帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:鈴木 純)は、高機能繊維を使用した木造建築物用集成材(AFRW:Advanced Fiber Reinforced Wood)を開発し、木造中低層建築物への展開に向けた技術開発プロジェクトを開始する。

■概要
近年、東日本大震災など地震災害による建築物の被災を背景として、安心・安全な建築物に対する需要が高まる中、建築物の軽量化や耐震性に優れるという観点から木造構造が注目されている。
また、断熱性や意匠性、リラックス効果、設計の自由度などの特性からも木材の活用が見直されており、さらに林業の再活性化なども求められている。
このような背景から、平成22年に定められた公共建築物等木材利用促進法では、体育館、福祉施設、地域官公庁などの低層公共建築物の木材化が求められているが、木材の剛性の低さや、それによる意匠性の制約などにより進捗が遅れているというのが現状である。
こうした中、同社は建築物への木材活用を促進するソリューションとして、アラミド繊維や、グループ企業である東邦テナックス株式会社の炭素繊維で長年培ってきた繊維強化複合材料におけるノウハウを基に、高機能繊維を使用した木造建築物用AFRWを開発。
一例として、補強繊維として炭素繊維を使用した集成材(CFRW:Carbon Fiber Reinforced Wood)は、一般的に木造の中低層建築物に用いられる集成材に、剛性の高い薄肉化した炭素繊維複合材を貼り合わせたもので、木材の2倍以上の曲げ剛性が実証されている。
また、このCFRWを建築材の梁などに使用することで、建築物の耐久性や意匠性が向上するため、これらの効果から、幅広く木材を適用させることが期待できる。
■問合せ先
帝人株式会社 インフラ・エネルギー課
TEL:03-3506-4136
http://www.teijin.co.jp/