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成功事例集

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出会いから35年、建築鉄骨専用 CAD“KAPシステム”とともに

株式会社 NI技研

〜歴史があり優れたコンセプトで開発され、現在も進歩を続けるKAPシステム〜

建築専用鉄骨CAD「KAPシステム」

株式会社 NI技研

代表      
北村 正人 氏 (前列左)

 
所在地:長崎県西彼杵郡
設立:2006年12月
従業員数:9名 協力会社4名
主な事業内容:鉄骨工作図作成、鉄骨3次元モデル構築
 
 
 
長崎県西彼杵郡の株式会社 NI技研は、設立当初よりBIMに対応した建築専用鉄骨CAD「KAPシステム」を導入している。代表の北村正人氏は、KAPシステムは「BIM」の概念がなかった40年も前から、既に3次元モデルを構築し、その3次元モデルから鉄骨工作図や現寸型板、豊富な管理資料の自動出力を行っていた、という。北村氏に、鉄骨ファブリケータのBIM活用の現状と今後、そしてKAPシステムの特長について話を伺った。
 
 

私とKAPシステムとの出会い〜思い出

 
私がKAPシステムと初めて出会ったのが、今から約35年前の1982年です。高校卒業後、地元のファブリケータへ入社した同時期にKAPシステムがそのファブリケータへ国内ユーザー第1号として導入されました。その当時の初期導入費用は1億円を超えての導入であったことを覚えています。そのオペレーターの一人として入社したばかりの私がKAPシステム専属部署へ配属されました。
 
当時のKAPシステムは、お世辞にも使いやすいシステムには程遠く、とても苦労し、導入が正解だったのか疑問を抱いた時期があったのを覚えています。しかし、開発初期から既に3次元モデルを構築し、その3次元モデルから鉄骨工作図や現寸型板、豊富な管理資料の自動出力を行うといった素晴らしいコンセプトのシステムでありました。
 
近年、建築業界でBIM運用の推進が盛んになってきていますが、KAPシステムは約40年以上も前から3次元モデルの活用をメインに開発されたシステムです。今思うと驚きですが、導入当初は2次元汎用CADを所持せず、全て3次元モデルからの自動出力の運用だったため、図面出力後の修正・追記等は鉛筆と消しゴムを使った作業となっていました。
 
ある時期より、2次元汎用CADを併用した運用となり、図面修正や図面管理業務がスムーズになり大幅な工期短縮を実現することができるようになりました。しかしながらその反面、2次元汎用CADへの依存度が高くなることにより、3次元モデル構築への開発スピードがやや鈍った時期があったように思います。
 
近年は、業界全体でのBIM推進の影響により、完成度の高い3次元モデルデータが求められ、それに対応できるシステムの開発が必要となり、KAPシステムもさらに多機能で使いやすい優れたシステムに現在も進化中です。
 
 

NI技研が携わる現在の3次元モデル(BIM)の主な活用状況

 
現在はJV殿主導により、鉄骨ファブリケータ、階段、エレベーター、設備業者等より、各業種の3次元モデルデータを集約し、Solibri Model Checker等による干渉チェックや数量情報の把握を行うことにより、スムーズな工程運用が主な目的となっています。
 
設備業者様と鉄骨ファブリケータの連携においては既に実用中で、鉄骨ファブリケータから正確な3次元モデルを提供することにより、設備業者様からスリーブの穴情報や位置情報をフィードバックしていただき、鉄骨ファブリケータでのスリーブデータ入力業務が省力されることにより、後戻りの作業が激減しスムーズな運用ができています(EGリングでの運用の場合は、KAPシステムにて自動判定処理を行うことができますのでさらなる工期短縮が実現できます)。
 

スロープ

 

仕口部

 

私が感じる現在の鉄骨ファブリケータのBIM活用に対する意識と現状

 
現在、ファブリケータにおける製造部門においては2次元図面での運用が主であり、3次元モデルでの運用は特に必要ではなく、3次元モデル管理に費やす時間(原価)と活用目的に疑問を感じ、BIM運用に取り組む姿勢が消極的になっていると思います。
 
JV殿主導のBIM推進物件においては、早期に正確な3次元モデルの提供を要求されるため、従来の運用に比べ初期段階での業務負担がかなり大きくなっています。また、3次元モデルデータを提供することによる見返りが少なくメリットを感じていないのが現状です。
 
図面での運用が主であるため、材料発注や検討目的で早い段階からの図面出力を行います。それにより、3次元モデルの正確な構築が置き去りにされ、2次元汎用CAD運用の依存度が高くなりBIM活用の妨げとなっています。
 
 
鉄骨ファブリケータで2次元汎用CADへの依存度が高くなる要因
 
■運用面
・保留箇所決定や設備、付帯鉄骨等の決定時期が遅いため、不正確な3次元モデルからの図面出図となり、その図面出力以降は2次元CADによる管理となるため。
 
■3次元システム面
・3次元モデルデータの完成度が高い場合でも、自動図面出力の処理を行った場合、図面的表現不足やアクセサリー等の重なりにより、2次元汎用CAD作業が不可欠になっていて、その汎用CAD作業時間の確保が必要となり、早い段階での図面出力となっています。
 
・システムはパターン化された項目の入力に対しては、容易に入力が行えていますが、パターン化されてない項目の入力の場合は、3次元モデル構築に多くの時間を費やすため、2次元CADでの運用の選択となっています。
 
 

BIM活用へ向けてのこれから

 
BIMを活用した業界全体の取り組みを成功させるには、各業種の専門システムのさらなる開発は必要であり、その開発されたシステムをフルに活用するための作業順序の改革が必要となります。
 
システム面
3次元モデル構築システムの完成度は現状でもかなり高いレベルにあると思いますが、現在でもデータ入力に時間を要する項目があるのも事実です。具体的な項目を挙げると外装関連ファスナー等の入力もその一つです。今後、このファスナー等のデータ入力が外装業者との連携が可能になり、鉄骨ファブリケータでの入力作業が省略できるようになれば、飛躍的にBIM活用は進展することでしょう。その相互連携の開発は、階段、エレベーター、外装業者等が特に期待されます。
 
運用面
3次元モデルを活用した運用には、各業者で保留等がない正確な3次元モデルの早期構築が求められます。これを実現していくには、従来のようにとりあえず保留の多い図面を作成し、保留箇所の決定を後回しにするのではなく、事前検討や保留項目の早期決定等を行い、正確で保留のない3次元モデルデータ提供し、その後に2次元図面出力を行う作業順序が実現できるような運用改革が必要です。そして、全ての業者がWIN-WINの関係であってこそ、業界全体のBIM活用の進?につながるものと思っています。
 

トラス構造

 

R屋根構造

 

梁貫通孔可否ゾーン

 
 

そしてさらなる未来へ

 
・2次元汎用CADを必要としない3次元モデルからの自動図面出力運用の実現化
・専門知識や経験、技術力等に依存しないで運用できるAI(人工知能)の導入
・図面承認から3次元モデル承認へ
(自動干渉チェックシステムに加え、VR技術を応用した確認や検査)
 
それほど遠くない将来、上記の項目は開発が進み実用化されてくると思いますが、その時に、専門知識を武器に業界に携わってきた弊社のような業種の役割がなくなってしまうのでは?と、若干の寂しさと怖さを感じてしまいますが・・・
 
 



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