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2020年7月13日
はじめに(株)日積サーベイでは、この春、BIM(Building Information Modeling)に対応した3D建築積算システム『ΗΕΛΙΟΣ(ヘリオス)2020』をリリースする。このシステムでは、従来版ヘリオスの入力操作やデータ形式を一から見直し、システムそのものを大幅に刷新して、より効率的な積算、よりBIMソフトとの親和性を向上した機能を実現している。 従来のBIM連携昨今、建築設計の各段階においても、ますます数量・金額算出の重要性が求められており、BIMソフトとのデータ連携に対する期待が増している。従来版システムにおけるBIM連携では、リリースした当時のデータ形式のままで行っていたこともあり、BIMソフトからそれぞれのデータを自社形式に変換させた上で、移行させる必要があった。当然ながら、特に双方向での連携を実現させる上では、この違いが大きな障壁となってしまっていたことは周知の通りである。 BIMソフトとの親和性の向上そこで、従来システムのデータ形式を一つ一つ見直し、BIMソフトとの違いを洗いざらい調べ上げた。例えば、壁のレベルに関しては、BIMソフト側では、壁の上端と下端それぞれのレベルを保有しているのに対し、従来版ヘリオスでは、壁のタイプ(腰壁、垂れ壁、全面)とその高さ寸法を入力させる形式であった(図-1)。つまり、その寸法がどこからの高さなのかという情報がないため、周囲の梁やスラブに依存させる仕組みをとらざるを得ず、梁やスラブの有無によって連携後のモデルの差異が生じていた。このような食い違いをなくすため、できる限りBIMソフトに近い形式で保持できるようデータの持ち方を変える必要があり、『ΗΕΛΙΟΣ2020』において思い切ってこの変更を行った。これにより、BIMソフト側のデータをそのまま移し替えるだけ済むようになり、モデルの差異も発生しなくなった。 対象オブジェクトの追加また、この『ΗΕΛΙΟΣ2020』は、連携対象となるオブジェクトとして、外壁を立面配置可能となり、カーテンウォールも追加された。この外壁およびカーテンウォールは、従来システムでは、階単位のオブジェクトでしか保有できなかったが、『ΗΕΛΙΟΣ2020』では階をまたぐことが可能となり、BIMソフトの考え方を踏襲させている。これにより、変更等が発生したとしても、オブジェクトが一つにまとめられていれば、変更作業も一回で済ますことが可能となった。 入力作業の向上さらに入力作業に関しても、大規模な改良を行った。ヘリオスでの数量拾いの手法としては、大きく「配置拾い」と「個別拾い」の2通りある。「配置拾い」とは3DCADと同様モデルを作成するだけで数量が算出される仕組みに対し、「個別拾い」とはシート上に自分で寸法を入力させて算出させるもので相応の知識と経験を要する。弊社では、「配置拾い」を推奨しているが、仕上積算についてはまだまだ「個別拾い」を使用されているユーザーが多数を占める。そこで、配置の入力操作に関して次の機能改良を行った(図-2)。
これからの積算ソフトの在り方としてこれまで、弊社ではBIMソフトとの連携として、2011年にIFCファイルを中間ファイルとした『IFC連携』を、2016年にはBIMソフトのデータを直接変換させる『ダイレクト連携』を実現してきた。ただ、いずれの連携においても、双方のシステムの知識を有する必要があり、使いこなすためには相応の努力が伴うものであった。
会社名:株式会社日積サーベイ 株式会社 日積サーベイ システム開発部 西村 修司
建設ITガイド 2020 特集2「建築BIMの”今”と”将来像”」 ![]() |
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2020年7月10日
はじめに昨今、BIMを利用した設計・施工のフロントローディング、業務効率化に対し、「施工BIM」を活用する事例が増加している。施工BIMとは一般社団法人 日本建設業連合会から提唱されているBIMへの取り組み方の手法であり、手引書で明確に基準化され、BIM対応における一つの確立された手法といえる。ここでは施工BIMに対する当社の取り組み、事例、またBIMを利用した社内業務効率化を紹介していく。 当社が認識する施工BIMの現状施工BIMという言葉は、業界の一般的な用語として広く認知されている。前述した通り、明確に基準化されているため、必然的に当社としての取り組みも基準化しやすく、業務効率化へ効果をもたらしている部分もある。しかしながらBIM自体が新しい取り組み故にさまざまな要因で、必ずしも効率的に進められるとは限らないことも認識しなくてはならない。 施工BIMへの取り組み事例施工BIMとして作成した当社のBIMデータを図-1に示す。着目して頂きたい点はエレベータの機器はほとんど作成していない点だ。データ上で重要なのはエレベータを納めるための昇降路必要有効範囲と、エレベータ設置のために必要な2次鉄骨部材である。この2点に対し干渉はないか、設置を阻害する要因はないか、ソフトによる自動検出と各工種設計者による二重チェックで問題点を抽出し、解決していく。自動検出による阻害要因は図-2のようにリスト化され現場BIM関係者へ配布される。各工種設計者によるチェックは図-3のような定型様式に則り、元請へ申し入れを行う。このような方法で抽出された問題点を定例会にて現場BIM関係者と共有し、可能な限り定例会の場で解決策や方針を決定し、決定内容をBIMデータへ反映し提出する。このPDCAを繰り返し、精巧なBIMデータを仕上げていく。この事例は一例ではあるが施工BIMへの取り組みとして、メリットのある例である。 ![]() 図-3
当社内でのBIM活用の取り組み前述した施工BIMへの取り組み事例は、あくまで社外的対応である。社内的なBIMへの取り組みとして、最大の課題であり利点は情報の共有とその利用であると認識している。では、その情報を当社ではどのように扱っているのか述べていく。 業務効率化への取り組みでは前述の通り、変換せずどのようにBIMを利用した業務効率化や情報の連携を持たせたのか、図-4の図式である。異なる業務やソフト、社内部門間は共通の仕様情報で統一し、その仕様情報からBIMソフトや製造向け2D/3DCADの自動作図を可能とした。よって効率化や情報統一というBIMの利点を生かしつつも、ソフトに必要以上に依存せず、仮に特定のBIMソフトではないソフトを使用した場合にも、仕様情報の読み取りさえ可能であれば、どのソフトへも変更可能となる社内システムとした。 今後の課題終わりに施工BIMに関する今後の課題について述べていく。施工BIMの手法があるため、元請側、われわれメーカー側ともに共通の認識や目的を持ってBIMに取り組める手法であり、メーカーの立場も考慮している手法ともいえる。これはBIM黎明期にさまざまなルールや手法、要求に翻弄されていた当社としては、BIMに対し基準化、効率化を図る非常に有効な手法である。しかしながら昨今、施工BIMと詠いながらも内容は施工BIMではないという状況を多く経験している。こういった場合、手引書に沿って効率化を図る当社としては、効率化の効果は低減してしまう。だが一概にこの状況が望ましくないものではなく、急速に変化していくBIMというツールが進化しているとも認識できる。施工BIMという言葉に縛られず、さらなる柔軟さを持ってBIMに取り組むことが今後の課題であるように強く感じている。 フジテック株式会社 営業技術統括部 栁沢 啓太
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2020年7月6日
はじめに弊社は静岡県袋井市に本社を置く、昭和34年創業の土木・建築を業とする建設会社です。 ドローン、3次元化との出会いから現在まで~一歩ずつ進んでいます~弊社のi-Constructionは約4年前、「3次元測量って知ってる?」という問いからスタートしました。その頃の弊社にはドローンの3次元化は最先端過ぎて夢のような話だなぁと思っていました。 2017年にICT活用工事へ初チャレンジ2016年に導入したドローンを活用しなければと、ドローンの国土交通省申請、HP撮影、CM撮影など徐々にスキルが上がってきた頃、3次元化への思いから、2017年に安くはない3D系ソフトへの投資に踏み切りました。 3Dデータ活用の効果活用効果は、当初より広く知られているように、測量の効率化、丁張なし、3DMCによる施工の効率化、検測手間の減少、工期短縮、安全性の向上、精度の向上、環境負荷低減、現場説明の容易さなど、多くのメリットを感じることができました。 i-Constructionチャレンジの付帯効果実はかなり大きな付帯効果と考えているのが、モチベーションUP効果です。これまでの技術も諸先輩方の知恵や経験が現場の細部にわたり改善されてきたと感じます。しかし行き届いた改善は逆に、次なる大きな改善が難しかったり、常識として見えない壁のように立ちはだかっていました。 国土交通省中部地方整備局ICTアドバイザー認定を受けて2018年4月より国土交通省中部地方整備局よりICTアドバイザーと認定されました。とても大きな名前で荷が重いのでは、と思いましたが、私自身が一歩一歩前に進み自分の経験を伝えたり、ICT活用工事に関する議論を有識者の方々の中でできることにやりがいや面白みを感じております。 おわりに私たちのような地方の小企業がi-Constructionに積極的に取り組んでいられるのも、周りのサポートがあってこそだと日々感じております。ここで、関わる全ての皆様に心より感謝申し上げます。何も分からないとき、寄せ集めの情報から始めることが多いi-Constructionに取り組むには、情報や資料の他、施工指導を下さる方、ソフトやPCの導入支援業者や電話でのソフトサポートセンター、そして社内からその時間を与えていただくことで支えられております。 株式会社 内田建設 専務取締役 内田 翔
建設ITガイド 2020 特集1「i-Construction×BIM/CIM」 ![]() |
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2020年7月3日
コンストラクションデジタルへの流れCIMは2012年から、i-Constructionは2016年から始まり、既に7年が経過した。この間、3次元のモデルの取り組みという内容でさまざまな雑誌が取材を行い、それぞれの時代でトレンドが紹介されてきた。 維持管理に必要な属性情報は何か。それを皮切りにそのために施工ではどのようにその必要な属性情報を収集もしくは整理するのか。さらに、施工で必要な属性情報を設計段階ではどのように入れるのか、入れるために3次元データをどのように分割して入れるのか、調査段階で得られるデータにはどのようなものがあり、それらを設計で生かすためにどのように整理するのか、など、効率化や生産性向上という言葉がかえってこれらの議論を不毛な流れにしてしまっている部分が否めない。 また、3次元形状にしても、詳細度という言葉が一人歩きしてしまい、形状だけに注目したLOD議論があちこちで行われている(図-2)。 本来LODのDは形状のみのDetailではなく3次元オブジェクトとして必要な情報を全て包含してDevelopmentとしての意味を持たせることが重要のはずだが、Detail部分に焦点が集まり、本来議論しなければならない中身を無視した表面的な議論に終始してしまっている。 「デジタル」という言葉から求めている事例は何か建設業界はこの30年間、紙図面から2次元CADへと変化し、さらにこの10年は3次元CADへの取り組みが加速している。 コンストラクションテックのトレンド建設事業はその構築物の大きさや重要性などを鑑み、計画段階から設計段階、施工段階と経て供用物としての使命をスタートさせ、寿命を終えるまでの期間が長いため、設計段階や施工段階での技術としては、その施工方法や設計手法など、技術というよりも手法の開発、計画の手法などについて議論や開発の時間を費やしてきた。 図-5 デジタルツインを可能にする各種製品の一覧 BIM/CIMがもたらす今後の業界デジタルツインをどう表現していくのか。そのためのキーワードとしてはBIM/CIMという3次元データがあると考えている。 施工履歴データを使い、設計との差分や出来高の差分を出すことにより出来高清算業務を大幅に削減することを目的とした基準である。この基準を使うことで、出来高支払いが毎月可能になるものである。これこそまさに現場の「今」が形だけの活用ではなく、コストまで結びついた流れを作り出す重要なものだと認識しているが、この基準を運用して企業の資金繰りをよくしている会社はまだ私の知っている限りない。 この先の延長には、建物やインフラがそのままデジタル情報として活用することができるようになり、これらを使って建物であれば、建物がどのように運用されているのかがつぶさに分かり、それを元に建物そのものの価値だけではなく、建物の中にある「空間の価値」までも向上させることが可能となる。 全てが新築で実施するわけではなくても、これらの更新に合わせて、BIM/CIMを使ってその当時のその状況が分かるようになれば利用する価値があると考える。 2020年のキーワードi-Constructionの2019年度のキーワードは「貫徹」であった。行政から発信されるデジタル変革はまさに、深化から貫徹へと進んできている。そのスピード感は従来われわれ建設業界に身を置くもの全員が初めての経験である。それ故、この動きに疑問を抱く人がまだまだ多く、この業界の動きを単なる「一過性のもの」としてしか捉えていない人がいることは理解しているが、決してそうではなく、いま建設業はこのデジタルツイン技術を活用し、変わろうとしているのである。 その助走として、2016年から4年間のi-Construction活動が進められてきた。深化から貫徹へ、貫徹から「成長」へと向かう流れができつつあるのではないかと想像する。 次の10年に向けて2030年、われわれの世界はどうなっているのだろうか。 ※図の出典 株式会社 大林組 経営基盤イノベーション推進部 杉浦 伸哉
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2020年7月1日
はじめに2019年10月末、世界各地のBIM関係者が集い、建設産業におけるデジタル化についての標準化や実用化に向けての情報共有、議論を行うbuilding SMART International(以下bSI)サミット会議が中国・北京で開催された。bSIサミットでは、建設ライフサイクルにおけるBIMワークフロー、BIMのデジタルツインへの展開、インフラへの拡張などの議題を中心に、標準化、最新事例の共有、BIM実務者のネットワーキングが行われている。 building SMART北京サミット2019bSI北京サミット会場となったのは、2008年の夏季オリンピック大会メインスタジアムであった鳥の巣や競泳会場の水立方など巨大施設に囲まれた国家会議センターであった(図-1)。本サミットには1,500名以上が来場し、全体会議のオンライン配信では4万人の視聴者が参加、日本からの参加者も30名超の規模となった(図-2)。 bSI北京サミットでは、建設デジタルツインへの方向性をより深化させていくテーマが設定され、建設ライフサイクルに関わるさまざまな業務プロセス、システム、サービスなどがオープンでコネクテッド(つながっていく)していく、というメッセージが強く打ち出された。 今回は中国での開催ということで、中国交通建設(China Communications Construction Company)、中国建設科技集団(China Construction Technology Consulting)、中国鉄道BIM連盟(China Railway BIM Alliance)などの企業・組織がサミットのスポンサーとしてもプレゼンスを発揮し、bSI中国支部の司令塔として中国建築標準設計研究院(China Institute of buildingStandard Design&Research)が活動している状況が確認できた。特に、中国支部が鉄道、港湾施設などインフラ分野におけるBIMデータ国際標準IFC(Industry Foundation Classes:ISO 16739)の拡張を積極的に取り組んできている背景に、アジア、欧州、アフリカを結ぶ大経済圏構想「一帯一路」があることが今回のサミット基調講演で述べられていた。 4日間の日程のうち、初日は世界各地からの基調講演、2日・3日目はRoomと呼ばれている分科会、BIM資格認証・教育(ProfessionalCertifi cation)およびスマートシティなどのテーマ別会議、4日目の最終日には各Room会議の取りまとめを行う全体会議が行われた。 ・建築分科会(Building Room): BIMデータ連携の要件定義であるIDM(Information Deliver yManual)、IDMに基づいたIFC使用範囲の定義であるMVD(ModelView Defi nition)など、BIM活用に必要な標準、ドキュメント、技術仕様などの策定を行っている。今回のサミットでは、数量積算(QuantityTake Off , QTO)、エネルギーシミュレーション、GIS座標系とBIMモデル原点の設定などのIDM、MVDについての策定、LOX(Level Of X)、空間ゾーン(Spatial Zone)のユースケース・BIMソフトウェア実装などについて議題が設定された。 ・インフラ分科会(InfrastructureRoom): 道路、橋梁、鉄道、トンネル、港湾分野へのIFC拡張(IFCバージョン5:以下IFC5)を行っている。2020 年末にIFC5をbSI FinalStandardとするロードマップが確認された。 ・製品分科会(Product Room): 建材に関連する用語、分類体系コードなどを、国際標準(ISO 12006)に基づく建築デジタル辞書サービスbSDD(building SMART Data Dictionary)により、BIMライブラリや、デジタルサプライチェーンなどへの展開を検討している。最近は、分類体系コードと、製品識別コードの連携へと展開してきている。 ・建築確認分科会(RegulatoryRoom): 建築申請分野におけるユースケース、自動チェックシステムの検討を行い、IDM、MVDやガイドラインの策定を目指している。今回のサミットでは自動構造審査の試みが紹介された。 ・技術専門分科会(TechnicalRoom): IFCの拡張、メンテナンスおよびセマンティックWebへのIFC活用手法、API活用などの検討を行っている。CDEのAP(Iアプリケーション・プログラミング・インターフェース)標準に関しての提案が行われた。 ・施工技術分科会(ConstructionTech Room): 4D(時間)、5D(コスト)についての考察、BIMデータの次元表現についての議論が行われた。また、物流へのBIMデータ連携、中国(2社)、欧州(1社)の施工BIM事例を共有した。その他、製品コード、デジタルツイン、共通データ環境(Common Data Environment:以下CDE)、IFCモデルサーバをテーマに議論が行われた。 ・空港分科会(Airport Room):空港 分野の資産管理、運用管理の視点から空港施設ライフサイクルへのBIM活用に必要なIDM 、MVD、ガイドラインなどの策定を行っている。今回は空港のData Dictionary活用、BIMとGISデータの変換手法、空港のデジタルツインについての議論、および空港に関連する新たなIFC要素の提案とロードマップ再設定が行われた。 ・鉄道分科会(Railway Room): IFCの鉄道分野スキーマの策定を推進しており、今回サミットにおいて標準案候補が今後のレビュー段階に入った。 BIMから建設デジタルツインへ製造業におけるデジタルツインは、実空間に物理的に存在する製品・システムと、その製品・システムのデジタルデータで表現された仮想モデルと共に、製品・システムの状態をIoTに代表されるセンサーデータとして取り込み、製品ライフサイクルを通してデータ解析、シミュレーション、機械学習などを活用して全体最適を図る概念である。 building SMART Award 2019についてbSIでは、IFC、BCF(BIM Collaboration Format)などbuilding SMART標準を活用したオープンBIMの普及促進を目的に、2014年からbuilding SMART Awardを実施している(図-4)。春に応募を開始して、秋のサミット国際会議において設計、施工、運用・維持運営、学生、プロフェッショナルの5部門の審査発表、表彰式を行う形式である。2019年度は、全世界から100以上の応募があり(日本からは1)、bSIサミットにおいてその最終結果の発表、表彰式が行われた図-5~7)。今回のAward審査には各building SMART支部から67名の審査員(うち2名が日本支部から)が参加した。今後、bSJにおいてオープンBIMの専門家層を育成し、審査員として世界のオープンBIM実践状況を把握する機会を強化していきたい。 ![]() 図-5 buildingSMART Award 2019設計部門Award (PDC Engineering ![]() 図-6 buildingSMART Award 2019施工部門Award (ICOS Group, BYLOR ・設計部門(Design Award):PDC Engineering, Queen’s Wharf, Brisbane ・施工部門(Construction Award):ICOS Group, BYLOR Group & EDVANCEGroup, Hinkley Point C EPR ・運用・維持管理部門(Operations & Maintenance Award):Automated QualityControl, Copenhagen Airport ・研究部門(Professional Research Award):ACCA Software, StructuralE-Permit ・学生研究部門(Student Research Award):Technical University Munich, Multi-LOD Requirements Manager おわりに本稿では、中国・北京で開催されたbSIサミット会議の概要を紹介した。BIMの展開は、設計、施工フェーズを超えて、製造業、サプライチェーン、運用・維持管理、都市経営などの領域に広がってきている。今回のbSIサミットにおいて、製造業とのデジタルサプライチェーンによるデータ連携を推進するための製造業分科会(Manufacture Room)、発電所・送電施設分野の電力分科会(PowerRoom)など、新たな分科会設立準備が進んでいることが判明した。インフラ分野のIFC標準化も2020年に大きな進展を向かえる。 一般社団法人 buildingSMART Japan 理事・技術統合委員会委員長 buildingSMART Fellow 足達 嘉信 博士(工学)
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