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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

BIMの活用を目指した段階的な研修によりベテランから若手まで幅広い社員の業務が活性化

共立建設株式会社

シスプロBIM導入支援サービス

共立建設株式会社

技術企画本部技術部課長 米倉正剛氏
技術企画本部技術部 伊東瑠那氏

 
所在地:東京都渋谷区
創業:1956年8月
資本金:10億円
従業員数:515名(2018年3月31日現在)
事業内容:建設、土木ならびに附帯設備工事、建築物および附帯設備の修繕・保守 ほか
http://www.kyoritsu-con.co.jp
 
 
 
    
 
共立建設株式会社は、電電公社の外郭団体である電気通信共済会の職員宿舎建設・保守・運営事業を請け負う建設会社として生まれた。職員宿舎以外に基地局をはじめ電話局舎・庁舎・保養所・病院などに領域を広げ、現在は民間からの受注も半数を占めている。同社のBIMは、R&Dの強化を進める中で「シスプロによるBIM導入支援サービス」の効果を得ながら展開されている。そのステップと具体的な効果について、BIM導入を二人で担われた技術部の米倉・伊東両氏に伺った。
 
 

R&D投資の復活でBIM導入を決断

 
共立建設のBIM導入は、2011年に就任した只腰博隆 前社長がR&D投資の復活を唱えた時点から始まった。市場調査を経て新たな取り組みとして選択されたのが、3Dプリンターの業務への導入である。この時2次元パースの3次元化を試みる過程で、外注先から助言されたのがBIMの使用であった。
 
大手ゼネコンでは既にBIMを推進していた2015年当時、同社技術部は、将来を見据えてBIM導入に本腰を入れる決定をした。当初は日本製のBIMソフトを使用し、社内のBIM認知はある程度向上したが、細部の納まりの変更など操作性の面で課題があった。こうした状況の中で、共立建設が出展していたある展示会でシスプロ社と出会い、グラフィソフト社の「ARCHICAD」を提案されたのである。新たなBIMソフトの導入には研修体制の構築も必要で躊躇したが、業界でも有力な「ARCHICAD」に舵を切り、2016年にライセンスを購入した背景には予想外の幸運もあった。
 
 

「ARCHICAD」の研修を全国で開催

 
当時の共立建設には「ARCHICAD」の知識を備えた社員が皆無で、導入の障壁となっていたが、技術部の欠員補充で入社した社員が、偶然にも「ARCHICAD」を学んでいたのである。社内の呼びかけに手を挙げた、その社員こそ伊東氏であった。しかし当然ながら、全社にBIMの知識を広げていくには伊東氏とその上司である米倉氏のみでは負担が大きい。そこでサポート役に指名されたのがシスプロの「BIM導入支援サービス」であった。
 
展示会以降、シスプロはBIMのモデリング支援などを行っていたが、同社の「BIM導入支援サービス」と共立建設の条件が一致したのである。米倉氏は「さまざまな要望に柔軟に対応できる懐の深さと、全国展開する同社の8拠点の支店でサポートできる体制が整っていた」と語る。また伊東氏は「こちらの要望をよく聞き取り、的確にレスポンスしてくれていた。(実際のBIM導入の過程でも)知りたいことに即応でき、相談内容に応じて最適な人材を紹介してくれる」と、サービスの効果を語った。
 
具体的なBIM導入過程では、本社で作ったモデルを現場に送り、iPad等で確認してもらいながら活用方法を検証していった。その一方で、モデルを検証する「Solibri Model Checker」の講習を本社でまず行い、次に物件単位でスポット的に「Solibri」の干渉チェックの講義を実施。さらに会社全体の集合研修では「ARCHICAD」「Solibri」両方の講義を行った。これと並行し「ARCHICAD」におけるオブジェクト作成用言語である「GDL」の講習も実施。このような経過をたどる中で、BIMへの関心が高まり、具体的な支援の要請が徐々に支店から本社に届くようになる。
 
 

本社の集合研修の様子

 
 

設備配管モデル

  
 

配筋の検討でBIMの3次元モデルが有効

 
もちろんBIM導入時から全てを使いこなすことは難しい。そこで当初は、「RC造の配筋の検討はどこまでできるか」をテーマに現場での取り組みが行われた。こうして「GDL」を使ったモデル作りが主要支店から始まった。干渉チェックは、ときにベテラン社員でも困難だ。しかし、2次元では分からない部分もBIMによる3次元モデルなら明快に分かる。「例えば空間によって高さが変わるスキップフロアは、断面にすれば分かるが平面図では理解が非常に難しい。特に『この高さの空間を作るのにどの程度の仮設が必要か』を考える場合、3次元で見られれば足場の計画などに役立つ」と、米倉氏は検討する際のBIMの効能を語る。もちろん、それによって業務はスピードアップする。伊東氏も「XY方向は避けられてもZ方向が当たっているかどうかはなかなか分からない。特に新人にとっては、平面図を見ながら専門用語を交えて話されると追い付けず、立体としての把握が難しい。BIMは図面を理解するのにとても役立った」と話すなど、ベテランと若手それぞれにとってのBIMの効果が明らかになった。
 

設備干渉チェック 梁貫通結果

 
 

BIM導入前はこれらのような2次元で検討していた
 
 

BIM導入のアウトソーシングで専任業務に集中

 
「BIM導入支援サービス」のアウトソースは、さまざまな面で効果を生み出した。米倉氏は「電話でサポートを受ける際も、支店や現場での講習で講師と会っていれば、格段にコミュニケーションしやすくなる。また現場事務所は、現場業務を行う社員とデスクでサポートする社員に分かれるが、現場でBIM活用を進めていくとサポート側のBIMに対する意識が変わり、管理職でも講義を聞く者が出てきた。さらに、動画を撮影して現場担当者や支店の関係者に配布すると興味は一気に高まる」と、各自の意識の変化を強調する。また、外部講師の指導は、良い意味の緊張感を生み学習効果が高まる。
 
本社でBIMを推進する両氏にとってもアウトソーシングがもたらす業務上の効果は大きかった。「少数精鋭の部署のため、研修面の多くを任せることで専任業務に集中でき、時間の有効活用が可能になりました」と米倉氏は語る。その効果は「Solibri」にも及んだ。ルールセットを組み込んでプログラミングを配信する際に、ルールが何に使えるかを把握することは必須だが、これを身に付けるにも時間的制約がある。「同じ現場のモデルが打合せごとに更新されますが、その違いを確認すると同時に現場からの依頼があると支援を受けざるを得ません。他にもこちらで自社用のルール作成をする際もルールが作られた背景を知る必要があるのですが、現状ではそのための時間を捻出できません」と伊東氏。そこで、施工現場でよく使うルールを抽出した解説書の作成を共同で進めているところだ。
 
今後の課題としてはBIMデータを共有できるBIMクラウドの環境整備があるが、実務面では、研修をコース分けし、さらに支店ごとに進捗管理できる体制の構築が待たれる。いずれにしても、BIMに対する習熟度がより高まることで全社的な業務改善がさらに進むことは間違いない。
 
 

各支店での研修の様子

 
 



新製品ニュース

製品ラインアップが拡張された『Solibri Product Family』をリリース


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