建設ITガイド

トップ >> 成功事例集 >> 初期デザイン検討で、施工の納まり検討で、VRを存分に生かす
成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

初期デザイン検討で、施工の納まり検討で、VRを存分に生かす

株式会社オノコム

使用製品 Twinmotion(ツインモーション)


株式会社オノコム
所在地:愛知県豊橋市
創業:1934年
事業内容:建築工事ならびに企画、設計、監理の請負。
土地、建物の有効利用に関するコンサルタント
http://www.onocom.co.jp/

左から     VDC推進室3Dモデラー  竹田 里香 氏  
VDC推進室 VDCマネージャー 林 和弘 氏  
執行役員 杉浦 裕介 氏  
海外事業室 テクニカルマネージャー 那須 貴寛 氏  

愛知県豊橋市に本社がある株式会社オノコムは、創業80年超、老舗の地域ゼネコンだ。同社は建築ビジュアライゼーションツールTwinmotionを導入し、VR映像によるリアリティー満点のプレゼンテーションを展開。建築主へのデザイン提案のほか、工事現場事務所での施工打合せなどにも活用し、成果を上げている。
 
 

リアルな仮想現実が生む空気感や情緒

うわっ――。声が漏れるほどの圧倒的な没入感。VRゴーグル装着者の全方位を仮想現実が包み込む。雨上がり直後か、視界は雨で洗い清められたかのようにクリアだ。ぬれた樹木の緑が鮮やかで、水気を含んだみずみずしい葉が柔らかくしなう。敷地駐車場のアスファルト表面を覆う水たまりが風に波立ち、建物の壁面を映し返す。
 
家庭用ゲーム機でVRゲームを楽しんだり、スマホ向けアプリでVR動画に親しんでいる人も多いだろう。VRはもはや特殊で特別な技術ではない。しかし、この眼前のすさまじいリアリティーはどうだ。本物と見紛うほど質が高いマテリアル(素材)が、VRでは本来表現できない空気感や触感といった感覚を疑似的に醸し出しているのだ。
 
 

Twinmotionのフェーズ機能で社屋の建築過程を表現した動画の一コマ。フェーズ機能は建物がつくられていく過程をアニメーションで表現できる。

 

Twinmotionの直感的なUIと光源設定

この建物は愛知県豊橋市に現在建設中のミナト設備工業の本社社屋。両手のコントローラーでVR映像を制御しているのは、社屋の設計・施工を担当するオノコム株式会社VDC推進室の林和弘氏だ。この様子を大型液晶モニターの先で見守っているのがフィリピン在住の那須貴寛氏。那須氏は現在、関連会社のONOCOM Philippines社に出向して同社BPO事業のマネジャーを務めているが、社屋の設計者でもある。
 
オノコムが2018年に導入し、冒頭のVR映像を作成したのが建築ビジュアライゼーションツール(レンダリングソフト)「Twinmotion(ツインモーション)」だ。TwinmotionではCADやCGで作成したモデルデータを読み込んで、高品質のレンダリング画像や映像、パノラマ、VR映像を素早く簡単に作成できる。建築や土木、都市計画、造園向けに特化したマテリアルやアセットを豊富に備えるほか、モデルの大きさや向きの変更に即座に追随するリアルタイムレンダリング機能が特徴だ。
 
ほかのレンダリングソフトと比べて秀逸なのがユーザーインターフェイス。ゲーム世代を自称する林氏が「FPSに近い」と形容する操作性は、ドラッグ&ドロップとスライダの上げ下げが基本とあって極めて直感的だ。
 
多数の難解な項目がレンダリング初心者を悩ませ、経験とノウハウがものをいう光源設定は、「(Twinmotionでは)光をポンポンと置いていくイメージです。丸い電球光なら球状の光、ライン照明なら直線形状の光を選択して画面内にドロップするだけでいいんです」と那須氏。「今のところ業務時間とコストパフォーマンスを考えるとTwinmotionが最良かな」と語る林氏に、3DモデラーとしてSketchUp Proモデリングと、Twinmotionでのレンダリング業務をルーチンワークにしている竹田里香氏も賛同する。
 
SIerとして長年CAD業界にかかわり、現在は同社のCDO(最高デジタル責任者)としてデジタル全般を統括する杉浦裕介氏は、「多くのレンダリングソフトの描画性能は3、4年前には十分なレベルに達していると思います。Twinmotionも私たちの要求品質を十分満たすもので、そうなるとスピード感や高い操作性の点でTwinmotion一択でしょう。この流れは変わらないでしょうね」と評価は高い。
 

Twinmotionの照明マテリアル操作画面。画面左のライブラリからライトのオブジェクトをドラッグアンドドロップで配置。下部でオブジェクトの光源設定をスライダーや数値で設定できる。

 

ミナト設備工業社屋のデザインを検討したTwinmotion画面。ファサードは山々が折り重なるようにデザインされている。1階はアルミパネルが全周を覆い、2、3階はコンクリート外壁だが、1階部分と色・目地を揃えることで一体感なデザインとなっている。

 
 

「これは分かりやすい冒頭で紹介したVR

映像は初期のデザイン検討用に作成されたものだが、施工が始まった現場でもVR映像は活用されている。
 
現場事務所で現場監督と工事監理者がVR映像を参考に納まりを検討したり確認する光景はもはや日常茶飯事だ。先日は鉄骨工事会社との打合せでも利用し、「担当はベテランの鉄骨屋さんでしたが、『これは分かりやすいなあ』と言いながら自然に打合せていました」(那須氏)という。
 
見た目こそ奇抜なもののVRゴーグルを装着してしまえば、能力や経験、年齢は関係なく、建物の意匠、躯体、内装、外構を体感できる情報量と説得力はずば抜けている。
 
一方で、デザイン検討用のラフな建物モデルとして建築主に提案したつもりが、壁材に仮配置したマテリアルの印象が強く残り、後でイメージと違うと指摘されたこともある。導入初期にはデスクトップパソコンやVRのベースステーションなど機材一式をキャリーに載せ、プレゼンのために「東京の会社までゴロゴロ引っ張って行って、『準備の時間を30分ください』と頼んで設定したことも。当時は大騒ぎでした」(杉浦氏)。
 
リアルさゆえの新しい悩みや、新技術ゆえの機器の課題は、ノウハウが蓄積するにつれて最適解が見つかるに違いない。パイオニアとしてTwinmotionとVR映像を業務に取り入れてきた同社の次なるチャレンジが楽しみだ。
 

オノコム本社7階フロアの一角に設けられたVRコーナー。ここでVRゴーグルを装着し、VR映像を体験できるほか、壁面の液晶モニターで装着者が見ている映像を確認可能だ。

 

ミナト設備工業社屋の初期デザインを検討した動画の一コマ。雨夜の中で社屋がビビッドに映え、外部照明などディテールが表現されている。

 
 


新製品ニュース

建築確認申請の「電子申請」普及拡大を目的にシステム連携を実現


建設ITガイド 電子書籍 2021版
建設ITガイド2021のご購入はこちら

サイト内検索

掲載メーカー様ログインページ


おすすめ新着記事

 



  掲載をご希望の方へ


  土木・建築資材・工法カタログ請求サイト

  けんせつPlaza

  積算資料ポケット版WEB

  BookけんせつPlaza

  建設マネジメント技術

  一般財団法人 経済調査会