建設ITガイド

トップ >> 成功事例集 >> BIMを活用した鉄骨積算業務効率化への取り組みと今後の展開
成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

BIMを活用した鉄骨積算業務効率化への取り組みと今後の展開

株式会社 安藤・間(呼称:安藤ハザマ)

すけるTON for Revit

株式会社 安藤・間(呼称:安藤ハザマ)

建築事業本部 建築事業企画部
BIM推進室 担当課長
田中 洋介氏

 
所在地:東京都港区赤坂(本社)
設立:2003年4月 
資本金:167億8,858万円(2018年9月末日現在)
従業員数:3,518名(2018年4月1日現在)
http://www.ad-hzm.co.jp/

 
 
 
 
    
 
 
安藤ハザマでは、構造設計用BIMツールとして、Autodesk社の「Revit」を採用し、図書作成や整合確認業務に活用してきた。2018年度からは、構造設計BIM情報を「すけるTON for Revit」へ連携することで、効率的に鉄骨数量を算出する取り組みを実施している。今回は、BIMを活用した鉄骨積算業務効率化への取り組みの詳細と、今後の展開について紹介する。
 
 

取り組みの背景

 
安藤ハザマは2013年に、鉄骨積算精算ソフトウェア「すけるTON」を導入した。導入の決め手は、プレートやボルトを含む詳細な鉄骨数量を、簡単な入力で素早く算出できる点であり、ゼネコンの積算部門が使用するツールとして最も適していると判断したためである。
 
その後2016年に、BIMと鉄骨専用CADのデータ連携ツールとして「すけるTON for Revit」がリリースされ、当社も設計と生産のBIM連携システムの構築を見据えて、いち早く導入した。
 
 

着目した点

 
「すけるTON for Revit」は、設計データで不足する継手情報などの鉄骨詳細部材を、「すけるTON」の機能により「Revit」の構造モデル上に自動作成できるツールだ。
 
その仕組みの裏側では、「Revit」の情報をダイレクトに「すけるTON」に取り込んでいる。つまり、BIMの情報を利用して、効率的に鉄骨数量を算出するツールとして大いに活用できる(図-1)。
 

図-1 BIM ⇔ 鉄骨専用CAD連携システム「すけるTON for Revit」

 
 
当社はこの機能に注目して、BIMを活用した鉄骨積算業務の効率化へ向け、構造設計部が作成した「Revit」データから、正確な鉄骨数量をタイムリーに積算業務に活用していくための、環境整備と仕組み作りに着手した。
 
 

導入するまでは

 
「すけるTON for Revit」の導入以前は、構造図を見ながら、部材リストや配置入力を全て手作業で行っていたため、誤入力をチェックする作業を含め、多くの労力が必要であった。また、構造計算データを取り込む手法もあるが、最終的には図面と見比べて人力でチェック・修正作業を行う必要があり、実務上のメリットは少なかった。
 
従って、最終的な構造図と等しい設計BIM情報をダイレクトに取り込む機能は、作業を効率化する上で非常に重要なポイントとなった。
 
 

設計BIMの情報をダイレクトに取り込むために

 
導入準備として、設計BIMの情報をダイレクトに取り込むために、「Revit」(設計側)、「すけるTON」(積算側)の両面で、以下のカスタマイズが必要であった。
 
まずは「Revit」側で、構造設計部のファミリおよびテンプレートをベースに、連携に必要なパラメーターを追加し、整備を行った。
 
次に「すけるTON」側で、継ぎ手や共通仕様のマスター整備を行い、当社の設計標準の継手が、連携時に優先されるよう整備した。
 
また、より多くの部材を確実に取り込むための新機能も開発した。
 
一つ目は、必要な通り芯・レベルの自動認識機能の開発である。通常「Revit」に入力しないサブの通り芯や中間階のフロアを「すけるTON」側だけに自動作成させ、「Revit」で入力した建物外周エリアや庇、中間階の耐風梁などの部材も漏れなく取り込めるようにした(図-2)。
 
二つ目は、取り込み漏れが一目で分かる自動チェック機能の開発である。各部材の本数や長さがきちんと取り込まれたか、チェックにかかる時間を大幅に短縮させた(図-3)。
 
さらには社内の仕組みづくりとして、「すけるTON」へ取り込み可能な「Revit」の入力ルールを再構築し、取り込み手順のマニュアル化、取り込み後の確認や調整作業のルーティン化を実施した。
 
以上の整備により、構造設計BIMを活用して効率的な鉄骨積算を可能にし、さらには本システムで設定した仕口部や接合部プレートを、BIMモデルへ作成することも可能な機能と体制を構築できた。
 

図-2 通芯・レベルの自動認識機能


図-3 取り込み精度の自動チェック機能

 
 

どの程度の効率化につながるか

 
従来の手法では、構造図を見ながらリスト入力、継手設定、配置入力を行い、チェック、まとめという流れとなる。一方、「すけるTON for Revit」を活用した場合は、モデルのチェックや取り込み前の事前準備の後、一括でBIMモデルを取り込み、調整、チェック、まとめを行うことができる。従来手法で必要な多くの入力作業を、「すけるTON for Revit」により自動で行うことが最大のメリットである。
 
そのため、取り込み後の調整やチェック作業に時間をかけることができ、構造設計BIM情報の有効活用と積算業務の効率化につながることが実証できた(図-4)。
 

図-4 従来手法との比較

 
 
 

今後の取り組み

一つ目は、「すけるTON for Revit」のさらなる機能の向上である。例えば、建物の形状に応じた連携時の最適な入力手順や、設定数値を自動表示する仕組み、エラー発生時の自動修復ツールを構築していく。
 
二つ目は、構造図作成の効率化である。「すけるTON」の図面を「Revit」にリンクさせ、本システムで作成した鉄骨の詳細形状を、BIMの図面にリンクさせる機能を現在開発中である。BIMだけでは表現できない開先やスカラップの表現を、鉄骨詳細図へ展開していくことを目指している(図-5)。
 
三つ目は、一般図作成の効率化である。現状は、ゼネコンがBIMモデルを作成しても、鉄骨ファブリケーターへの情報提供は紙の図面によって行われ、鉄骨ファブリケーターが利用しているシステムに、全ての情報を再入力していた。今後は、「FAB21」※を使用している鉄骨ファブリケーターに対しては、設計BIMデータだけでなく、鉄骨数量積算にも使用した「すけるTON」データも提供することで、一般図作成の効率化につなげていきたい。
 
引き続き、設計者、積算者、鉄骨ファブリケーター、全ての関係者にメリットがある生産システムの構築に向けて、取り組みを継続していく。
 
 
※ 「FAB21」:「すけるTON」と完全互換の鉄骨ファブリケーター向け専用ソフト
 

図-5 鉄骨ディテール 図面リンク機能

 

 
 



新製品ニュース

3D建築ソフトに英語OS対応機能を搭載


建設ITガイド 電子書籍 2019版
建設ITガイド2019のご購入はこちら
サイト内検索

掲載メーカー様ログインページ


おすすめ新着記事

 



  掲載をご希望の方へ


  土木・建築資材・工法カタログ請求サイト

  けんせつPlaza

  住まいの建材.com

  BookけんせつPlaza

  建設マネジメント技術

  一般財団法人 経済調査会