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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

フリーダムアーキテクツのBIMを活用した住宅設計がVR体験でさらに進化

フリーダムアーキテクツデザイン株式会社

VRアーキテクツシステム

フリーダムアーキテクツデザイン株式会社

設計事業本部 事業開発部長
長澤 信 氏
 

 
所在地:東京都中央区
設立:1995年4月
資本金:9,300万円
従業員数:210名(2017年5月現在)
主な事業内容:建築設計監理、不動産仲介
https://www.freedom.co.jp/
 
 
 
設立から20余年の歴史を持つフリーダムアーキテクツデザイン(以下、フリーダムアーキテクツ)株式会社は、全国に16のスタジオを持つ建築設計事務所。現在、1年間に約400棟の注文住宅を手掛けるという同社は、2017年2月から、注文住宅の施主との打合せ時にVR(バーチャルリアリティ)を導入し始めた。施主はヘッドマウントディスプレイを通じて、建築前の建物の中を自由に見て回ることができるという。
 
 

住宅設計におけるVR活用

 
業界でのVR活用というと、これまでにも大手ゼネコンやハウスメーカー等で「モデルルームをVRで体験する」といったサービスが行われてきている。しかし、今回フリーダムアーキテクツが始めた「VRアーキテクツシステム」は、注文住宅の分野で「設計中の家の中をVRで体験し、それをデザインに反映させる」という、全く新しい試みだ。
 
フリーダムアーキテクツは、BIMソフトウェアである Autodesk Revitのデータを使用したBIMでの建築確認申請を実現するために大塚商会、オートデスク、住宅性能評価センターとの協業を行い、2016年8月には国内で初めてBIMでの確認済証が交付された実績を持つ。今回のVR導入は、BIMの活用を推し進めた新たな取り組みとなる。
 

 
 

まだ建っていない家の中を歩き回る

 
注文住宅という“一点もの”の設計では、建築家が頭の中に思い描くプランをきちんと伝えながら、クライアントのニーズを丁寧に汲み取ることが何よりも重要な作業となる。通常は図面や模型、CGパースなどを用いてクライアントに提案することになるが、そこにVR体験が加わることで、予想以上の成果が得られているという。
 
同社事業開発部部長の長澤信氏は「お客様にアンケートを取ると、圧倒的に多くの方々が“今自分が打合せをしている間取りをVRで体験したい”とおっしゃいます」と語る。建築家の頭の中には具体的にイメージするプランがあるが、そのプランをクライアントがどの程度イメージできるかは、人によってさまざまだ。設計の初期段階において、実際に家の中を見て回るようにVR体験ができるようになれば、クライアントはぐっとイメージしやすく、具体的なリクエストを出すことも可能になってくる。
 
これまでに同社でVR体験をした施主からも、「動線がとても分かりやすい。キッチンからすぐ裏のランドリースペースに、自分の足では何歩で行けるのかを実際に歩いて確認できた」、「自分のお気に入りの大きなお皿を入れるとしたら、キッチンの棚のどこに入れられるかをリアルに検討することができた」などのフィードバックが寄せられており、また20cmの身長差があるご夫婦の場合に、ご主人がキッチンに立ってレンジフードが邪魔にならないか奥様に問いかけると、「私の身長だったらまったく視界に入らないから大丈夫」との答えが返ってきたという。
 
いずれのエピソードからも、感想が非常に具体的だということがよく分かる。同社ではクライアントがVR体験をしている際、横にある大きなモニターでも同じシーンを見られるため、クライアントがどの視点でどこを見ているかも手に取るように分かるという。クライアントのニーズを、言葉だけでなくビジュアルから汲み取ることも十分可能になっているのだ。
 
 
<フリーダムアーキテクツデザインの手掛けた事例>
 

 
 

 
 

 
 

 
 

BIM×VRで作り手の環境が変わる

 
Autodesk Revit から設計データをクラウドサービスの Revit LIVE に送信してVRデータに変換。Revit LIVE Viewerを使ってVR表示もできるし、AutodeskStingrayを使ってより高精細で没入感が得られる表現に進化させることもできる。フリーダムアーキテクツではヘッドマウントディスプレイ HTC Viveを使い、VRデータを活用することで、まだ建っていない家の中をリアルに歩き回ることが可能となる。
 
また、陽当たりなどについても厳密にシミュレーションを行い、その結果を設計にも反映させている。ある事例では、「朝日が入るベッドルームにしたい」というクライアントの要望に沿って横長の窓を付けたが、シミュレーションしてみることで、朝10時にならないと光が差し込まないことが判明。そこで縦に窓を付けて、もっと早い時間に光が入るよう変更することができたという。
 
「これまで建築家には、自分が設計したものが現場で出来上がることで、初めて実感する部分がありました」と、長澤氏。「実際に目にすることで、必ず“ああしておけば良かった”という反省が出てきます。建築家自身の能力がどう伸びるかは、それを何件経験できるかによって変わってきますが、図面を描いて出来上がるまでには1年くらいは掛かります。でも、VRであれば半日も掛からずに、自分が設計したものの中に入り込むことができるんです。実際に空間を自分でチェックできるので、さらに戻って設計し直すことも簡単にできる。建築家たちの意識も変わってきていて、より自信を持ってお客様に説明することができるようになりました。とても細かいところまで自分自身で空間を体験しているからこそ説得力が出てくる。VRは、作る側の環境も確実に変えていくことになると思います」
 
さらに、実際に置く予定の家具や家電のデータもBIMデータへ入れることで、その空間に占める割合、位置はもちろん、形状や色、張地などディテールまで体感できるようになる。 
 
「特に海外の家具メーカーは、その多くが3Dモデルをダウンロードで提供しているため、それを利用してBIMデータに入れ込んでいます。早い段階で家具を決定できれば、(設計の完成を待たずに)オーダー可能になります。例えば海外で作ったものを取り寄せる場合、時間がないために空輸したりして余分な費用が掛かったり、国内の在庫品で探すと色が合わないなど、いろいろなことがあるので、早い段階で家具を決定できることのメリットは想像以上に大きいんです」
 
家づくりは「三度建てないと理想の家にならない」と言われることが多い。しかし、VR体験により、まだ建てていない家の中をくまなく歩けるとしたら? 長澤氏は「VR上の家が既に1軒目」だと言う。建築家、クライアントの両方がVR体験をすることで、イメージを具体的に共有してアイデアを出し合うことができるため、打合せも非常に“建設”的なものになり、出来上がった家への満足度も高くなるのだ。
 
建築家とクライアントが一緒になって取り組むことができる、理想の家づくり。今後、照明や音響のシミュレーションも手軽にできるようになってくれば、建築業界でのVR体験のニーズも、さらに高まってくるだろう。
 

設計中の住宅を、日照も含めてレンダリングしたところ

 

当初のプランをRevit Live上で確認すると、十分な日当たりが得られないことが分かる

 

プラン変更後の季節や時間に応じた日照の変化をRevit Live上で確認

 
 



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