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2015年4月27日
あっとクリエーション株式会社
代表取締役 黒木 紀男
ノートパソコンとタブレットの違いとは?「タブレットを導入してみたけど、何に使ったらいいのか?よく分からないなぁ」 タブレット・スマートフォン活用の成功事例タブレットやスマートフォンが業務でうまく使われている事例をいくつか見てみましょう。 現地調査支援アプリ「カンタンマップ for iPad・iPhone」「カンタンマップ」は、あっとクリエーション株式会社が開発した、 現地調査に行く際には、地図や図面、デジカメ、手帳、携帯電話、過去の調査資料など、とても荷物が多くなります。 建設現場によっては、道なき道を入っていくような現場も多く、タダでさえ荷物を減らしたいものです。 以前に比べITは進化し、カメラはフィルムカメラがデジカメになり、GPSも搭載されたり、どんどん進化しました。 携帯電話もガラケーからスマートフォンになり、もの凄い勢いで進化しています。 にも関わらず、現地調査を考えた時、使うツールひとつひとつは進化したものの、 現地調査そのものの効率化や高度化はあまり進んでいないのが現状です。 現場から戻ったら、現場で撮影した何百枚もの写真は手作業で整理する必要があり、 いざ作業をしてみると、この写真はどこで撮影したものだったっけ?ということもしばしばあります。 この現地調査のIT化を推進すべく、現地調査に必要なITツールをひとつにまとめようと考えたものが「カンタンマップ」です。 ここで、具体的にどのように使われているのか?を見てみましょう。 河川維持工事業務で利用されている例です。 河川維持工事では、堤防に陥没ができていないか?堤防にある階段などが壊れていたりしないか?など、日々点検を行っています。 点検の結果、何か事象を見つけたら、どこで何が起こっているのか?をメモを取り、写真を撮り、 Excelベースの報告書として河川管理者に報告する必要があります。 ここで、現状で生じている課題として、現場から戻ってからパソコンを起動し、Excelに 生じている現象を書き込み、 その写真と場所が分かるように、地図を貼り付ける作業を行わなければなりません。 これをタブレットを使って、現地で全ての作業ができてしまえばどうでしょうか? タブレットに表示された地図上に、起こっている事象の場所を記録し、その内容をメモ書きします。 また、タブレットに付いているカメラで写真を撮影して、その写真にスケッチを描き込めたら便利です。 メモ書きもタブレットの音声入力が使えれば、キーボードを打つ必要もありません。 さらに、河川維持では、堤防の形状なども重要になるのですが、 GoogleマップやAppleマップでは、堤防のような細かい形状は表現されていません。 このような地図では河川維持をはじめ、建設現場での利用では役に立たないため、 カンタンマップでは業務に必要な精度の地図を重ね合わせて表示できる機能があります。 これにより、例えば堤防のどこに亀裂が発見されたのか?といった詳しい情報をきちんと記録することができ、 次回の点検の際にもそれを見逃すことがなくなります。 また、現地調査では、山の中など災害時などで通信環境が使えないところでも使える必要があるため、 全ての機能がオフラインでも使えるようになっていることも特長のひとつです。 加えて、オプションで指定の帳票様式に印刷するためのカスタマイズなども可能であり、 これまでの現地調査のやり方を変えてしまう可能性のあるアプリです。 「カンタンマップ」は、河川維持の他、下水道などの地下埋設管管理やマンホール・電柱管理、林業における林班表示、 農地管理における施設管理、固定資産調査、道路附属物点検、道路やトンネル計画地の現地調査など、 さまざまな分野で利用されています。 中には、河川の現況調査で、図-3のような使われ方をしているユーザーもいます。 iPadだけで作業ができるからこそ実現しうる調査手法ですね。 位置情報付き写真管理システム「キロふぉと」「キロふぉと」は、JR西日本およびジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社が開発した、 鉄道運行には、人命に関わることもあり、非常に高いレベルの日常点検が求められます。 そのため、線路や架線などに異常がないか、日々の点検作業がとても重要になります。 その点検作業では、何かが発見されたら場所を記録し、写真を撮影して、 事務所に戻ったら、その結果報告を所定の形式による報告書を作成し、実施するという作業を行います。 「キロふぉと」はこの点検、報告作業において、スマートフォンを使用することによる業務の効率化を目指したアプリです。 このアプリを使った作業では、事象があった箇所の写真を撮影し、写真にメモを書き込め、どのようなことがあったのか、 事前に登録しておいた項目から選択するだけで登録が完了します。 文字入力の必要はありませんが、必要な場合、キーボードによる入力もできるようになっています。 このアプリは、さらに鉄道の点検にとって必要かつ重要な機能があります。 写真を撮影する際に、現在地のGPS情報をサーバに送ることで、「キロ程」に自動的に変換されるようになっています(図-5)。 これにより、日常業務で使い慣れているキロ程で管理できるため、その写真がどこで撮影されたかがすぐに分かります。 例えば、撮影された場所が、GPSの経緯度ではなく、「東海道本線のキロ程500キロ+580m地点の右側に10m離れた場所」のように、 鉄道管理者であればすぐに分かるような言葉に置き換えて、位置情報を伝えていることにあります。 スマートフォンにて各所から送られてくる報告は、事務所にあるパソコンで一覧表示され、 管理者/担当責任者はすぐに状況を確認することができます。 また、パソコンから所定のExcel帳票(ユーザーが普段使用している報告書形式で生成)も印刷することができるため、 点検者は現場から写真を送った後、事務所に戻ってから作業日報のようなものを作成する必要もありません。 実際にこのアプリを導入した現場では、設備のちょっとした故障や破損の報告、定期交換時の記録等、 あらゆる場面で活用されています。 また、緊急時や災害時に大きな威力を発揮することも分かりました。 これまでは線路の管理は土木担当者、架線の管理は電気担当者と縦割りであったのですが、 緊急時や災害時に現場に入った作業者が撮影した写真を部門横断的に共有することにより、 適切で迅速な対応が取れるようになったそうです。 今後、指令と現場をつなぐツールとしての活用も期待されています。 そのような成果が評価され、 このアプリはJR西日本において、「現場の技術開発制度」で最優秀として社長表彰という結果につながりました。 図面管理システム「CheX(チェクロス)」「CheX」は、株式会社YSLソリューションが開発した、図面管理を目的とした情報共有アプリです。 それらのメモや写真入りの図面を、メールを使って関係部門へ送り、情報共有することで、 関係者間の情報共有のツールとなっています。 事務所などでは、現場で入力された情報などが、パソコンでも見ることができ、そこから印刷することなども可能です。 現在では、大手ゼネコンをはじめ、多くの現場で活用されています。 なぜタブレットは使えるのか?~成功事例の共通点~上記の事例を見てきて、なぜこれらのアプリはうまく活用され、また実際に仕事に役立っているのか? 業務アプリ以外でもタブレットやスマートフォンを仕事に使い倒そうここまで紹介してきたアプリは、いずれも業務向けに開発されたアプリであり、導入には相応のコストがかかります。 さらに、電車で移動中に打合せ資料や論文などを読んだり、プレゼンの予行演習をしてみたり、 緊急時にはポータブルテレビとして情報収集することにも使えるでしょう。 タブレットもスマートフォンも、マニュアルがなくても使えるようなカンタンな道具です。 難しく考えることなく、ちょっとしたアイデアで便利に使えるものです。 業務を楽にすることに加えて、仕事を少し楽しくするために使ってみてもよいのではないでしょうか? 現在、筆者は自治体やCPDSセミナーにおいて、本文で紹介した以外にも、タブレットの有効活用などの講師をしています。 また、紹介したアプリなどの導入支援コンサルタントも行っているので、興味がありましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。 【出典】 建設ITガイド 2015 特集3「建設ITの最新動向」 ![]() |
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2015年4月26日
一般社団法人 IAI日本
IFC検定委員会委員長 足達 嘉信
IFCデータ連携の仕組みここでは、IFC検定においてどのような検証が行われるかの理解を深めるために、 図-4は、BIMソフトウェア間でIFCデータがどのようにデータ連携するかを示した模式図である。 ●IFC出力:IFCデータを出力する BIMソフトウェア上で作成された内部モデルは、パラメトリックな3D幾何形状、 および属性情報から構成されるオブジェクトの集合として存在する。 パラメトリックな3D幾何形状とは、そのオブジェクトの属性情報を制御することにより、 幾何形状やその性質が変化する仕組みで、モデリング作業の効率を高くすることができる。 例えば、ドアオブジェクトの高さ属性を変化させると、ドアの3次元形状の高さも連動して変化することが挙げられる。 MVD-Aに対応したBIMソフトウェアであれば、その内部モデルをMVD-Aに沿った内容で3D幾何形状、 および属性情報が含まれるIFCデータへ変換する。 ●IFC入力:IFCデータを入力する BIMソフトウェアは、IFCデータを内部モデルへ取り込む。 その際、IFCデータが含む3D幾何形状と属性情報が、パラメトリックな3D幾何形状、 およびオブジェクトの属性情報へと変換される。 またこの変換の際、IFCのオブジェクトが持つ3D幾何形状および属性情報からパラメトリックな3D幾何形状を生成される。 または、IFCの3D幾何形状をそのまま、参照モデルとして取り込むこともある。 さらに、IFCデータを入力するBIMソフトウェアの種類によって、BIMデータ連携の内容が変化するが、 その基本的なパターンを図-5に示す。 (1)設計BIMソフトウェアからビューワ系BIMソフトウェア: IFCデータに含まれている3D幾何形状・属性情報を、 ビューワ系BIMソフトウェアでは編集する必要のない参照モデルとして3D幾何形状をそのまま変換することができるので、 比較的データ変換品質が高い。 (2)設計BIMソフトウェアから解析系ソフトウェア: IFCデータに含まれている3D幾何形状・属性情報を、解析モデルへ変換する。 設計BIMモデルと解析モデル間にはさまざまな差異が存在するため、 3D幾何形状の補正・簡素化、不足している属性情報の追加、名称・コード番号などの属性値の補正などが必要となる。 (3)設計BIMソフトウェアから設計BIMソフトウェア: IFCデータに含まれている3D幾何形状・属性情報を、 受け取り側の設計BIMソフトウェアの編集可能な内部設計モデル形式へ変換する。 設計モデルを構成するオブジェクト (壁・柱、梁などのソフトウェア特有のオブジェクトや、パーツライブラリのオブジェクトなど)には、 2つの設計BIMソフトウェア間に差異があるため、データ変換品質の向上が課題となる。 同様の理由で、設計BIMソフトウェアに対するIFC入力認証は難易度が高くなる。 IFC検定の構成要素IFC検定において、その対象となるBIMデータ連携仕様を記述するために必要な構成要素を以下に示す。 IFC検定の対象となるMVD例2014年度にIFC検定の対象となるMVDは、「設備モデルビュー定義2014」と呼ばれるもので、 基本的な部分は、国際IFC認証のMVDであるCV2.0をベースとしており、その部分は互換性が保たれるようになっている。 「設備モデルビュー定義2014」は、59のMVDコンセプトから構成されており、そのうちの5つが、 IAI日本設備FM分科会が策定した設備IFC利用標準で定義されているプロパティセット定義のコンセプトとなっている。 IFC検定の将来像2014年度は、MVD設備モデルビュー定義2014を対象としたIFC検定が実施される。 おわりに本稿では、IAI日本が今年度から開始したIFC検定について、 参考文献●IFC検定ガイドライン, 一般社団法人 IAI日本, 2014年11月 建設ITガイド 2015 特集2「進化するBIM」 ![]() |
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一般社団法人 IAI日本
IFC検定委員会委員長 足達 嘉信
はじめにわが国では2009年がBIM元年と呼ばれ、数多くのBIM活用事例が世の中に紹介されてきた。 IFC検定の目的buildingSMARTが策定をしてきた3次元建物情報モデルIFC(Industry Foundation Classes)は IFC検定の目的IFC R2.0認証IFCの初期バージョンであるRelease2.0(以下IFC R2.0)は、1999年春に公開された。 国際IFC認証(IFC Certification 2.0)2000年にIFC R2.0の次のIFC 2xバージョンが公開された後、 IFC検定の概要IFC検定は、実務におけるIFCによるBIMデータ連携の精度向上、 検定対象となるBIMデータ連携シナリオやIDMは、 エンドユーザーとソフトウェアベンダーから構成されているIAI日本の各分科会活動の中で検討される。 検定対象となるMVDは、IDMを基にIAI日本技術調査委員会によって策定され、 BIMソフトウェアへのIFCデータ入出力機能の開発において活用される。 IFC検定は、そのようにして策定されたMVDを対象に実施されることになる。 IFC検定では、出力されたIFCデータの内容が、MVDと一致しているか、 幾何形状に関しては複数のIFCビューワによって正しく出力されているかなどが、 IFC検定委員会が設置するIFC検定WGによって検証される。 検定結果は、IAI日本の管理台帳に 記録されるとともに、WEBサイト上などで公開される。 IFC検定から得られた知見は、MVD改善、BIMデータ連携シナリオ改定作業や国際IFC認証などへフィードバックされる。 BIMデータ連携を支えるIFC検定の概要《前編》 BIMデータ連携を支えるIFC検定の概要《後編》 【出典】 建設ITガイド 2015 特集2「進化するBIM」 ![]() |
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愛知工業大学 工学部 所在地:愛知県豊田市 愛知工業大学 工学部 都市環境学科では、3Dレーザースキャナで3次元計測を行い、 点群データを使った解析処理を行っていた。 しかし、計測を重ねていくうち、スキャンしたデータを結合するための参照点設置など、 想定外に多くの事前準備やそのノウハウが必要なことが分かってきた。 そんな時、白球の設置を必要としない計測ソフト「JRC 3D Reconstructor」 と出会ったことで、一気に作業が効率化されたという。 3Dレーザースキャナとの出会い10年ほど前から3Dレーザースキャナに興味を持っていましたが、なかなか利用できずにいたところ、 計測時の問題:白球の設置の問題しかしながら、計測を重ねていくうちに、3Dレーザースキャン計測での大きな課題にぶつかりました。 JRC 3D Reconstructorとの出会い:白球の設置の問題の解決このような計測における白球設置の課題を抱えている時、 ![]() 橋梁の3Dレーザースキャンデータ。計測の当日は風が強く、従来通り白球を設置していたら白球が転倒するなど再測の可能性がありましたが、JRC 3D Reconstructorのおかげで白球なしで計測ができ予定通りに終えることができました。 3Dレーザースキャナ計測における効率化:実作業の短縮から制限なしの計測計画前述の中村教授とともに地下街の3Dレーザースキャンデータの構築と利活用の研究に取り組んでいます。 さらに、絵的に白球が気になることもあり、データ上から白球を削除をするにしても手間がかかるものですが、 そのような懸念もなくなりました。 また、地下街はJRC 3D Reconstructorで必要な特徴点が多く、JRC 3D Reconstructorを利用しやすい対象でもあります。 CGが道路建設に関わる合意形成へ利用可能かどうかを調べるために道路空間の3Dレーザースキャナ計測を行っています。 道路での観測においては車やバイク、自転車、通行人に気を付けなければならず、 白球設置などにおいては大変危険を伴う計測対象の一つです。 この道路空間に対してもJRC 3D Reconstructorでガードレール上の3点でデータの結合が可能で白球を設置することなく 現地計測での危険を回避することができました。 昨今では、橋梁においては長寿命化計画のもと橋梁の一斉点検が行われております。 今でこそ図面がCADで作成され補修設計においても既存のCADデータを使用することが可能ですが、 補修が必要な古い橋梁では十分な図面が残されていない場合があります。 このようなケースを想定して3Dレーザースキャナ計測によって橋梁の寸法計測への応用研究を行っております。 先だっても橋梁観測に行ってきましたがあいにくの強風でした。 JRC 3D Reconstructorがなければ、このような日では白球が転んでしまうなどで再測が必要になっていたと思いますが、 それでも現地計測ができたのはJRC 3D Reconstructorのおかげです。 予定通り計測が行え、制限なしで計測計画を立てられるところが大変助かるところです。 JRC 3D Reconstructorへの期待今後も、3Dレーザースキャナに関する研究は続けていく予定ですが、 この記事に登場した製品JRC 3D Reconstructor |
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株式会社 シェルパ
③設定、テンプレート(準備)Revit 2Dオブジェクトを作る シェルパブログ 2014.5.9掲載BIMでモデルを作っても、全て3Dで表現しなくても良い場合もありますよね。 ArchiCAD 部品倉庫を作ろう! シェルパブログ 2014.12.22掲載ArchiCADで作図するときに、モデルに目的があるか、無いかで、 シェルパの「技術相談」シェルパでは社内総力でプロジェクトを支えていくために、技術的な疑問を相談する社風となっている。 ④作図ノウハウArchiCAD 屋根伏図の作図方法 シェルパブログ 2014.7.17掲載3Dドキュメントを使って屋根伏図を作成する方法をご紹介します。 ArchiCAD 防火区画ラインを描く シェルパブログ 2014.11.17掲載防火防煙区画の線を描く時に、壁を塗りつぶしで色を付けて表示しても、建具があると、 シェルパの「改善提案」シェルパでは毎月社内会議を行っており、そこで一人最低一件の改善提案資料を作成し社内評価と水平展開を行っている。 ⑤モデルチェック(検索、一覧表)J-BIM スラブと梁の高さチェック方法 シェルパブログ 2014.10.2掲載施工図の床伏躯体図でS造の場合は、鉄骨 ArchiCAD 数量一覧表でモデル整合チェック シェルパブログ 2014.10.10掲載ArchiCADの一覧表の設定のフィールドリストで「数量」を選択すると、 シェルパブログでの記事検索方法①シェルパブログの各記事には「ラベル」というカテゴリを付けており、ページ途中の左側にそのカテゴリ名一覧が表示される。 ⑥成果物GLOOBE 概算積算機能 シェルパブログ 2014.10.6掲載福井コンピュータさんのGLOOBEを使ってみました。 ArchiCAD 色分け図の活用 シェルパブログ 2014.9.18掲載 外壁色分け図は打合せの時に、みんなのイメージを共有するのに非常に便利です。 おわりにBIMが普及してきているのを感じるが、まだまだ過渡期であり、効率よく使うのは難しいところもある。 建設ITガイド 2015 特集2「進化するBIM」 ![]() |
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