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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

驚くほどブレない業務用ウェアラブルカメラを活用し作業現場の遠隔臨場を推進

清水建設株式会社

業務用ウェアラブルカメラ「CX-WE100」


清水建設株式会社
所在地:東京都中央区
創業:1804年
設立:1937年
資本金:743.65億円(2020年11月現在)
従業員数:10,384人(2020年11月現在)
事業内容:建築、土木等建設工事の請負
 
 
清水建設株式会社は、2018年度より「遠隔立会」システムの開発に着手し、複数の現場で試行を進めてきた。一方で、国土交通省が19年度末から試行している遠隔臨場での技術デモンストレーションも行っており、その遠隔立会技術が熟成されてきている。同社の遠隔立会では、施工者はテレビ会議、検査値の入力、写真撮影からクラウドサーバーへの保存などの各機能を備えたソフトウエアをインストールしたタブレット端末を用いる。その中で最も重要なキーデバイスの一つとして、業務用ウェアラブルカメラ「CX-WE100」を採用している。
 
 

“遠隔立会”のシステム開発に必要不可欠なウェアラブルカメラ

遠隔立会システムに必要な機器としては、施工者側のデータを保存するサーバー、発注者が現場の映像を閲覧するパソコンなどがある。また、清水建設では、発注者側の担当者は映像を見ながら施工の進捗を確認して、発注者側が承認ボタンを押すとともにデータが保存される仕組みも導入している。これにより、口頭での承認よりも確実性を高めている。
 
この遠隔立会を実現するためには、撮影機能を補完するウェアラブルカメラが必要不可欠である。簡易な記録撮影であればスマートフォンのカメラでも十分であるが、手振れによる映像酔い、暗所での画質劣化、手持ち撮影による作業効率悪化、また、建設現場においては多少の降雨やホコリなどの環境に耐える必要もあるなど、さまざまな課題が発生する。
 


業務用ウェアラブルカメラCX-WE100の採用

そこで同社土木技術本部イノベーション推進部では、遠隔立会を推進するに当たり、多種の小型カメラに代わる専用カメラとして、株式会社ザクティの業務用ウェアラブルカメラCX-WE100を採用している(図-1)。本カメラは遠隔立会の現場で求められる3つの要素を満たすカメラである。
 

図-1 CX-WE100

 
1つ目は、ザクティが「驚くほどブレない」とうたうブレ補正機能である。独自のブレ補正技術「エクスタビライザTM」は、航空機の機体制御技術「クォータニオン」をカメラの揺れ補正に適用した技術である。カメラ内の角速度センサーと加速度センサーでカメラ姿勢と重力方向を検出し、地軸に対して水平を維持しながらカメラ姿勢の変化がキャンセルされるように画像処理で補正を行うアルゴリズムを設計し、専用の画像処理エンジンに搭載することで、リアルタイムかつ高精度な揺れ補正を実現している。
 
また、カメラの動きを周波数解析して作業者の意図的なカメラワークの動きを判別し、映像酔いを引き起こす揺れのみを補正する「カメラワーク判別補正技術」も搭載されており、ハードとソフトの両面から強力にブレ補正が行われている(図-2)。
 

図-2 CX-WE100エクスタビライザTM性能

 
「遠方から広範囲に周辺を確認しながら、目標の対象に近づく必要がある建設現場での映像でも、きっちりと揺れを補正するため、安定した映像を転送先で確認することができ、ストレスをまったく感じさせない」とイノベーション推進部長の小島 英郷氏は述べる。
 
2つ目は、暗所でも細部まではっきりと映し出せる高画質である。ザクティが20年以上にもわたるデジタルカメラ開発で培ってきた画像処理技術を駆使し、遠隔立会に最適な画質を実現している。
 
「小型ながら高品質なカメラであるため、どんな環境でもきれいな映像を撮影でき、併せて通信環境を整備すれば、遠隔からでも十分現場の状況を把握できる」。また、「特に、トンネル内での施工検査などにおいては、照明設備の配置によって、明暗コントラストが極端に発生したり、十分な明るさのない環境での撮影も必要となる場合もあるが、CXWE100での映像は、これまでになく鮮明に状況が確認できる」と小島氏。
 
これは、HDR(High Dynamic Range)技術を応用した強力な逆光補正および動的な露出補正を行うことで、細部まではっきりと映し出せる画質を実現しているためである。
 
3つ目は、現場で容易に使える取り回しである。CX-WE100はケーブル込の重量がわずか約140gで、ヘルメットに装着する専用マウントや胸部への取り付けホルダーも用意されているため、作業者はハンズフリーの状態で作業に集中できる(図-3)。
 

図-3 CX-WE100 装着写真

 
「導入前は、作業用タブレットとカメラを手持ちで作業していたが、ハンズフリーとなったため、現場作業員は作業に集中することができる」と小島氏。
 
軽量設計ながら、カメラ本体は防水防塵等級IP65対応であり、過酷な作業環境にも耐えられる仕様。また、動作保証温度も-5℃〜 50℃の幅広い温度環境に対応している。
 
 

今後のi-Constructionの推進に向けて

清水建設では、職員にiPhone、iPadが支給されているが、次モデルのCXWE110は、その職員が所有するiOSデバイスにも直接的に接続することができる仕様となっている。従来の現場Wi-Fiや同社に導入されている汎用会議アプリケーションと組み合わせることができる仕様となっており、より軽装備で遠隔立会を実施することができる。
 
「大掛かりなシステムを導入する必要がなく、すでに社内展開されているデバイスや会議アプリケーションを直接活用できる点は大きなメリットとなっている」と小島氏。
 
これまで、スマートフォンカメラや複数のウェアラブルカメラを試行してきたが、いずれも手振れによる映像酔いがひどく、詳細な検討確認を必要とする遠隔立会者や施工支援者のストレスは大きかった。CX-WE100、CX-WE110を採用することで映像ブレは改善され、また画質も向上したことで、スムーズな遠隔立会が実現できている。これにより現場での作業効率も各段に向上し、現場への巡回数が大幅に制限されるなかでも、現場施工に寄り添う技術的コミュニケーション支援が、高品質に保たれている。
 
遠隔立会システムの開発導入は、「国の方針だから実施しているのではない。建設・土木業界に関わる全ての人たちにとって、より有益であると実際に感じている。業界全体が一体感のある魅力的な職場に変革してゆけるよう、先行して取り組んできた。建設現場の職員の業務負担を少しでも軽くしたい」との思いを小島氏は語る。
 

ザクティの遠場監督ソリューション



 



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