株式会社 神戸製鋼所(本社:神戸市中央区、代表取締役社長:川崎 博也)は、寺社・仏閣用として適用拡大が期待されるチタン製成形瓦向けに『特殊表面処理チタン板』を開発し、製品化した。

■製品の概要
チタン薄板の表面に酸化被膜を生成させることにより、瓦らしい落ち着いた色調と変色が抑えられた優れた耐候性が得られる。同時に、瓦への成形においては高いプレス成形性と生産性が得られる。
従来の瓦に代えてこの特殊表面処理チタン板を使用することで、瓦形状にマッチした意匠性を維持しながら屋根の軽量化が可能となり、建築物全体の耐震性の向上に寄与する。
一般的な建材用チタン薄板と同様に量産が可能で、大型の建築物件への対応にも適している。また、酸化皮膜により得られる優れた潤滑性を生かして高いプレス成形性が得られるため、瓦への成形加工での生産性の向上が期待される。
なお、酸化皮膜が適切に調整されることで、従来のチタン建材に比べて表面の光沢度が約1/5(同社比)に抑えられ落ち着いた色調となると共に、酸化皮膜の安定した耐食性により酸性雨を想定した厳しい環境でも色調が一定量変化するのに要する年月が2倍以上(同社比)になるとの試験結果が得られている。
今回、本願寺鹿児島別院(鹿児島市)の屋根に採用され、成形瓦素材として元旦ビューティ工業株式会社(神奈川県藤沢市)に材料を供給した。
■問合せ先
株式会社 神戸製鋼所
http://www.kobelco.co.jp/