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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

発想を妨げない操作、充実のプラグイン活用で施工マネジメントに3Dモデルを生かす

小野建設株式会社

使用製品 SketchUp Pro


小野建設株式会社
所在地:静岡県三島市
従業員数:86名
事業内容:総合建設業、生コンクリート製造販売業、
宅地建物取引業、造園工事業、土木建築工事の設計
および監理
https://www.ono-ken.co.jp/
 

取締役土木部長      
中村 進 氏      

静岡県三島市に本社を置く小野建設株式会社は大正9年の創業以来100年を迎える総合建設会社である。土木工事部は道路一般工事から砂防、治山、橋梁工事など地域のインフラ整備を担い、いち早く最新の土木技術を取り入れ、多くの実績を残している。i-ConstructionやBIM/CIMに取り組む同社においてSketchUpProの活用法について中村 進氏に話を伺った。
 
 

「こうしたい」を支援する操作性にぞっこん

中村進氏お気に入りのSketchUpProの機能は2つある。一つは操作性、もう一つは豊富なプラグインの存在だ。「モデル上にマウスを置くだけで、端点や方向などを指示してくれる。そのまますっと滑らせばマウスの誘導のままに直角方向に線を引けたり、平行線が描ける。操作者の『こうしたい』イメージをかきたててくれるのがすごい!」
 
中村氏がべた褒めするのはSketchUpProの推定機能のこと。端点や中点、交点などにスナップしたり、エッジに並行・垂直など、モデル上にヒントが表示される機能だ。コマンドを重ねて作図を進めていく一般的なCADと比べ、必要最低限に絞り込まれたコマンド類。ユーザーの創作意欲を損なわない洗練された操作体系。「描くのが本当に簡単なんですよ、SketchUp Pro最大のとっつきやすさはそこ。感覚的に描けて難しいことが何もない」
 
操作者の創作意欲を妨げない操作体系を実現する一方、土木や建設、機械設計向けの専門的な機能をSketchUpProに追加できるプラグインが充実しているのも合理的だ。サードパーティのソフトウエアメーカーが開発/販売するプラグイン製品、SketchUp Proユーザー自らが開発し、無償/有償で公開するプラグインも豊富だ。操作方法は誰もが扱えるよう直感的でシンプルに、業務で本格的に使うなら専門に特化したプラグインを活用する−。土木施工業のICT推進者としてさまざまなツールを見聞きし、使ってきた中村氏のポリシーだ(図-1)。
 


図-1
施工ステップ図や配筋モデルまで全て中村氏が手掛ける。SketchUpのシーン機能を活用することで施工ステップのアニメーションが手軽にでき、合意形成を素早構築できる。



 

3Dモデルを用いた施工マネジメントで成果を出す

同社でのSketchUp導入はi-Construction対応以前。社員の一人が国土交通省中部地方整備局で「ある3Dツールを使うと鉄筋の納まりが分かるそうだ」という話を聞きつけ、興味を持ったのがきっかけだ。その3Dツールとは、Google SketchUpだった。物は試しと施工を担当した伊豆縦貫自動車道ジャンクションを丸ごと一人でモデリング。マニュアルもない手探りでの制作だったが、モデリングのコツ、土木施工での3Dの有用性に開眼。何よりもSketchUpの魅力にすっかりとりつかれてしまった。
 
2012(平成24)年から2018(平成30)年までに施工した伊豆縦貫自動車道の構造物工事では、走行レーン斜面のコンクリート部分をモデリング、足場やレッカーを配置して安全施工・管理を検討した。この取り組みは平成25(2013)年度の第30回静岡県建設業協会賞で土木部門最優秀賞を受賞。静岡県土木施工管理技士会に投稿した工事論文は静岡県交通基盤部等優良建設工事表彰の部長表彰を受けた。3Dモデルを安全管理に利用した事例は珍しかっただけに、同社の取り組みは注目され、自社技術力のアピールにもつながった(図-2)
 
 

 

図-2
各賞を受賞した「平成22年度(国)136号函南三島バイパス社会資本整備総合給付金工事の3Dモデル


 

プラグインで広がる3Dモデルの用途と可能性

SketchUp Proには本体機能を拡張するプラグイン機能があり、さまざまなプラグインソフトが多数公開されている。その理由はAP(I applicationprogramming interface)やSDK( ソフトウエア開発キット)が公開されていること、汎用プログラミング言語Rubyでも開発できることだ。プラグインを利用することで、画面操作では作成が難しい複雑な形状を作ったり、数値入力でモデルを自動生成することなども可能になる。
 
中村氏が注目しているプラグインは「Inventory 3D for Excel」だ。
 
Inventory3DはSketchUp Proで作成した3Dオブジェクト(コンポーネント)にExcelで作成したレコード(1行分のデータ)をひもづけできるユニークなプラグイン。レコードは複数かつ任意の項目を作成できるため、ユーザーの目的に沿った情報管理が可能だ。Excelデータと3Dオブジェクトを連携させると、オブジェクトの「レイヤ情報」「座標値」「体積」を取得してExcelのレコードに反映される。Inventory3D画面で任意のレコードをクリックすると該当する3Dオブジェクトがハイライト表示したり、逆に3DオブジェクトをクリックするとInventory3D上のレコードが選択される。データ連携のベースが使い慣れたExcelなので、マクロやVBAなどが使えると応用範囲はさらに広がるだろう。
 
中村氏はこのInventory3Dをコンクリートの品質管理に利用。具体的には、治山の谷止工事でコンクリートを打設する施工順に3Dオブジェクトを作成し、それらに名前/スランプ長/空気量/打設日/打設気温/メーカーなどの項目をレコードとひもづけて、品質管理を視覚的に行えるようにしている(図-3)。
 
 
「2025年の原則BIM/CIMも現実味を帯びてきた現在、土木施工分野での3Dへの注目度は増加しSketchUp Proへの関心も高まると思う。より日本の土木ユーザーの要望に応えたプラグインや機能の充実が待ち遠しい」
 
 


図-3
現在はさらに一歩進めて、Inventory3Dと連携しているエクセルシートから打設日情報を抜き出し、自作のExcel工程管理表でガンチャートを自動生成させるような活用を模索中だ。Excelでデータ管理できるのがミソで、マクロなどを駆使すれば多種多様な文書との連動が可能になる。


 



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