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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

Revit鉄骨詳細連携システムの構築

大成建設株式会社

FAST Hybrid for Revit

大成建設株式会社

設計本部 構造計画部 構造計画室
シニア・エンジニア
大越 潤 氏
 

 
所在地:東京都新宿区(本店)
創業:1873年10月
資本金:約1,227億4,200万円
従業員数:8,415名(2017年3月現在)
http://www.taisei.co.jp/
 
 
 
大成建設株式会社では、構造設計用BIMツールとしてAutodesk社のRevitを採用し、確認申請に伴う多くの作図に活用している。しかし、Revitは国内仕様となっていないため、鉄骨詳細検討を行うにはプレートやボルトなどの鉄骨詳細部材を1箇所ずつ手入力で行う必要があり、現実的ではない。そこで、Revitと3Dモデリングに対応した鉄骨専用CADを連携させ効率化を図っている。今回は、その連携ツールの開発について、話を伺った。
 
 

鉄骨詳細連携ツール開発の背景

 
大成建設では、構造設計用BIMツールとしてAutodesk社のRevitを採用し、現在では、確認申請に伴う多くの作図を担うことが可能になった。このため数年前より、これまででは手間が多くかかり、モデリングが難しかった鉄骨や鉄筋の詳細モデリングを試行している。
 
これまでRevitを使った鉄骨詳細図は、代表的な架構について2面程度を作成することしかしておらず、またその作業方法は、軸組図とは尺度を変えたモデルを切り出した断面に、プレートやボルト、仕様情報を加筆することで作図を行うというものであった。
 
一方、鉄骨詳細設計は、実施設計段階で早期に検討を開始することにより、その後の手戻りや変更に伴う手間やコストの削減に対して、有効な手段となり得る。
 
しかしながら、設計段階で詳細検討に時間をかけることは現実的ではなく、手間なくそれを実施する手段が必須である。
 
鉄骨詳細検討をRevitで行おうと思うと、アドオン機能として自動生成ツールが用意されてはいるものの、海外の仕口形式のため国内仕様となってはおらず、プレートやボルトなどの鉄骨詳細部材を、1カ所ずつ手入力で行う必要があり、現実的な選択肢にはなり得ない。
 
また、鉄骨詳細検討はある程度までは確認申請前に実施するものの、実際には着工後に鉄骨ファブリケーターが承認図という形で作成したものを、設計者が承認する工程となっており、必ずしも全てを設計工程で検討した後に、次工程に受け渡しているわけではない。
 
一方、FAST Hybridをはじめ、多くの鉄骨専用CADでは、現在2D入力を主体としているものの、立体表現が可能となっており、また柱や梁といった部材を配置すれば、あらかじめ設定した仕様に応じて鉄骨詳細部材をある程度自動生成する機能を備えている。
 
そこで、Revitと鉄骨専用CADを連携させることにより、設計では早期の納まり検討に生かすことが可能になることを目指し、開発を行ってきた(図-1〜6)。
 

図-1 Revit構造モデルの伏図表現

 

図-2 Revit構造モデルの軸組図表現

 

図-3 Revit構造モデルの鉄骨断面リスト表現

 

図-4 Revit構造モデルのRC断面リスト表現

 

図-5 Revit構造モデルの鉄骨詳細図

 

図-6 鉄骨詳細図の手書き加筆部分

 

FAST Hybrid for Revitの開発

 
これまで鉄骨ファブリケーターでは、RevitやAutoCADといった設計ツールから出力された紙の図面を基に鉄骨専用CADモデリングを行い、見積りや鉄骨製作に関わる詳細設計を行ってきた。
 
これは、既に設計でデジタル情報があるにも関わらず、一度紙というアナログ媒体に落とし、さらに鉄骨専用CADに入力し、デジタル化するという多重入力を指すものであり、非効率に他ならない。また、これはヒューマンエラーを引き起こす要因ともいえる。
 
RevitからFAST Hybridへの連携は、設計で作成したデジタル情報を、積算事務所や鉄骨ファブリケーターなどへ受け渡すことにより、情報の円滑利用を促進する目的があり、効率化が期待できる。
 
また、FAST HybridからRevitへの連携は、鉄骨詳細部材の自動生成機能により、設計の詳細検討を早期に行うことや、鉄骨ファブリケーターによって詳細検討を行った情報を、Revitに反映することで、その後の施工段階での納まり検討や、干渉チェックなどへも利用が可能になる。
 
さらに、RevitとFAST Hybridではそれぞれ使用者が異なることから、連携に際しそれぞれのソフトウェアを使う必要があったのでは効率的とはいえない。このため、それぞれの使用者が相手のソフトウェアを意識することなく作業に当たれる仕組みが必要と考えた。 
 
こうしたことを踏まえ、RevitとFASTHybridとのダイレクト連携機能について、2016年より第1弾としてRevitからFAST Hybridへの連携機能、2017年にはFAST HybridからRevitへの連携機能開発に取り組んできた(図-7〜9)。
 

図-7 Revit構造モデル

 

図-8 FAST Hybridインポート後詳細部材を自動生成

 

図-9 Revit鉄骨詳細インポート後

 

FAST Hybrid for Revitの効果

 
FAST Hybridで自動生成した鉄骨詳細部材をRevitにインポートすることで、これまでは時間的な制約により、部分的な検討にとどまっていた鉄骨詳細検討を、設計の早期の段階で行うことが可能になり、手戻りの防止が可能になる。
 
これは、BIMの導入後に必要となるワークフロー改善の一つ、フロントローディングにつながるものであり、これに時間をかけずに行うことは、コストメリットも大きいものとなる。
 
また同時に、これまで経験が必要であった納まり検討を標準化、自動化によって行うことは、設計品質の向上とともに、若年社員の検討の効率化にも寄与する。
 
一方、Revitと鉄骨専用CADそれぞれのデータがスムーズな連携により整合することで、これまで紙図面に頼ってきた数量算出方法の効率化が図れ、さらにお互いの数量に対する合意形成が可能となることで、数量合わせなどの作業を低減することも可能になる。
 
鉄骨詳細図だけではなく、これまでできなかった作業が可能となることは、効率化や品質向上が期待され、今後多くのプロジェクトでの実施によりブラッシュアップを図りたい。
 
 

今後の期待

 
現在使用されている鉄骨専用CADは複数存在し、またさまざまな鉄骨ファブリケーターと業務を行う上でも、効率的にデータ連携を行う必要がある。本件のような鉄骨専用CAD連携は今後さまざまなソフトウェアで開発されると考えられるが、その際に懸念されるのは、連携精度もさることながら、共通化である。
 
例えば、A社から渡されたデータ形式と、B社から渡されたデータ形式が違うといった場合に、受け手側ではそれぞれの会社仕様に連携のチューニングを行う必要がある。これではせっかくデータの受け渡しが可能になっても、非効率な部分が残ってしまう。
 
必要な項目が大きく変わらないことを考えると、標準化は必要と言え、そのための取り組みを進める必要があると考えている。受け渡しフォーマットなど、連携に関するルール作りが今後進むことを期待したい。
 
 



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