建設ITガイド

トップ >> 成功事例集 >> 最短の工期で高精度な施工を実現~軌道維持保全の施工監視システム~
成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

最短の工期で高精度な施工を実現~軌道維持保全の施工監視システム~

ユニオン建設株式会社

地盤改良機(ボーリングマシン)制御システム

会社概要 ユニオン建設株式会社
所在地:東京都目黒区
資本金:1億2,000万円
従業員数:854名(平成21年10月1日現在)
主な事業内容:.土木建築工事の請負など

地盤改良機(ボーリングマシン)制御システム JR東日本グループに属するユニオン建設(株)は、鉄道設備のメンテナンス業務を中心とした総合建設企業。公共工事だけでなく民間工事なども幅広く手がけている。ある物件で、電子レベルのトラブルで観測が困難な事態に。急遽、自動追尾トータルステーションしたが、観測精度が高まっただけでなく、手間が減るなどの効果を得られたという。今回は、自動追尾トータルステーション導入に至った経緯と採用したシステムについて話を伺った。

大島 亮氏

導入のきっかけ

当初の計測方法に想定外のトラブルが

今回、当社が着手した工事の内容は、軟弱な地盤の改良工事でした。軌道の地下、奥深くにできた空洞にセメント液を流し込んで固める工事において、削孔機で地面を掘削するボーリングマシンを作動させたり、セメントを注入することによって地盤が急激に沈下・隆起する危険性があります。当初は電子レベルとバーコードスタッフを使用して地表面の動きを観測、少しでも動きがあった場合には事前に察知し、速やかに作業を中断することができるよう細心の注意を払っていました。
 しかし施工開始直後、ある問題が浮上しました。電子レベルが正常に動作しないのです。工事は夜間に行うため、スポットライトで観測点を照らしながら観測を行っていたのですが、光がバーコードスタッフに乱反射してしまい観測が困難に。急遽、電子レベルから自動追尾トータルステーションに切り替えて観測を行うことになりました。


地盤改良機(ボーリングマシン)制御システム   地盤改良機(ボーリングマシン)制御システム

地盤改良機(ボーリングマシン)制御システム   地盤改良機(ボーリングマシン)制御システム

地盤改良機(ボーリングマシン)制御システム   地盤改良機(ボーリングマシン)制御システム

工事の安全を確実に見守るシステム

 ボーリングマシンに後続する制御台車にトータルステーションを2台設置。そこから10mほど前方の軌道に直接設置したゲージについている2点のプリズムを常時計測。変位のリアクションをダイレクトに受ける軌道を直接計測しているため、高い精度での観測が可能となりました。
 通常、2つの測点を1台のトータルステーションで観測するには旋回する間、2.4秒のタイムラグが生じます。セメント液を注入するのはほんの3~4分間という短い時間内。 急激な変位を察知するにはほぼリアルタイム(0.5秒)でのシビアな計測管理が必要でした。
 また、地表面が5mm変位しただけでもマシンを自動的に停止する機能を搭載し、昼夜を問わず非常に高い精度での観測を行うことができました。


施工の安全性と品質の向上

 通常、トータルステーションを使用せずレーザーレベルによって観測を行う場合、複数名のスタッフが目視で基準に対する上下(Z値)を確認しますが、今回、自動追尾トータルステーションを導入したことで無人、かつ計測業務の手間から開放されました。
 本来、安全監視のために導入したシステムですが、動態の上下(Z値)だけでなく、タイムラグのない厳密な3次元の数値でグラフ化されたデータを取得できたため、報告した発注者からも信頼を得ることができました。このシステムを導入したことで安全を保ちながら施工を行うことができました。


ビジュアルに訴えるインターフェイス

 タッチパネル装備のモバイルPCを使用することで、現場に人員を配置せずとも離れたところから観測することができました。何と言っても使い勝手が良かったのは、ビジュアルに訴えるインターフェイスです。
 変位の起こる様子がリアルタイムでグラフ化されるため、急激な変位を予測することができました。


施工後のサポートと展望

 また施工前と施工後の、軌道の状態確認のための計測も軌道変位自動監視システム「トラックステーションⅡ」を用いた定点観測システムにより、建設機械と計測機器のネットワーク化による一元的な施工管理や個別作業との連携を行い、生産性や品質の向上を図る情報化施工システムを積極的に活用していきたいと思っています。
地盤改良機(ボーリングマシン)制御システム




新製品ニュース

現場のあらゆる機械の安全管理をスマート化する「Arch安全セーフティ」現場のあらゆる機械の安全管理をスマート化する「Arch安全セーフティ」


建設ITガイド 電子書籍 2024版
建設ITガイド2024のご購入はこちら

サイト内検索

掲載メーカー様ログインページ



  掲載をご希望の方へ


  土木・建築資材・工法カタログ請求サイト

  けんせつPlaza

  積算資料ポケット版WEB

  BookけんせつPlaza

  建設マネジメント技術

  一般財団法人 経済調査会