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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

災害により道路が寸断。3次元地形モデルを利用し災害に強い新たなルートを計画

株式会社 昭和土木設計

道路・鉄道線形計画システム「APS-MarkⅣ」

株式会社 昭和土木設計

道路・河川チームの皆さん

 
所在地:岩手県紫波郡
設立:1980年11月
https://showacd.co.jp/
 
 
 
 
 
 
 
    
 
株式会社昭和土木設計は、岩手県紫波郡に本社を置く建設コンサルタント。2014年度からBIM/CIMへの取り組みを進め、2015年度にはi-Constructionの発表と同時に研究開発を加速させてきた。道路設計、橋梁設計、景観検討、UAV空間計測等の3次元設計・計測にいち早く取り組んできている。今回は道路・河川チームの方々に3次元地形モデルを利用した道路計画への取り組みについて話を伺った。
 
 

災害に強い新たな道路が必要

 
平成28年の台風10号による大雨の影響で土砂災害が発生し、土砂崩れにより道路が寸断され集落が孤立してしまった。その後、寸断した道路は復旧したが、今後を考慮し道路のネットワーク化が必要と判断。株式会社昭和土木設計では、災害に強い新たな道路を以下の点に考慮して設計を行った。
 
①河川の災害履歴を避けた高さでルート検討
②地形の急峻箇所を避けたルート検討
③既往の災害位置を避けたルート検討
 

今回用意したデータ
●3次元地形モデル
●空中写真

 

今回利用したソフトウェア
●現況高さ編集ソフト「APS-ZE」
●道路・鉄道線形計画システム「APS-MarkⅣ」

 
現況高さ編集ソフト「APS-ZE」(以下、APS-ZEという)を利用し、平面図に3次元情報(等高線、道路、平場等への高さ情報)を付与した3次元地形モデルと災害後に撮影した空中写真を用意し、3次元地形モデルに空中写真をマッピングして土砂災害箇所を確認した(図-1)。
 
 

図-1 3次元地形モデルに空中写真をマッピングし土砂災害箇所を確認

  
 
右岸左岸の急峻度を判別しながら最適な平面・縦断線形を計画。山岳地形での道路概略設計として3案のルートを計画した(図-2)。
 

図-2 3案のルートを計画

 
 
 

3次元地形モデルを利用したルート検討

 
道路・鉄道線形計画システム「APSMarkⅣ」(以下、APS-MarkⅣという)を利用する場合は、「エレメント固定法」を用いてルート検討を行っている。この手法は「IP法」と異なり、通過するポイントを直接座標指定することができ直観的な操作でルート検討が行える。都市部のコントロールが多い地域のルート検討にも利用するが、山岳部では特に威力を発揮する。それに加え、平面線形と連動した拡幅や横断勾配すり付けの自動生成、線形検証機能による検討中の線形の制限値チェックも便利な機能だ。
 
また、3次元地形モデルを用意したことで、平面線形を調整しても地盤高が瞬時に取得できるので縦断検討時には効果的である(図-3)。
 

図-3 地盤高の取得

  
今回の急峻箇所は、平面線形と縦断線形を計画しながら平面図上に法面展開させ何度もルート確認を行った。3次元地形モデルを用意したことで、法面展開が容易に行え、トライアルが発生するが効率良く検討が行えた。「ペーロケしていた時代と比べても作業時間が大幅に短縮できるようになり、エムティシーのソフトを手放すことができなくなった」と感じている。
 
 

3次元モデルによる可視化

 
初めに既存の道路を再現し浸水が予想される区域(3m上昇した場合)を水色で表示し確認した。これにより一部エリアの浸水する区域が特定できた(図-4)。
 

図-4 浸水区域を確認

  
この浸水区域を踏まえ計画したルートから3次元モデルを作成し可視化した。
 
これにより全体イメージが掴みやすく、設計協議時に利用したことで、受発注者間での設計内容の意思疎通を図ることができた。検討しているルートを複数表示させることもでき、比較検討にも有効であった(図-5)。
 

図-5 3次元モデル表示(ルート比較)

 
 

走行シミュレータによる走行確認

 
3次元モデルにして全体を可視化した後は、それぞれのルートにおける走行シミュレーションを作成し走行確認を行った(図-6)。
 

図-6 走行シミュレータ

 
 
シミュレーションを行うことで、「縦断方向での視距」、「待避所間の平面視距」等の確認を視覚的に行えた点が大きい。
 
データ作成にも手間がかからない為、今回は利用していないが、概略設計では基盤地図情報数値標高モデル、予備・詳細設計では点群データの3次元地形モデルを利用した道路計画も行っている。
 
発注者からは、図面と3次元モデルを見ながら設計協議を行ったことで、「問題箇所の洗い出しを行い受発注者間での意思疎通が図れた点」、「ルートの追加検討に対しても短時間で対応できた点」が高く評価された。
 
また、「今後は視覚的に訴えるものもあり、誰が見ても分かりやすく、地元説明会において、平面図を使った説明よりこちらの方が地元の方々に理解してもらえそうだ。説明しやすいと思う」との感想を頂いた。
 
 



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