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書籍版「建設ITガイド」に掲載した特集記事のバックナンバーです。

3DスキャナーとBIM連携による新しいリニューアル施工

2016年7月27日

 

東洋熱工業株式会社 技術統轄本部 技術研究所
研究員 三浦 貴広

 

はじめに

新築工事に対するリニューアル工事の比率が増加している一方で、建設労働者は減少傾向にある。
そのため、リニューアル工事の省力化が望まれている。
近年のICT(Information and Communication Technology)の発展は目覚ましいものであり、
このICTを活用した情報化施工により省力化を図ろうという動きがある。
 
そこで弊社では、3DスキャナーやBIM(Building Information Modeling)などのICTを活用して、
リニューアル工事の省力化を図ったので紹介する。
 
 

リニューアル工事の課題

リニューアル工事では、計画を立てるために、まず施工前の状況把握が必要になる。
しかし、現況図が残っていない、あるいは図面があっても実際と異なる場合が多く、現地調査が必要になってくる。
その際に、寸法をメジャーで計測していくことになるが、膨大な計測箇所があり、高所のための仮設足場も必要になり手間がかかる。
 
 

3Dスキャナーの導入

レーザーにより、全周囲の物体の寸法計測ができる3Dスキャナーというものがあることを知った(写真-1)。
 

写真-1 3Dスキャナー

写真-1 3Dスキャナー


 
三脚に設置した3Dスキャナーが自転して、5~10分程度で周囲を計測する。
3Dスキャナーから見えない部分は計測できないため、位置を変えて計測していく。
最適な計測位置を判断するには、ある程度のノウハウが必要になる。
 
計測結果は、パソコン上で無数の点により3D物体を再現する点群データとして得られる(図-1)。
 
図-1 点群データ

図-1 点群データ


 
各計測位置の点群データは重ね合わせて一つのデータにできる。
驚くほどリアルに再現されており、数mmの誤差で寸法計測も可能になっている。
3Dスキャナーの導入により、メジャーによる膨大な計測作業が不要になった。
 
 

3Dスキャナの活用

3Dスキャナーは見える部分しか計測できないため、一般的な天井内では見えない部分が多く、計測に不向きである。
そのため、機械室や屋上設備のリニューアル工事での活用が多い。
 
一方で、天井脱落対策に係る建築基準法施行令の一部改正が平成26年に施行され、ホールなどでの天井耐震改修が増えている。
そのため、キャットウォークがある天井内での活用事例もある(写真-2)。
 

写真-2 3Dスキャナーを活用した天井内

写真-2 3Dスキャナーを活用した天井内


 
メジャーによる手計測では、キャットウォークから離れた部分の計測が困難だが、
3Dスキャナーのレーザー計測であれば離れた部分も計測できる利点がある。
3Dスキャナーで計測したデータを基に、既設ダクトのBIMデータを作成し、
ゼネコンから頂いた追加する鉄骨をIFC形式で読み込み、干渉チェックを行った。
また、他設備も点群データで計測できるため、それも考慮して、
撤去しなければならないダクトと新設ダクトルートを決定した(図-2)。
 
図-2 天井内のBIM

図-2 天井内のBIM


 
 

BIM化への課題

3Dスキャナーの導入により計測の手間は改善されたが、点群データをBIMに変換する作業には課題が残されていた。
点群データを確認しながら作図すると、従来より効率が良いが、点群データで寸法を計測していくのは慣れと労力を要する。
 
点群データを設備CADソフトに読み込んでトレースすれば、寸法計測の手間は省ける。
点群データを弊社で使用している設備CADソフトで読み込んでみたところ、高さ情報が欠落するなど、不完全な状態であった。
また、点群データは数GBとデータ量が大きく、簡単に取り扱えるものではなかった。
 
3Dスキャナーに付属していた点群処理ソフトでは、平面または円柱を抽出できる機能があるが、
抽出したい部分を選択する必要があり、選択するのが手間であった。
自動抽出機能もあるが、長い計算時間が必要だった。
 
 

Infi Pointsとの出会い

BIM化方法を模索している中、エリジオン社の点群処理ソフトInfi Pointsに出会った。
平面と円柱を自動抽出するのに数分しかかからないことを聞き、衝撃を受けた。
さらに、エルボなどの管継手まで自動抽出できる。
 
Infi PointsはBIMソフトとの連携が不十分だったため、NYKシステムズ社に協力していただき、
設備CADソフトRebroとの連携を検討した。
その結果、DWG形式でInfi Pointsの3次元形状データをRebro上で再現できることがわかった(図-3)。
 

図-3 BIM化フロー

図-3 BIM化フロー


 
BIMを作成するには、現状は3次元形状データをトレースする必要があるが、
Infi PointsとRebroをつなぐ専用ファイルの導入が予定されている。
 
 

全天球カメラ

3Dスキャナーは、1000万円前後もするため、各現場で購入するというわけにはいかない。
一方で、全方位360°のパノラマ画像を撮影できる全天球カメラと呼ばれるものもあり、
リコー社のRICOH THETAは数万円で買える(写真-3)。
 

写真-3 全天球カメラ

写真-3 全天球カメラ


 
これは、シャッターを押すだけなので操作が簡単で、一瞬で360°パノラマ画像が得られる(写真-4)。
 
写真-4 360°パノラマ画像(専用ソフトで閲覧できる)

写真-4 360°パノラマ画像(専用ソフトで閲覧できる)


 
後継機種では、360°パノラマ動画も撮影できるようになっている。
弊社では、3Dスキャナの簡易版として活用している。
 
 

バーチャルツアー

パノラマ画像をつなぎ合わせるとGoogle社のストリートビューのようなバーチャルツアーを作成することができる(図-4)。
 

図-4 バーチャルツアー

図-4 バーチャルツアー


 
マップに撮影箇所を記して、そこを選択するとその場所のパノラマ画像を閲覧できる。
データ量は数百MBで、Internet ExplorerなどのWebブラウザで閲覧できるので、一般の人でも使える。
ファイルをリンクすることもできるので、機器をクリックすると、その取扱説明書が表示されるなどの使い方もできる。
 
 

おわりに

3DスキャナーとBIMの連携によるリニューアル工事での現地調査から現況図作成までの新しい施工方法を紹介した。
この方法は発展途上であり、今後の発展も期待できる。
ハードの面では、3Dスキャナーの小型化、低価格化により、さらに使いやすくなっていくことが予想される。
ソフトの面では、点群からの形状認識の向上やBIM変換の自動化が期待できる。
 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2016
特集2「海外のBIM動向&BIM実践」
建設ITガイド 2016
 
 



BIMライブラリーコンソーシアムの設立

 

BIMライブラリーコンソーシアム 事務局長
(一財)建築保全センター 保全技術研究所長
寺本 英治

 

BIMライブラリーコンソーシアムの設立

2015年10月30日にBIMライブラリーコンソーシアム(以下、コンソーシアム)が設立された。
これは日本で初めて統一的なBIMライブラリー構築を目指すものであり、
設立総会には、設立発起人6名、申し込みされた正会員32社41名、特別会員12団体、14名、
参加予定社26社、30名など、計72社、88名の方にご参加いただき、
設立総会の会場とその後の交流会は、日本で初めてのBIMライブラリー構築への期待で熱気があふれていた(写真-1)。
 

写真-1 コンソーシアム設立総会

写真-1 コンソーシアム設立総会


 
設立総会は、建築保全センターの水澤氏の司会により、
(一財)建設業振興基金・内田俊一理事長、(一社)IAI日本・山下純一代表理事が設立発起人・来賓代表として挨拶を行い、
寺本英治・保全技術研究所長が設立の経緯を説明した。
 
その後、コンソーシアム会員の承認を行い、(一財)建築保全センター・尾島理事長が議長となり総会が開始された。
総会では、会員会則、4部会長(写真-2)と組織構成、平成27年度の活動計画と予算が説明され、各々満場一致で承認され、
無事コンソーシアムがスタートした。
 
写真-2

写真-2


 
本稿では、コンソーシアム設立への3つの流れ、次世代公共建築研究会IFC/BIM部会の活動、海外のBIMライブラリーに関する動向、
建設業振興基金からのStem等の承継、コンソーシアムの構成、平成27年度業務計画および予算、今後の活動等を説明し、
関係者の皆さまのご理解を深めたいと考えている。
 
 

コンソーシアム設立への3つの流れ

コンソーシアム設立は、
 
●次世代公共建築研究会IFC/BIM部会で
 「誰もが容易に利用できる情報インフラとしてのBIMライブラリーの必要性の指摘」
 を2013年春に行っていたこと
●海外ではBIMライブラリーのオブジェクトの標準化と構築への動きが活発で、
 2013年に英国NBS・RIBAがNBS BIMオブジェクト標準の作成とBIMライブラリーをスタートさせ、
 2014年にはICIS(国際建設情報協会)から「BIMと仕様を繋ぐプロジェクト」、「BIMライブラリー動向調査」の実施、
 2015年にはICISが「NBS BIM Object標準への国ごとの地域性考慮・プロジェクト」を、
 buildingSMART Internationalが「製品データテンプレート標準の研究」をスタートしており、
 オーストラリア、韓国等が統一的BIMライブラリー構築に着手し始める等、BIMライブラリーをめぐる活動が活発になってきたこと
●(一財)建設業振興基金が実施してきたStem、BE-Bridge等のC-CADECの活動を2014年度末に終了し、
 承継先を模索した結果、建築保全センターが承継したこと
 
の3つの流れが一体となり実現されたと言えるが、
それを一つにしたのが、BIMフォーラムというIAI日本の山下代表理事の呼びかけで2014年1月に発足した
任意の組織での継続的な会合の場であったことは注目される。
 
 

次世代公共建築研究会IFC/BIM部会の活動

次世代公共建築研究会IFC/BIM部会は、活発になりつつあるBIMに関する情報交流の場づくりと、
必要なツールを整備する場として2010年度にスタートした。
部会長は安田幸一東京工業大学大学院教授で参加企業は、
大手設計事務所、ゼネコン、IT関係企業の他、
オブザーバーとして、国土交通省、IAI日本、日本建設業連合会(略称:日建連)等が加わっている。
2013年春に作成された第2フェーズの成果のパンフレットで次の指摘をしている。
 
BIMを活用する上での現状の課題(2013年3月に作成)
●発注者・受注者の間の統一的なガイドラインがないため、作図等の作業が効率的ではありません。
 (その後、2014年3月に国土交通省から「官庁営繕事業におけるBIMモデルの作成及び利用に関するガイドライン」が
  公表されている)
●誰でも容易に利用できる共通の情報インフラとしての設備機器、建築部品等のBIMライブラリーがありません。
●材料、機器の実用的なコード体系がないため、作図等が効率的でなく、
 また、プロジェクトや組織をまたがる情報の統合ができません。
 
次世代公共建築研究会では、初めからBIMライブラリーに取り組んだのではない。
最初に着手したのは、国内外の材料、機器のコード体系(英語ではClassification、分類)である。
表-1に概要をまとめる。
 

表-1 国内外の材料、機器のコード体系

表-1 国内外の材料、機器のコード体系


 
コード体系(分類)は、最近BIMライブラリーの一部を構成するとの認識が示されており、
どのように材料、機器を分類するかに直結する重要な課題である。
われわれの調査では、寺井教授(千葉工業大学)の提案する分類体系、
CI-NET/CE-NET、積算で使用されている体系、工事標準仕様書の分類体系等が、これに該当することに気付いた。
 
しかし残念ながら日本では実用的で統一的な材料、機器の分類体系はないのが現状である。
分類体系の欠如は、直接には分類に影響するが、
BIMでの表現の詳細度を示すLOD(Level of Detail、Level of Development、Level of Information)の議論にも影響してくる。
ここに関する議論で、日本では標準化が弱点であることに改めて気付かされている。
 
 

海外のBIMライブラリーに関する動向

(1)NBS BIMオブジェクト標準とNBS・RIBAのBIMライブラリー

現在の代表的BIMライブラリーとして、英国NBS・RIBAのBIMライブラリーがある。
 
NBSはNational Building Specification(建築仕様書協会)、RIBAはRoyal Institute of British Architects(英国王立建築家協会)で、
BIMライブラリーの運用はRIBA Enterprises社である。
 
登録オブジェクトは、
ドア(412品目)、断熱材(196品目)、床仕上げ材(162品目)、屋根材(186品目)、壁(77品目)、窓(18品目)である。
 
BIMオブジェクトに関しては、「NBS BIMオブジェクト標準(バージョン1.2/1114)」が公表されている。
この基準は、「第1章一般要件」「第2章情報要件」「第3章形状要件」「第4章機能要件」
「第5章メタデータ(データに付加されるデータ)要件」「参考」「用語の定義」から構成されている。
 

図-1 NBS National BIMライブラリーのトップページ

図-1 NBS National BIMライブラリーのトップページ


 

(2)ICISプロジェクト#2「BIMと仕様をつなぐ」

調査実施組織・実施時期:NATSPEC(オーストラリア専門企業協会連合会)、2014年1月
 
目的:BIMオブジェクトの属性を示す仕様をどのような記述が最適かを検討するもの
概要:BIMオブジェクトと仕様の記述を、
①階層分類、
②階層分類+キーノートジェネレータ、
③オブジェクトIDジェネレータ、
④パラメータのみ(軽量シェルモデル)、
⑤ライブラリー、
⑥モデルに記述(エクスポート可)、
⑦モデルに記述(エクスポート不可)
の7タイプで得失を検討し、④と⑤が最適と結論付けている。
 

(3)ICISによるBIMライブラリー現況調査

調査実施組織・期間:NATSPEC(ICIS会員)、2014年末
 
目的:オーストラリアでの統一したBIMライブラリー開発の基礎調査
調査対象国:オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、英国、フィンランド、ドイツ、日本、
オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、シンガポール、南アフリカ、 スウェーデン、スイス、米国(19カ国)
概要:17の設問により、BIMライブラリーの現状と各国での取り組み、関係標準について調査している。
 
●英国、オーストラリア(設備)、ノルウェー(標準のみ)、カナダがBIMライブラリー所有
●韓国をはじめ多くの国が統一的なBIMライブラリーの構築への動き
●分類体系はBIMライブラリーの一部で、現在標準を作成している国は、ノルウェー(NS8360)、中国、デンマーク、スウェーデン、
 ニュージーランド、オーストラリアであり、
 またすでに標準を所有している国は、オーストラリア(ANZRSとBIM-MEP)、オランダ(DRS、CBNL、COINS)、
 英国(NBS BIMオブジェクト標準)、ニュージーランド(ANZRS)、シンガポール(シンガポールBIMガイド)がある。
 

(4)ICISによる「NBS BIMオブジェクト標準に地域性を加えることの考慮プロジェクト」

2015年6月のICIS国際会議で決定された新規プロジェクトは、
既存のNBS BIMオブジェクト標準に地域オプションを加えることを考慮するプロジェクトである。
これは共通の国際的なベース(NBS BIMオブジェクト標準)に、国ごとの変化をある程度許容するものである。
この検討はこれまでICISと独立して実施されてきたが、
NBS(英国)、NATSPEC(オーストラリア)、Masterspec NZ(ニュージーランド)によって実施されることとなった。
 
 

(5)buildingSMART Internationalによる「製品データテンプレート(PDT)標準の研究」

BIMは、プロジェクト関係者間のライフサイクルにわたるデータ交換を容易にするためには、
書式の製品データが構造化されていることが必要である。
過去に製品データを規格化する多くの活動があったが、それらはあまり成功していない。
しかし2015年のシンガポール国際会議でbuildingSMART International(bSI)とISO TC 59/SCが共同で(ISO TC 59/SC-bSI)、
製品データテンプレート標準研究プロジェクトが始められた(プロダクトルーム)。
 
製品データテンプレート (PDT)は、個々の建築製品タイプの属性とプロパティの規格化されたセットを表しているもので、
個々のPDTは、建物のライフサイクルにわたる全ての関係者によって求められる情報を先取りすることを目指している。 
 
完成するとPDTは、デジタル表現の製品データテンシート(PDS)となる。
PDTの標準書式とIFC、mvdXML、bSDD、COBieなどの既存のオープン標準との整合性があることは、
PDTが幅広くBIMプラットフォームとして使うことができることを示している。
従って製造者は、データを複数のフォーマットで提供する必要はない。
またそれによって、製品データテンプレート・ユーザーは、
いつでも、必要な情報だけを取り出すデータ処理を自動化することが可能になる。
 
buildingSMARTは、将来ISO標準になる製品データテンプレート群のbSI標準を開発するために、
新しいbSI標準プロセスの下にワーキンググループを設置することを決めた。
この活動の基礎となる既存の先導的活動と標準は、SPie、BS 8541、ISO16757、Co-Builder/PIX、CIBSE PDTs、
AFNOR PPBIM Commission(BIMのための製品プロパティ)/AFNOR XP P07-150、CEN/TC 442 WG4 Data Dictionaries、
BRE system forcreation and validation of product templates、NBS BIMオブジェクト標準およびNBS BIMツールキットである。
 
 

建設業振興基金からのStem等の承継

(一財)建設業振興基金は、
C-CADEC(設計製造情報化評議会)において2次元CADでの情報交換標準としてのStem、BE-Bridgeを研究し
最終的には3次元への対応ができるものとしてのStem、BE-Bridgeに拡張してきた。
 
ここでStemとは設備機器について、性能、仕様に関する属性情報、外形図、各種技術ドキュメント等を
ひとかたまりの機器ライブラリーデータとして交換するための標準仕様であり、
またBE-Bridgeとは、異なる設備CAD/CAM/積算ソフトウェア間で、
属性情報を伴った配管、ダクト、機器等のデータ交換を可能とする仕様で、設備BIMソフトウェア間での利用も可能である。
 
しかし平成26年度に調査研究を終了し、
Stem、BE-Bridge等の承継先として(一財)建築保全センターを選び
2015年4月に承継がIAI日本・山下代表理事立会いの下で行われた。
 
 

コンソーシアムの構成

コンソーシアムの構成は、会則に規定されており、それを解説したものが図-2であり、
設立総会では代表、部会長等が発表された。(表-2
 

図-2  BIMライブラリーコンソーシアムの構成

図-2  BIMライブラリーコンソーシアムの構成


 
表-2  BIMライブラリーコンソーシアムの代表、部会長等

表-2  BIMライブラリーコンソーシアムの代表、部会長等


 
 

平成27年度業務計画および予算

(1)業務方針
コンソーシアム設立趣旨および次に示す業務計画に基づき、計画的に業務を実施する。
 
(2)業務計画
1)運営委員会(2カ月に1回程度開催予定)
 ●事業年度予算の作成、業務方針等の企画立案を行う。
 ●コンソーシアムの運営、調整、啓発等の活動を的確かつ効率的に推進するため、必要な決定を行う。
2)在り方部会(2カ月に1回程度開催予定)
 BIMライブラリーの在り方に関する検討を行うもので、具体には以下に示す。
 ●既存や計画中のBIMライブラリーの把握
 ●広く利用されるBIMライブラリーとしての目標水準、実現方策の検討
 ●オブジェクトの形式等の技術的検討
3)建築部会(部会は2カ月に1回程度、WGは毎月開催予定)
 BIMライブラリーの建築系標準仕様(ELVを含む)の作成を行うもので、具体的にはあり方部会の検討等を踏まえ、
 建築系材料、製品の情報標準化を検討する。
4)設備部会(2カ月に1回程度WGは毎月開催予定)
 BIMライブラリーの設備系標準仕様の作成を行うもので、
 具体的には、現行のStem、BE-Bridgeの仕様の更新、活用を含め、内容の充実を図る。
5)運用部会(2カ月に1回程度、WGは毎月開催予定)
 BIMライブラリーの運用に関する各種基準、規約等の作成を行うもので、
 具体的には、著作権、データ更新、データが不正な場合の対応等を検討する。
6)事務局
 事務局運営細則に示された業務を的確に実施するとともに、コンソーシアムの運営が円滑に行われるよう配慮する。
 また外部への情報発信に努める。
 
(3)予算
平成27年度では、収入は800万円、支出は部会等の活動に600万円、事務局150万円、予備費50万円を予定している。
 
 

今後の活動等

概ね2年後にBIMライブラリー構築を目指すには、計画的な活動が必要であり、
特に海外においてBIMオブジェクト標準に関する議論が進められているため、
この領域の情報整理と日本として標準の考え方、世界に対する地域性等の課題を早急に取りまとめる必要がある。
また並行してライブラリーの内容とその実施主体の選定に向けての議論を進めていく予定であり、
皆さまのご協力・ご支援をお願いするとともに、情報化時代にふさわしい情報発信に努めていく予定である。
 
当面のBIMライブラリーコンソーシアムWEBサイト
http://www.bmmc.or.jp/blc
 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2016
特集2「海外のBIM動向&BIM実践」
建設ITガイド 2016
 
 



Civilユーザ会のCIM推進活動からテクニックまで

 

一般社団法人 Civil ユーザ会
代表理事 藤澤 泰雄

 

Civilユーザ会とは

2007年土木分野への3次元モデルの導入推進を目的に、Civil 3D User Groupを発足し、
その後、2012年に、設計者・施工者をはじめとした土木技術者の集まりとしてCivil User Group(略称:CUG)へと発展し、
平成24年度より開始された国土交通省のCIM活動への対応も、
3D部品の公開や、CIMインストラクタの認定など、人材育成と環境整備に力を入れている。
 
こうしたCivil User Groupを支援するために、2015年4月に一般社団法人 Civilユーザ会を設立し、
Civil User Groupと一般社団法人 Civilユーザ会が表裏一体となり、CIM・BIMの進展を支えていく体制を整えました。
この間登録ユーザ数は、2015年11月末で1,000名を超え、東京分会の他、大阪、札幌、広島と分会も増え、
定期的な活動の他、合宿形式での講習、トレーナーの派遣など幅広い活動を行っている。
 
 

活動内容

Civilユーザ会では、土木分野における3次元モデル利活用の推進を行い、
CIM施策の円滑な導入に寄与することを目的として、以下のような活動を進めている。
 
●CIMスペシャリスト、CIMインストラクタ、CIM上級ユーザの養成(教育)
●CIM支援組織との連携
●CIMトレーニング(分会活動)

 
こうした活動を行うために、人材育成のために、定期的なハンズオン講習会の他、
トレーニングテキスト・データセット・コースの認定、インストラクタの認定、3D部品の公開などを開始している。
 

図-1 CUGの活動方針

図-1 CUGの活動方針


 
 

人材育成

(1)分会活動

現在、東京・大阪・札幌・広島の4つの地区で分会として、東京は毎月、大阪は2カ月に1回、札幌・広島は3カ月に1回、
オフラインミーティングでハンズオンやさまざまな情報交換を行い、地区ごとの会員のレベルアップを行っている。
また、年に2回、1泊2日の合宿形式でのハンズオンを実施している。
東京分会では、毎回30名ほどの参加者があり、CIM自慢といったユーザ自身での発表を行ったりしている。
 

(2)認定CIMインストラクタ

国土交通省が推進するCIM(Construction Inforamtion Modeling)において、
平成28年度先導的導入事業ガイドライン策定(トンネル、橋梁、河川、ダム)が予定されている。
こうしたガイドラインに業界として対応するための人材を育成するために、CIMインストラクタの認定を行っており、
現在、12名のインストラクタを認定している。
平成27年度は、建設コンサルタンツ協会 CIM技術専門委員会が主催した福岡・名古屋・仙台のCIMハンズオンに
認定インストラクタを派遣して2日間×3会場の講習会を実施した。
 
CIMインストラクタの認定は、不定期に分会活動のハンズオン時や合宿でのハンズオンの際のトレーニングに合わせて行っている。
認定の基準は、
①講師としてソフトウェアの操作方法を習得しているか、
②自分でハンズオンのテキストが作成できるか、
③多くの人の前で適切な指導ができるか
などCUG主催の講習会の講師として、
正しく講習を進められる(話し方、説明の手順、進行、Q&Aなど)を受講したユーザとCUG幹事により判定している。
 

(3)認定コース

CUG分会におけるトレーニングは、初心者コースを終了していることを前提としている。
このため、初心者コースを実施する団体のコースの認定も実施している。
認定は、テキスト・データセット・コースの3種類で実施しており、現在、2社をテキスト・データセットで認定している。
 
認定の基準を表-1に示す。
 

表-1 トレーニングコース認定基準

表-1 トレーニングコース認定基準


 
 

3D部品公開

3Dモデルの作成においては、事前に3D部品を作成しておくことにより、全体モデルの作成が簡単になる。
2014年より、施工計画で利用可能な3D部品を中心に検討を開始し、
2015年1月より3D部品の公開し、現在表-2に示す265個の部品を公開している。
 

表-2 3D部品一覧 (2015.11.9現在 総数265)

表-2 3D部品一覧 (2015.11.9現在 総数265)


 
これらの部品は、ダウンロード時に表示される「CUG 3次元モデルデータ取扱規約」に従って利用できる。
基本的には、日本国内であれば誰でも無償で利用できるが、改変したものを有償で販売することはできないので注意してほしい。
 
図-2 掘削機械

図-2 掘削機械


 
3D部品に関しては、今後の互換性や品質レベルを同じにするために、部品モデル作成ガイドラインを定めている。
表-3にガイドラインの構成を示す。
 
表-3 CIM3次元部品モデル作成ガイドライン ver.1.0の構成

表-3 CIM3次元部品モデル作成ガイドライン ver.1.0の構成


 
図-3 部品利用の取扱規則

図-3 部品利用の取扱規則


 
 

300の技

CIMでよく使われているAutodesk Civil 3Dは、AutoCAD、Map 3D、Civil 3Dと多くの機能が含まれているため、
いろいろな機能が存在する、
機能が多すぎる故にテキストなどではどの機能が一番適しているかを判断するのが難しいどんな機能があるのか、
こんなときはどうすればよいのかなど、いろいろな機能をまとめて「300の技」として表-4に示すような分類でまとめた。
 

表-4 300の技

表-4 300の技


 
現在、出版を目指して調整中である。
 
図-4 「300の技」ページ見本

図-4 「300の技」ページ見本


 
 

これから

CIMが始まって3年経過した。
ガイドラインの制定など、少しずつ進んでいるが、
一番重要な点は、ユーザが今まで困っていた作業が改善され、手戻りなく作業を進めることで、
今まで無駄に費やしていた労力と時間を削減し、生産性を向上することにある。
そのためには、ツール・テキスト・トレーナなど人材育成が何より重要である。
 
これからも、一層多くの方々のお役に立てるような環境を提案していこうと考えている。
 
最後に、皆さまのご参加をお待ちしております。
 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2016
特集1「本格化するCIM」
建設ITガイド 2016
 
 



 

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