建設ITガイド

トップ >> 成功事例集 >> 企画BIMと目利き力で投資用マンションを迅速開発
成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

企画BIMと目利き力で投資用マンションを迅速開発

株式会社 ディア・ライフ

建築企画BIM「TP-PLANNER」

株式会社 ディア・ライフ

設計室長
森谷 陽氏

 
所在地:東京都千代田区
設立:2004年11月
資本金:16億6,769万円(2017年9月末現在)
従業員数:40名
https://www.dear-life.co.jp/
 
 
 
    
 
 
株式会社ディア・ライフは、リアルエステート事業(プリンシパルインベストメント事業・アセットマネジメント事業)を手掛ける一部上場企業。2004 年の設立以来、都内で単身者向け賃貸マンションを主軸に急成長を遂げた。
用地情報から事業化の可否を迅速に判断するためのツールとして、同社は企画BIMソフトTP-PLANNERを採用している。その利用方法を、設計室長の森谷氏から解説していただく。
 
 

単身者向け賃貸マンション開発

 
日銀がマイナス金利政策を導入して以降、債券などと比べて相対的に利回りの高い不動産に投資マネーが流入している。こうした動きを追い風に急成長を遂げたのが不動産開発のディア・ライフ。
 
主に都内で単身者向け賃貸マンションを手掛けており、2017年9月期の連結売上高は、164億円と3年間で7.2倍に拡大した。
 
 

東京豊島区賃貸マンション

 

練馬区の賃貸マンション

 
 

豊富な用地情報と目利き

 

用地情報               ⇒   面積表(プラン終了時自動生成)
 
 
ディア・ライフが手掛けるのは投資用不動産の商流の中でも「川上」の方だ。貨貸マンションに適した用地を仕入れ、建物を開発。完成後は、別の不動産会社に1棟単位で売却し、これらの会社が個人投資家向けに1戸ずつ販売する。
 
ディア・ライフが資産家に1棟丸ごと売ったり、開発前の土地のまま不動産会社に売却したりすることもある。
 
豊富な用地情報と良し悪しを見分ける目利き力が強み。「当社の物件を買いたいという声は多い」(阿部幸広社長)。
 
今期はオフィスビルを含めて20件強の売却を計画し、純利益は前期比90%増の25億円を見込んでいる。
 
 

少数精鋭主義

 
収益規模が拡大しても社員数は、社内取締役を含めても40名弱で、今後も大幅に増やす計画はないという。
 
小所帯にこだわる理由は10年間の金融危機にさかのぼる。
 
ディア・ライフは双日出身の阿部社長が2004 年に設立した。2007年には東証マザーズに上場したが、翌年のリーマン危機でマンション市況の低迷を経験した。
 
それらのことを教訓に経営効率を重視する。
 
 

TP-PLANNER利用の経緯

 
少数精鋭主義は設計室においても同様だが、用地の有効活用は、適確でスピーディーな判断が求められる。
 
一方、このところの用地情報は、他社との競合もあり敷地形状、付帯条件なども複雑になり技術的に困難な場合が多い。
 
逆日影、プランニング、天空率等の企画設計ソフトは必須となる。
 
ディア・ライフが利用しているのが企画設計に特化した企画BIMソフトTPPLANNER。
 
森谷氏は、Windows版以前のUNIX版時代からTP-PLANNERの利用を続けており、利用歴は約20年になる。
 
そのパフォーマンスを熟知したヘビーユーザーでもある。
 
TP-PLANNERの利用を続けてきた理由を「用地情報の入力から一連の企画設計の流れがシームレスに利用できること。例えば、逆日影計算結果をガイドにプラン入れを行うのだが、プランデータから容積算入の有無を有した立体形が作成される。そのため、プラン入れをしながら面積表、アイソメ図、日影規制、天空率など企画設計に必要な解析が連動処理される。
 
つまりワンストップで用地情報の判断が可能であること」と語る。
 
以下、森谷氏に、参考用地でTPPLANNERによる用地情報からボリューム算出までの流れを解説していただく。
 
敷地内で用途地域が2地域に区分(近隣商業:第1種住居)、北側には水面越しの準工業地域で日影規制が5/3で受影面6.5mの合計3区域。
 
建物規模は、受影面の異なる日影規制、制限勾配の異なる2区域による天空率の複合された形態制限下で確定する。
 
天空率計算は、道路幅員が12mを超えるため、住居側は基準法56条3項の規定でさらに勾配区分され高度な法解釈を要する。
 
 
(1)用地情報入力
TP-PLANNERによる用地情報の入力は、一般社団法人buildingSMARTJapanから「建築確認モデルビュー定義」に認定されており、用地情報は、敷地内高低差などあらゆる条件に対応そして解析が可能だ。
 
 
(2)逆日影チャートをガイドに逆日影計算を行う
逆日影チャートを設定することにより日影規制に対する敷地の可能範囲(時間幅、太陽高度)を確認することが可能になる。
 

逆日影チャート

 
 

逆日影:逆斜線ブロック図

 
 
(3)限界ライン等高線を参照しながらプラン作成
階高を設定しフロアごとに表示された等高線をガイドにプランニングを行う。容積率、住戸数、日影斜線断面図も確認される。
 

限界ラインを表示しながらプラン作成

 
 
 
(4)日影チェック
時刻日影、等時間、指定点、日影チャートで適時チェック(壁厚考慮)。
 

 
 
 
(5)斜線チェックと天空率計算
道路斜線断面をチェックしNGを確認、天空率計算は区域区分:算定位置は、自動処理される。クリアーを確認。
 

斜線・逆日影断面図

 

天空率解析結果

 
 
 
解析終了時に面積表が自動生成される。建具配置、仮定断面自動配置でBIMモデルまで作成される。
 
 
 


最終更新日:2022-04-21




新製品ニュース

木造建築物構造計算システム「KIZUKURI Ver9.0」をリリース木造建築物構造計算システム「KIZUKURI Ver9.0」をリリース


建設ITガイド 電子書籍 2024版
建設ITガイド2024のご購入はこちら

サイト内検索

掲載メーカー様ログインページ



  掲載をご希望の方へ


  土木・建築資材・工法カタログ請求サイト

  けんせつPlaza

  積算資料ポケット版WEB

  BookけんせつPlaza

  建設マネジメント技術

  一般財団法人 経済調査会