株式会社 フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:上田卓司)と東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻の淺間研究室・山下研究室は共同で、無人化施工における遠隔地から建設機械を操作するオペレーターへ映像を提示する手法として『俯瞰映像提示システム』を開発した。
■システムの概要
俯瞰映像は、東京大学淺間研究室・山下研究室の研究技術を応用したキャリブレーション方法を用いて、建設機械の前後左右4方向に取り付けた魚眼レンズカメラの映像を合成し、擬似的に建設機械を上から眺めた映像を生成。
従来の油圧ショベルの前方のみに設置した搭載カメラ映像と比較した場合、走行時には障害物を安全に回避できる点や油圧ショベルの停止位置精度の点で、また掘削時はバケット刃先の位置決め精度の点で優れており、無人化施工における操作性が向上した。
また、従来の無人化施工における映像提示手法では、油圧ショベルの前方にカメラを搭載すると共に、油圧ショベルを外部から撮影できる位置に固定カメラを予め配置して、それらの映像を組み合わせていたが、緊急災害の対応では設置場所の安全性等から、固定カメラの適切な配置が困難な場合が多いという問題が存在した。
本システムの俯瞰映像は固定カメラ映像と同様に重機上部からの視点であるため、固定カメラが不要となり、緊急災害への対応力が向上する。
本システムと、同社が国土交通省九州地方整備局九州技術事務所と共同開発を行った「ロボQ」(市販の汎用油圧ショベルに簡単に装着でき、遠隔から操縦できるロボット)と合わせて建設機械に搭載することにより、無人化施工の災害対応力と操作性を向上させることが可能となった。
■問合せ先
株式会社 フジタ
http://www.fujita.co.jp/