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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

中大規模の木造建築物の構造設計とASTIM

株式会社 シェルター

木造一貫構造計算ソフト ASTIM

株式会社 シェルター

株式会社シェルター 
伊藤 克彦 氏
 

 
所在地:山形県山形市(本社)
設立:1974年12月
資本金:9,000万円
従業員数:100名
事業内容:木質構造部材の研究・設計・製造・販売/大規模・中高層・
耐火木造建築の設計(デザイン、構造設計・計算)・施工/注文住宅の
設計・施工、リフォーム/木造都市づくりの企画・コーディネート
http://www.shelter.jp/
 
 
 
株式会社 シェルターは、独自の接合金物構法を採用した「KESシステム」建築などを提供する、パイオニア企業である。“超一流の住まいづくり”を標榜し、木質構造部材の開発・製造・販売、耐火木造建築の設計・施工、注文住宅の設計・施工、リフォームなどを手がけてきた。設計から製造まで連結したシステムを自ら開発している同社は、近年の構造計算の複雑化に対応し、省力化を図るべく、「木造一貫構造計算ソフトASTIM」を導入した。
 
 

はじめに

 
当社では住宅規模から非住宅分野の中大規模と呼ばれる木造までの建築構造設計を扱っている。KES構法という木造建築物における接合金物構法を業界に先駆けて開発し、木質構造躯体の設計、製造販売を行っている。他の構法と比べて、独自の接合部形状を扱うために、設計データを製造生産ラインまで連結するシステムを自社で開発し、構築している。構造躯体を入力したデータから構造計算書、使用部材の積算、木材自動加工データの作成まで完結するシステムである。
 
 

木造構造計算ソフトに求める仕様

 
木造の一般的な構造計算ソフトの仕様は、令46条の壁倍率を用いた3階建て以下を適用範囲とし、水平力に対する検討は剛床仮定とした耐力壁の許容応力度計算によるものである。壁倍率の壁量で計画が可能なものは、設計図書の作成が容易であるが、剛床仮定が成立しないもの、スキップフロア、不整形な建物などは適用範囲外であった。壁倍率を用いない場合や、令46条の2項による場合もソフトの適用範囲外となる。いわゆる、ラーメン架構や、ブレース架構を用いる場合であるが、そのような場合は別途、汎用応力解析ソフトを用いて、応力算出、断面算定などを行う必要があり、壁倍率による一貫計算ソフトに比べるとかなりの作業手間になっていた。
 
近年、木造建築物は形状の多様化や規模の大型化を理由に、壁倍率による構造計算の適用範囲を超えるものが多くなった。作業手間を削減できないかと考えていた際、協力をいただいた設計事務所がASTIMを使用しており、同ソフトを知る機会があった。ASTIMは一貫計算方式であったが、適用範囲が広く手間をかけていた作業に対して、省力化ができることが分かり導入に至った。一本当たりのライセンスも50万円程度と比較的安価なことも導入しやすい理由の一つであった。
 
 

導入後の利点と事例

 
実際に使用すると、壁倍率、床倍率の入力が非常に便利だと感じている。木造の構造計画においては、かなりの頻度で壁倍率を用いた設計を採用する。これまで汎用解析ソフトにおいて、壁要素をモデル化する際は、等価剛性の鋼材ブレース置換によってモデル化を行っていた。多種類の壁形状に合わせて個別に鋼材ブレースの断面を変えなくてはならないため作業が煩雑で手間がかかっていたが、ASTIMでは、柱と梁に囲まれたエリアに壁や床の入力が可能なため、それらが解消された。接合部の検討も許容耐力を設定することで、一貫で判定ができる。断面算定までできるソフトは他にもあるが、接合部の判定までできるソフトは珍しく便利な機能である。
 
例として、木造4階建ての設計にASTIMを使用した例を示す。X方向は1,2階を木質の純ラーメン架構、3,4階を壁倍率の耐力壁、Y方向はブレース架構により構造計画をした。壁倍率の耐力壁は、図-1(パース図)のグレーの部分であり、壁エレメントとしてモデル化できるようになっている。図-2(構造モデル)にモデル化状況を示す。
 

図-1 パース図

 

図-2 構造モデル図

 
結果的に作業時間を短縮することができ、作業者がより設計に集中できるようになっている。一貫形式は計算書のチェックについても利点があり、以前に比べて比較的容易になったと感じている。接合条件も図-3に示すように比較的確認がしやすい。
 

図-3 端部の接合条件

 
また、オプションを追加することでの計算データから構造図用CADデータの出力機能、使用部材の積算機能も便利で大いに活用している。設計中に発生する変更にも対応がしやすいのも一貫計算ソフトの良いところであり、現在は、当社の主力ソフトとして運用している。
 
 

おわりに

 
近年、BIMを用いた計画が増えている。木造においてもBIM化は必要事項で、先に述べたように設計データを生産システムに連携させることがポイントになる。木造建築物は断面サイズが多く、接合部のバリエーションも多いため、設計後の確認作業も相当な量となる。連動性が上がれば省力化が期待できるので、入出力機能については今後も重要視している。ASTIMにおいても現在IFC形式でのデータ互換について、ソフトによって互換の可否はあるようだが、部分的に互換可能なことは確認しており、現在開発を進めているとのことで期待している。
 
木造はどんどん自由にいろいろな規模の建物に採用されてきている。
 
それに応じて設計も多様になり、構造ソフトにも多様な機能や柔軟性を求めたくなる。最近、木造のルート3の設計機能も追加され、木造の一貫計算ソフトとして、さらに機能強化されている。今後はより多彩な入力形式への対応に期待したい。
 
 



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