りましたが、こんな大きなものは初めてで・・・・・・当社にとって最大級の幼稚園プロジェクトでした」
 
青海省西寧市は青海省の省都で、チベット高原の古都としても知られる街。省都だけに政府施設も多く富裕層も多いが、幼稚園(中国では「幼児園」)は少なく、特に教育熱心な富裕層が求める施設がないという。横松氏の顧客は、そこにビジネスチャンスを見出したのである。
 
「部屋数や面積などプロジェクトの要項は中国の基準に基づいて提示され、さらに『セキュリティのために外部から閉じられ、しかも利用者が閉塞感を感じず楽しく回遊できる建物を』という要望をいただきました」
 
これに応えて横松氏が提案したのは、内部に向けて開いた「八の字」平面の中に2つの中庭を取り込んで立体的に交差させた、一見とても幼稚園とは思えない奇抜なデザインだった。
 
「平面を回遊するより、立体的にして縦横無尽に駆け回る方が楽しいと考えたのです。そこでメビウスの輪のように建物を立体交差させ、地下1階から地上2階まで、中庭を介して園全体を回遊できるようデザインしました」
 
鉄筋コンクリート・地下1階地上2階で1万㎡のこのプランは、そのインパクトのある美しいデザインで顧客を一気に魅了した。すぐに横松氏は「全て貴方に任せよう!」という言葉をもらうほどの信頼を獲得したのである。──だが、ここに至るまでの横松氏の挑戦は、決して平坦な道のりではなかった。
 
 


 

 
配置図                 断面

 
 

短期間でプランをブラッシュアップし信頼を獲得

 
 
                 立体的な回廊

 
「実は最初のプレゼンではメインのA案とサブのB案の2案を提案しました。私たちはA案推しでしたが、大受けしたのは意外にもB案だったのです」
 
そこからの柔軟かつスピーディーな対応が横松氏の真骨頂だった。先方から感想を聞き出しその嗜好を読み取ると、現地顧客オフィスにデスクを借り、ARCHICADを抱えて「缶詰め」となったのだ。そして、ARCHICADのチームワーク機能を使い、アシスタントと共に短期間でB案を膨らませてブラッシュアップ。「メビウスの輪」案を作り上げたのである。
 
「当初は意表を突かれましたが、同時にそこで施主の好みも分かりました。後はそのツボを押さえて形にしていけば良い。時間がなくて大変でしたが、ARCHICADなら決して難しくありません」
 
こうして短期間で作り上げた「メビウスの輪」案と圧倒的な対応力で一気に信頼を獲得したのである。
 
「このB案も最初は普通の八の字型でしたが、中国の法規に照らすと入らない箇所があったので、修正を重ねて楕円形の八の字になりました」
 
以降プロジェクトは順調に進行しているが、実は横松氏自身は中国語も英語も片言だ。それでも協業する現地設計事務所や工事業者等の中国側スタッフとは密接なやりとりが欠かせないし、中国の建築法規や社会事情への理解も必要になる。しかし、現地は日本から飛行機で最速で10時間かかり、現地踏査もままならないのだ。組織設計事務所ならプロジェクトチームを作って専門家の支援もあるが、横松氏は先頭に立って進むしかない。このハンディを同氏はどうやって克服したのか?
 
「特に大変だったのは言葉の問題ですね。通訳を付けてもらいましたが、細かい打合せは難しくて、しかも中国のプロたちはみんなすごく押しが強く容易に納得してくれません。しかし、そんな彼らにプランを認めさせなければ、計画の実行は難しかったでしょう。そこで威力を発揮したのがARCHICADでした」
 
 
 

ARCHICADがなければ「今」はなかった

 
「とにかくARCHICADがあれば3Dの形を見せながら説明できる──お客様に納得してもらう上で、これが一番大きかったですね」
 
そもそもこの「メビウスの輪」案の3D形状は立面図等で見せてもまず理解してもらえない、と横松氏は言う。特に今回は楕円八の字型を生み出すため、ARCHICADと連携させたRhinocerosを使い優美な曲面を生成している。これはこの意匠の「売り」の1つだが、同時にそれは2Dでは伝えにくい表現でもあるのだ。「その意味でも、ARCHICADがなかったらこのプランは話にもならなかったでしょう」と横松氏は笑い、プロジェクトの実務面でも同様のことが言えると語る。
 
例えば、確認申請や設備設計を委託した現地設計事務所との打合せ一つにもARCHICADは欠かせない存在だった。横松氏らはネットワーク経由でARCHICADやBIMxを用いて、具体的な形を見せながら提案することで、誤解のない的確なコミュニケーションを実現したのである。ARCHICADで作った図面やパースには、和文の説明テキストとともにGoogle翻訳した中国語テキストを添えているという。「あちらは中国のローカルルールや法規に基づき『こうすべきだ』と率直に意見してくるので、ネット越しに毎回活発にディスカッションしながら進めています。しかも、彼らはものすごく勤勉なので、こちらもクイックな対応が欠かせません。いざという時はARCHICADのチームワーク機能で、複数のスタッフで集中的に作業して変更や修正にも対応しています」
 
さらに最近は横松氏も社外を飛び回ることが多くなったため、ビジネスチャットツールでスタッフとやりとりしながら、出先でMacBookに入れたARCHICADを用いて作業を牽引することが増えているという。
 
プロジェクトはすでに実施設計の段階となっており、ARCHICADで実施モデルも作成している。構造・設備は中国側の担当だが、意匠については、横松氏らがフルBIMで複合構造等の細部まで入力を進めているのだという。
 
「着工は2019年4月なので、実施データが完成したらあちらに提供し、BIMデータでやりとりしながら進めていきたいと考えています。実は彼らとはプロジェクト後も協業していこうと話しており、すでにいくつか声も掛かっています。国内はもちろん中国での展開も、これからますます楽しみです」
 


               パース画像

 
 



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