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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

実建物のモデル化に適した 構造計算プログラムの選択

岡本構造研究室・SAM

一貫構造計算プログラム「ASCAL」

岡本構造研究室・SAM

代表
岡本 憲尚 氏

 
所在地:静岡県三島市
主な業務
 :一般素材の構造物の構造設計、木質、アルミ、
  ステンレス素材の構造物の構造設計および研究・開発、
  特殊形状構造物の構造設計、耐震診断、補強設計
http://www.sam.jp/
 
 
「構造解析プログラムは全ての建物に万能ではない。建物の形状、素材、設計条件等を見極めそれに合ったプログラムを選択する必要がある」と語る、岡本構造研究室・SAM 代表の岡本 憲尚氏。そんな岡本氏が導入したのが、一貫構造計算プログラム「ASCAL」だ。ASCALの導入経緯や特長、さらに実プロジェクトでの有効性について話を伺った。
 
 

ASCALの導入

 
構造設計の醍醐味は応力解析にあります。架構モデルを実際の架構形状にどこまで近付けることができるかが勝負です。以前は手持ちのツールで最も近いモデル化を工夫して作り上げて解析をしていました。近年は多くの構造解析プログラムが開発され劇的に進化したため、実際の架構形式に近いモデルの入力が可能になりつつあります。
 
私がASCALに出会ったのは2005年です。当時使っていた3次元立体解析プログラムは建築用ではなく、いわゆるStructureに対応した解析用プログラムでした。構造物の特性を把握するという使い方には適していますが、日本の建築に適応させ解析やその確認をし、設計図書としてまとめ上げるためには別の手間(工夫)が必要でした。
 
その点、ASCALは架構形式、構造種別、構造素材を選ばないという多様性を意識して開発されたプログラムで、日本の建築に技術的および法的にある程度の配慮がされており、しかも保有耐力計算まで含んだ一貫計算が可能であることが最大の魅力です。
 
 

ASCALの特長

 
ASCALのモデル入力の特長は、「グリットに制約されない軸による形状認識」です。層が上下階に連続するような架構にも対応ができます。多くの一貫計算プログラムでは、平面的な不整形は軸を、立面的な不整形は層を移動することによりモデル化が可能ですが、隣の軸や層を横切ったフレームのモデル化には対応していません。ASCALはそれが可能ですので、上下階で連続した耐震壁や層を超えたスロープなどのモデル化が可能です。他に、構造種別や構造形式が混在していても対応が可能で、RCラーメン構造+WRC構造+S構造+W構造のような混構造でも同時に解析できることも魅力の一つです。
 

3D骨組み

 
 

実プロジェクト

 
S構造のランプ棟の設計でASCALを採用しました。
建物の特徴は以下の通りです。
 
・鉄骨造
・平面的には円形のドーナツ状
・半径方向はラーメン構造で円周方向はブレース構造とラーメン構造の混在
・柱脚は露出柱脚
・コンクリートの車路が1階から最上階までスロープとして連続しており、
 一部水平面が存在
・時間がタイト
 
建物の形状が極めて特殊であることとから、私の勉強不足のためもあり、解析結果の正解がイメージできず不安でしたので、同様の解析が可能な別のプログラムに同じモデルを入力し解析結果を比較検討しました。建物全体の応力の発生状況、車路スラブの応力の発生状況、水平力の配分状況、変形状況、反力状況等を確認しました。結果が違っている部分については原因を確認し理解する作業を行いました。特に、今回の建物のように床が全層連続している場合は床の剛性の考え方が建物全体に大きな影響を与えることが分かりました。それらを総合的に判断し最終的にこの建物の建物形状や設計条件に最も適合していると考えられるASCALにて設計を進めていくことにしました。
 

3D解析モデル

 
 

ASCALを使って

 
任意形状の建物で保有耐力を含めた一貫計算が可能であることで、いろいろな検証が短時間で済み、大変助かりました。また具体的な例として、ブレースの取り付け位置が軸心からずれた場合の応力解析についての配慮がされていることでも検討時間の節約ができました。ちょっとしたところに設計者側の立場に立った配慮がされていることがASCALの魅力でもあります。
 
また、複雑な建物の場合にありがちですが、解析途中に思いもよらないプログラム上のバグに対して、システム改良を素早く対応するなど開発会社としてのフットワークの良さを感じました。
 
プログラムの改良希望は沢山ありますが、中でもアウトプット機能が弱い部分はぜひ対応をお願いしたいと思います。計算書を見やすく分かりやすく綺麗にまとめることも設計における重要な作業です。
 
 

構造設計者の心構え

 
構造解析プログラムは全ての建物に万能ではなく、それぞれに得意不得意がありますので、建物の形状、素材、設計条件等を見極めてプログラムを選択する必要があります。入力が可能だからといっても答えが正しいとは限りません。特に応力状態がイメージできない場合は、プログラムを過信するのではなく、正解がどれであるかを探ることも設計者の心構えとして必要であると考えています。
 

3Dグラフィック

 

平面配置図

 



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