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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

分譲マンションを科学する プロ集団 ~建築企画BIM活用術~

株式会社 トータルブレイン

統合型建築企画CADシステム「TP-PLANNER」

株式会社 トータルブレイン

株式会社 トータルブレイン井上 文孝 氏
取締役 執行役員 商品企画設計部 
部長 井上 文孝 氏 

所在地:東京都港区
設立:1999年10月
資本金:3,100万円
主な事業内容:共同住宅設計監理、分譲マンション事業のアドバイザー業


株式会社 トータルブレインは代表の久光龍彦氏がゼネコン、デベロッパー、マンション販社、管理会社のトップを歴任して得た経験と知識を生かすべく設立されたマンション設計・コンサルタント会社。優れたマンション市場への洞察力に加え消費者、価格動向など販売現場単位での徹底した調査分析力は定評がある。レポートは、新聞、TV、週刊誌等でも発表され業界のみならずマンション購買層の耳目に触れることも多い。そのためトータルブレインをマーケッターと勘違いされる方も多いようだが商品企画を含む企画・設計のプロ集団である。設計部門の責任者 井上氏に伺った。


事業用地情報から始まるマンション事業のトータルコンサルティング

トータルブレインでは入手した土地情報に対してマーケットを意識したボリュームチェックおよびプラン設計を行うなどユニークな手法で計画を進める。
市場調査に基づいたボリュームは最適な企画設計案を提示するのみならず用地取得時、商品企画時、価格検証時とさまざまな局面において事業リスクを低減することを可能にする。
以下トータルブレイン社の企画設計時における基本的な考え方をまとめてみた。

①クオリティ(土地利用率の最大化・コスト・スピード・商品性)を最大限追求したボリュームチェック
1)土地利用率を最大限高める
2)建築コストを抑える
3)短時間で仕上げて提案する
4)マーケットのニーズ・体力に添う商品性で提案する

②マーケティングから商品企画までを含む総合的な企画・設計
商品企画から、実施設計、監理までの全てをトータルで扱える体制を整備し、企画段階での細かな意図を確実に実施設計に反映させる等の、マーケティングから商品企画までを含む総合的な企画・設計。

③「売れる商品」にポイントを置いたデザイン 提案
デザイン性(外観・エントランス等の共用スペース)においても、販売ツールとしてパース栄え等、販売を意識してデザイン提案、併せて経験・実績にマーケットのトレンドを組み入れた提案を行う。


豊富な実績

TP-PLANNERの利用は?

当社では、年間150物件程のボリュームチェック図を作成しております。そのため、日影、天空率ソフトには精度とスピードが要求されます。

ボリューム作成のツールは、創業時より 株 )コミュニケーションシステム製 のTP-PLANNERを使用しています。

理由は、他の日影、逆日影ソフトと異なり、土地情報入力からプラン、パース、面積表に至るまでマンション設計に必要なツールが用意されていることです。とりわけ天空率の使い勝手の良さには重宝しております。

各ツールは、企画設計のフェイズに適した資料が連動処理され無駄がありません。またTP-PLANNERは敷地の内外の高低差、変形敷地、屈曲道路などあらゆる土地情報に法的対応が可能な事も使い続ける大きな要因です。

平成15年の基準法改正においては、他社に先駆けて天空率に対応するなど対応の早さ、さらにサポートセンターの的確な技術助言で安心して使用しています。

BIM対応ですが、ゼネコン等で利用されている生産設計用BIMに対してTP-PLANNERは企画設計時のいわゆる「企画BIM」の位置付けです。設計の最上流CADとして有効活用しています」(井上氏)


打ち合わせ

逆日影:天空率のボリューム算出

平成15年に施行された高さ制限の天空率による緩和は、建物可能空間算出法がドラスティックに変わった。逆日影規制においてもそれを考慮し可能空間を算出しなければならない。ここでは2の用途地域にまたがる事例で解説する。

TP-PLANNER逆日影計算の特長は、逆日影チャート図をドラッグしながら設計者のイメージを可能空間に反映することだ。

低層方式は、逆日影計算方式「低層型」を選択解析することでも問題ない。逆日影チャートをドラッグし仮想建物領域で8時方位線を東端、16時方位線を西端に設定することにより低層建物が可能な空間に加えて時間幅でクリアする空間も確認することが可能になる。逆斜線結果と複合により道路斜線にも適合する6階までの可能空間が算出された。

高層建物をイメージする際には、TP-PLANNER独特の設定法がある。仮想建物に希望高さをあらかじめ設定することでそのことを考慮した逆日影可能空間が算出される。南東側道路中心10m区域を天空率で緩和することで高層域がどの程度可能になるのか算出したい。

8時と16時の方位線をドラッグし囲われた高層域が日影規制を建物幅でクリアする空間となる。算出された結果は、天空率でチェックし不可の場合、逆天空率で可能空間に収める。今回は10階が可能になった。逆日影計算の結果で日影計算を行うことにより精度チェックされる。いずれの方式も可能空間が限界まで算出されていることが分かる。


低層方式による逆日影計算 
低層方式による逆日影計算

高層方式による逆日影計算 
高層方式による逆日影計算

プランニング

プランニングは、TP-PLANNER独自の企画設計用ツールが満載され、他の3次元CADと趣が異なる。

階数設定から始まり指定階高による等高線で可能空間を参照しながらプラン作成を行う。入力するブロックは任意階で行い、「専有」「共有」「外部」「駐車場」等の部屋種を選択後、ブロック配置する。配置されたブロックは面積が表示され容積参入の可否が判断される。

キープランを「階複写」で上下階に配置するとブロックパース作成され「建蔽・容積率」「住戸数」が随時確認可能となる。

容積率計算では駐車場の1/5緩和、地階の1/3緩和なども自動処理される。

プランニングにおいては、容積率を限界まで消化することが目的だが、日影チェック、斜線断面、天空率計算もプランニングから直接解析が可能となる。また有効採光距離の逆算出機能などプランニングにおいて煩わしい計算機機能が用意されている。

プランニングの結果からExcelマクロで出力される面積表は営業的フェイズで利用される。

プラン入力時に選択した部屋種ごとに壁厚および仕上げ厚を有し、日影規制、天空率は壁面で処理される。さらに屋根伏せ状に包洛したブロックに変換し確認申請図が作成される。 

プランニング 高層方式による逆日影計算
 プランニング                        面積表




最終更新日:2014-03-02




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