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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

プラント設計における3次元計測の重要性とGalaxy-Eyeの有効性について

日鉄テックスエンジ株式会社

点群処理ソフトウェア「Galaxy-Eye」

日鉄テックスエンジ株式会社

機械事業本部 技術部 技術開発グループ
グループ長 村山 亨 氏

 
所在地:東京都千代田区
設立:1946年9月
資本金:54億7,000万円
従業員数:11,475名(2019年3月31日現在(連結))
主な事業内容:
https://www.tex.nipponsteel.com/
 
 
 
 

総合エンジニアリング企業である日鉄テックエンジ株式会社では、早くから3次元レーザースキャナーを導入し、プラント現場における3次元計測を行ってきた。3 次元レーザースキャナーと合わせて、点群処理を行う専用ソフト「Galaxy-Eye」を使用することで現場における作業効率化と3次元データの有効活用を実現。プラントエンジニアリングにおける働き方改革にもつながるという。同社機械事業本部技術部技術開発グループの村山亨氏に話を伺った。
 
 

はじめに

日鉄テックスエンジ株式会社(以下、テックス)は、1946年(昭和21年)設立の従業員数は一万名を超えるエンジニアリング会社であります。鉄鋼プラントを支える現場力を基軸とした、総合力と複合力を併せ持つ数少ない総合エンジニアリング企業であります。その製鉄プラントを支えるエンジニアリング力の強化のため、3次元計測を導入し約10年程度となります。元々、複雑な配管や鋼材が多いプラントにおける図面化の手段として採用したわけであるが、現場スケッチの技術としてだけでなく、さまざまな活用を現在は行っており、今回、その一部をご紹介させていただきます。
 
 

3次元計測の導入

3次元計測はレーザー計測機の安価化と小型、軽量化に伴い、急速にプラント現場において普及してきました。多くは現場スケッチ業務の代用としての採用で、当社ももちろんの事、現場スケッチ業務に活用して参りました。そこで得た効果としてはさまざまありますが、まずは現場スケッチにおけるヒューマンエラーがなくなったことは大きい効果の一つとなります。現場を、人が人の手で計測し、記録するという作業は、まず計測ミスの可能性もあります。次に記録する際の記載ミス。そして計測忘れというミスも起こります。前述のようなミスは現場スケッチをされた方なら誰しもあると思います。テックスでは365日24時間休みなく稼働する設備を取り扱うことが多く、現場スケッチを実行するタイミング調整も容易ではなく、そうしたことから計測忘れのために再度現場に入ることが非常に困難な環境下にあります。また現場での作業が増えれば増えるほど、作業員が危険に曝される可能性は高くなります。つまり、現場で被災する可能性が格段に高くなるということであります。大型のプラント設備では、一度被災すれば重大な災害になることが多く、このような災害を撲滅することも重要なミッションの一つであります。現場スケッチという単純作業。その単純作業でも前述のようなリスクを背負っての作業であり、3次元計測はその部分を効率化する大きな手段の一つとして採用したわけであります。
 
 

3次元計測の課題

しかしながら、3次元計測も万能戦士ではありません。まず課題として挙げられるのが、コスト面となります。安価化が進んだとはいえ、非常に高額なハードが必要となり、3次元計測機(レーザー計測機)とデータを活用するための専用ソフトの「Galaxy-Eye」が必要になります。さらに計測したデータが非常に大きくなるため、高度なグラフィック機能を有したPCも必要となります。合わせるとまだまだ大きな設備投資が必要となります。この投資金額だけ見ると、やはり現場計測の効率化だけでpayできるレベルの金額ではないと考えられます。また現場のエンジニアはCADを使った設計を行っており、いくら便利とはいえ、3次元計測のためにまた別のソフトを導入。それを使いこなすことは非常にハードルが高いのが現実だと思います。特に計測したデータを使い慣れた他のソフトへコンバートする場合、中間ファイルに変換するなどは、言ってしまえば『邪魔くさい』作業の一つでありましょう。またそもそも、他のソフトで扱えない場合もまだまだ多いのが実態であり、これらの部分は今後の大きな課題であると認識しております。この課題だけに注目してしまえば、まだまだ導入できないかも知れませんが、テックスでは、この課題を直接解決するのではなく、さまざまな効果を生むことで、この課題を乗り越える活動をしています。
 
 

課題解決のために

突き詰めて考えれば、人の命に勝るものはなし!でありますので、現場での被災リスクを低減できれば、その効果は計り知れないものとなります。ですが、本音を言えば…それだけでは解決できないのが現状。そこでまずはコスト面でのメリットを整理してみます。3次元計測機の計測範囲の特徴として、広範囲を短時間で計測できるというポイントが挙げられます。まずテックスで効果を発揮した事例では、高所での計測案件です。足場を組み立てて計測、解体を繰り返し行う案件においては、非常に適用効果が高く、操業状態を維持しつつ、現場をスケッチできた好事例となりました。足場を組み立てる作業をする場合、操業影響は必至で、安全上、現場においては操業と作業の両立はできません。そこで3次元計測を活用することで、お客様の操業を妨げることなく、かつ、われわれが必要な情報(計測データ)を得ることを両立させられたのは、3次元計測であればこそであります。また同時に工期短縮というメリットも顕在化しました。時間に軸を置いての効果としては、足場組み立て、計測、解体の時間を考えた時、3 次元計測ではその時間は必要なく、今回の紹介した事例では、数カ月の工程が、わずか4日間という工程で実現しました。工程の短縮は、コスト改善にもつながる良い事例の一つとしてご紹介させていただきます。それを実現できたのは、「Galaxy-Eye」という点群編集ソフトの存在が大きく、計測したデータの中で測り、またCADへの出力など多彩な機能を有効活用できた成果ともいえます。
 
続いて、テックスでは3次元計測をさらに有効利用するために「Galaxy-Eye」の機能をフル活用し効率化を突き詰めます。現場スケッチを図面化する面においては、従来の記録したものをベースにCAD化する際、転記ミスの可能性がありましたが、「Galaxy-Eye」を使うことで、現場で取得したデータを有効活用。PC内に現場を忠実に再現し、あるがままの状態を出力することで、転記ミスを防いでいます。テックスでは、「Galaxy-Eye」でCAD化したものを出力したり、CADへ点群をコンバートして図面化したりと、設計業務の効率化を実施しています。また複数の種類の配管が、蜘蛛の巣のように張り巡らされたプラント設備は、3次元での形状理解が必要で、多くの設計者はその技術に長けた技術者でありました。昨今、技術者の技能伝承問題が囁かれておりますが、プラント業界もまさにその渦中にあり、複雑形状をしっかりと理解できる技術者の育成に苦慮している最中であります。そこを担保できる技術が3次元計測とその活用であり、「Galaxy-Eye」を使うことで、複雑な配管を3次元化(CAD化)し、それを瞬時にアイソメ(2次元図)に変換することで、現場の図面化を実現。図面がない設備や最新の図面かどうか不明のような現場では、大きな効果を発揮しています。さらに「Galaxy-Eye」で、新規配管の検討や設備の出し入れの検討をシミュレーション。『見える化』『見せる化』を実現したり、3DCADで設計した新規設備を計測データと融合させる『ハイブリッドデータ化』で、レビューの質を数段向上させ、手戻りに対する効果的なアプローチを実践したりしています。またテックスでは、ヴァーチャルリアリティ(以下、VR)にも力を入れており、「Galaxy-Eye」を使い、取得した計測データをVRというコンテンツで可視化。お客様や関係者の場所へ、データを持ち込むことで、より多くの立場の違うメンバーからの意見を設計に反映。手戻りの削減へ大きく貢献すると同時に、客先との形成合意のスピード化も実現。その時間効果は、従来、圧迫していた製作や工事の工程を改善。施工、品質管理に至る好影響を生んでいます。
 
 

最後に

先に述べたように、3次元計測の導入コストを単独で解決するのは難しい問題です。ですが、得たデータを有効活用することで、最大限発揮することで、コスト問題は解決されると考えています。ここまで使い倒せれば3次元計測データは、現場では必ず必要なデータであり『必須』となります。テックスが進めるエンジニアリングの効率化には、3次元計測による現場効率化の他に、『見える化』、『見せる化』も大きなテーマで、3次元計測は、それらをつなぐ鎹(かすがい)の役目を担う需要なデータになります。これからの時代、計測したデータを技術データとして活用することが、われわれのプラント業界の本当の意味の働き方改革になると考えます。
 



 
 


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