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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

TS出来形管理活用で見えてきた「現場」の未来

株式会社 宮下組

EX-TREND武蔵(エクストレンド武蔵)

株式会社 宮下組

株式会社 宮下組
土木部 係長 北沢 智明 氏 (左) 
土木部 小林 弘道 氏 (右) 

所在地:長野県上田市
創業:明治43年8月
資本金:4,000万円
事業内容:総合建設業(土木、建築工事の請負施工)


長野県上田市に本社を置く株式会社 宮下組は、創業100年余の歴史を持つ老舗建設会社。今年、同社では「TS(トータルステーション)出来形管理」に関するソフトウェアなどの機械類の準備を整える中、「EX-TREND武蔵」を導入した。TS出来形管理は、国土交通省が推し進める出来形管理手法の一つであり、今回、宮下組はこのTS出来形管理を舗装工事にて採用。今後の現場の未来として、他工事においても今回得られたノウハウの活用を図るという、積極的な取り組み方針が見えてきた。


仕組みさえ分かれば誰でもできるTS出来形管理

TS出来形管理を行うには、設計データの作成、TSによる出来形観測が必要となり、データは、「施工管理データ交換標準XML」を使用するため、これらに対応しているソフトウェアなどの機械類が必要となる。出来形観測も従来、レベルで観測して書き取りを行う方法であることが多いが、TSを利用して出来形を観測するなど測量方法もこれまでとは違い、作業性も含め難しいと捉えられ、なかなか採用に踏み切れないのが現状でもある。

今回宮下組では、このようなTS出来形管理採用の初めての舞台に、舗装工事の現場を選択。舗装工事においてTS出来形管理を活用した例はまだ少なく、さらに初めてのTS出来形管理採用の現場が舗装工事という例は珍しい。その現場を担当したのが北沢氏・小林氏であり、TS出来形管理採用の背景について、北沢氏は次のように話す。

「会社に提案したのは私ですが、これはあくまでタイミングが良かったから。TS出来形の導入が決まりハードやソフトを揃えて、さあ!というところで本件が入ったんです。舗装の事例が少ないのは知っていましたが、理屈は土工事と同じですし、やってやれないことはないだろう、と(笑)」

北沢氏が担当した現場は、工事概要として3工区に分かれて、それぞれ異なる工事内容の現場。一つ目がメインとなる歩道の融雪設備工事であり、地下水を汲み上げて歩道の下を通して雪を溶かす仕組みを新設する工事。二つ目は古くなった融雪設備の改修工事。

そして三つ目が舗装修繕工事で、延長約300mの、舗装工事としてはコンパクトな現場である。この舗装修繕工事で今回TS出来形管理を活用した。進めるに当たり、手探りだった部分も多かったと言う北沢氏だが、経験は会社のノウハウになると次のように語る。

「先に取り組んでおけば課題も早く見つかり、対策も考えられます。そして、それは当社のノウハウになるのですから悪いことじゃありません。そもそもTS出来形自体は難しい手法ではないし、仕組みさえ分かれば誰でもできると思います。例えばデータ作りは面倒ですが、入れていくだけなので難しくは ありません。まあ、入力漏れや設定忘れはなくすような工夫は必要ですが」

データ作成が面倒という点もTS出来形管理ではよく言われる点ではあるが、EX-TREND武蔵では、CAD製図基準に準拠した平面図、縦断図、横断図から自動解析して、設計データの作成を全自動で行 う機能も搭載。また、入力データからリアルタイムに立体形状表示ができるため、入力ミスを視覚的に確認できるのも特長。これらの機能により、難しく感じずに入力を済ませ、確実な設計データ作成が行えるところがEX-TREND武蔵の大きなメリット。各図面から、設計データに必要な情報を数値化する作業に多大な手間がかかるため、これらを確実に素早く行えれば、格段に省力化・効率化が図れることになるからだ。

現場状況 完成写真
 現場状況                      完成写真

TSやソフトウェアなどの便利機能で作業性向上

TS出来形管理では、TSを使って出来形を計測し、作成した設計データ通りに施工されているかを確認することになる。そのためには、TSで出来形を計測すること、その計測した結果を設計データと比較することが必要になる。

計測作業の測量について小林氏は、

「私も始めるまでは“どうなのかな?”と半信半疑な気持ちがありましたが、福井コンピュータのサポートもあり、意外とすぐに慣れることができました。TSも自動追尾型を導入したので、現場では全部自動追尾でやってくれるんです。先にデータさえ入れておけばいいのですから楽なものです。ただ、影に入ってロストした時は、探し直すのに時間がかりましたが、それでも全体の作業性はかなり上がったと思いますよ」

とTSでの測量に関しても問題なく全体の作業性がアップしたと言う。さらに、従来のやり方と比べてみて、 

「いつもはレベルで測っているのですが、今回はTSで高さまで全部見られたので、ヒューマンエラーも減ったと思います。実際、データを持ってきて設計データと合わせてチェックするんですが、機械にきちんと データさえ入れておけば間違いありませんから。レベルでやると、どうしても読み違えや書き間違いのミスが起きてしまうんですよ」

と作業ミスに関わる点でも効果的だったことがうかがえる。

TSで出来形計測した計測データと設計データを比較・確認しデータ保存するソフトウェア「XYCLONE(サイクロン)」が福井コンピュータ(株)で販売されており、このXYCLONEとEX-TREND武蔵とを利用すれば、TS出来形管理も安心して素早く確実に実施できるであろう。

データ入力を確実に行える機能搭載 入力された設計データを3D表示
 データ入力を確実に行える機能搭載      入力された設計データを3D表示

XMLデータから帳票自動生成機能搭載 平面図・縦断図・横断図から自動解析も可能
 XMLデータから帳票自動生成機能搭載   平面図・縦断図・横断図から自動解析も可能

素早い取り組みと積極的な活用を図る

宮下組では、今後もこのようにTS出来形管理を積極的に活用していく方針だ。今回の舗装工事だけでなく、土工工事やその他の工事での活用も視野に入れている。

小林氏は、「せっかく費用をかけて良いソフトウェアなどの機械を買ってもらったんですから、積極的に活用したいですね。土工事もタイミングが合えばどんどんTS出来形でやっていこうと思っています」

さらに北沢氏も「土工はもちろん、それ以外も試してみたいです。構造物も砂防ダムとか橋といった大きいものでも、TS出来形で十分対応できるでしょう。出来形の前に「TS」って付けると腰が引けちゃう人もいますが、どちらもやることは一緒。一度やれば分かるし、やらなければ永久に分かりません。この世界で生きていくにはやるしかないのですから、だったら、少しでも早く取り組むべきだと思いますよ」

と今後もソフトウェアを活用してTS出来形管理に積極的に取り組んでいく意気込みを語ってくれた。





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