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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

NETIS技術を工事に使って工事成績アップ

鐘ヶ江建設株式会社

工事トータルソリューションシステム「O r p h e u s 」の活用

会社概要 鐘ヶ江建設株式会社
所在地:北海道北見市
資本金:3,000万円
従業員数:29名

 公共工事発注件数が激減する中で、いかなる環境であっても品質を落とさないことは建設業者として最低限のルールだ。NETIS技術を積極的に工事に活用して、高い工事成績評点を得点できたという鐘ヶ江建設株式会社・高橋社長に話を聞いた。

鐘ヶ江建設株式会社    鐘ヶ江建設株式会社
代表取締役社長 高橋 廣志 氏      取締役土木部長 辻倉 茂樹 氏


地域で信頼される経営こそ生き残りの鉄則

鐘ヶ江建設株式会社オホーツクの中核都市である。北海道は全道的に、建設業に限らずかつての地元有力銀行の破綻などを契機に大きく景気が減退して活力が戻らないままだ。特に大都市を持たない道東地域は長期の好景気といわれた時期でさえ、その恩恵をほとんど受けることができない典型的な格差地域といってよい。また、破綻寸前の行政を多く抱える地域でもある。その中でも、決して華々しくはないが、堅実に地域のインフラ整備に貢献しようと努力する建設業の姿がある。鐘ヶ江建設は、創業大正12年で地域でも老舗建設業者のひとつである。しかし、ここ数年の公共工事件数の激減により決して経営は楽とはいえない。同社・高橋社長は、どのような環境下でも、「建設業は地域で信頼されることがなにより重要である」との経営指針を堅持し、「そのためには施工技術を高め、品質の高い工事を提供するものとして、地域インフラ構築に参画していくことだ」と述べている。さらに、「それが環境の厳しい地域で建設業が生き残る要諦の一つである」と語っている。


安全を徹底する中に技術の磨き上げがある

 とはいえ施工技術をあげるには時間もコストもかかる。潤沢に工事件数がある時代ならいくらでもそれらを投入することも可能だが、現状ではそうたやすいことではない。まして、ベテランが高齢化を迎えて現場から離れていくようになった。若手は、教科書があるわけではない中、数少ない工事経験で腕を磨くことを要求される。「以前なら失敗も貴重な経験として技術力の財産だったが、今はかわいそうだが、その許容度は以前に比べ格段に低くなった」と高橋社長は現状を慨嘆する。一言で技術力向上の努力というのは簡単だが、その成果を一朝一夕に獲得することは困難である。そこで高橋社長は、昨今のビジネスシーンでよく使われる「見える化」と、「選択と集中」という言葉に着目する。つまり抽象的な目標設定ではなく、ターゲットを明らかにし、さらに幅を拡げ過ぎず無理のない身の丈にあったものにしようと考えた。それは、社内に「安全」に関する作業手順を確立し、粘り強く実施していくことに集中しようとしたのだ。その徹底こそが、「施工技術の磨き上げに通じるはずだ」と社内に訴えたのだ。


工事トータルソリューションOrpheusとの出会い

Orpheusの概念図
Orpheusの概念図

 高橋社長がその確信を得たのには、きっかけがあった。ある建設業向けソフトベンダーが、全国で開催していた「総合評価方式セミナー」に参加した際、評価点加算に安全対策の要素が重要との説明を聞き、同社が開発していたリスクアセスメントや施工手順の資料作成・出力などを、積算データから連動で運用できるシス テム「Orpheus(オルフェウス)」(コンピュータシステム研究所)を見てからだった。説明を聞いて最初は、安全と総合評価がなぜ関連するのかがわからなかったが、評価方式や工事成績評価要領のさまざまなデータを見て納得し、システム導入に踏み切った。



NETISに登録された技術を使い工事成績に加算

   

 ある時、国土交通省(北海道開発局)発注の工事では、NETIS登録技術を使用し活用効果があると認められ一定の条件をクリアすれば、工事成績に加算となることを知った。地域内の国道の補修を含む工事を受注した際、OrpheusがNETIS登録されたソフトウェア(NETIS登録No:KT-060093-A)であることを知っていたので、発注者に使用申請し工事に臨んだ。これまでも数件の工事ではそれなりに使用実績があったが、効果を実際に客観的に計測したことはなかった。発注者から求められた提出書類にはそれらの記述項目があり、工程表などに使用日などの記録を残し、手作業で行う安全管理との違いを評価した。

 Orpheus(オルフェウス)には、工事のリスクアセスメントのほか、安全作業手順集・イラストで説明されたヒヤリハット事例集・法令集などが盛り込まれている。これらが積算データの工種などと連動するため、安全管理資料の作成などがきわめて短時間でできるようになった。同社で初めて使用申請をし、工事を担当した辻倉土木部長によれば、「安全に対して余裕で対応できるようになった。品質に技術者の全神経を注ぐことができるようになったことを実感した」という。そのことは発注者への提出資料へも記述した。そして、これらは工事成績評点に如実に現れた。高橋社長が考える、安全に徹することが施工品質向上につながることを証明する結果となった。そして、「また一つ、地域のお役に立つことができた」と胸を張ることができたという。
 同社では高橋社長をはじめ職員全員が、「技術力にはこれで満足というレベルがない。建設業経営はこれからが正念場だ。Orpheusとともに挑戦の日々だ」と決意を新たにしている。


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